午後6時以降メール禁止 ローソン、女性が働きやすく柳田衣里ローソン人事本部人事企画部部長(下)

女性社員の力を商品開発に

白河 人気のスイーツ「バスチー」や糖質を抑えた「ブランパン」のシリーズなど、ユニークな商品が目立ちますね。あと、首都圏中心に展開している「ナチュラルローソン」は、美容・健康志向の女性たちの心をつかんでいる。この裏側にも女性の活躍があるのでは?

柳田 ナチュラルローソン(ナチュロー)の開発チームには、女性がかなり多いですね。グリーンスムージーなど、ナチュロー発のヒット商品が全国のローソンに並んだ例はいくつもあります。野菜を生地に練り込んだトルティーヤのデリ商品を開発したのも女性で、彼女は「育休中に、手軽に野菜が取れるフィンガーフードがあるといいなと発案した」と言っていました。仕入れ系の商品を担当している女性もエネルギッシュで、健康意識の高い消費者の動向をリサーチするためにボディービル大会にまで視察に行っていました。(笑)

白河 すごい。元気な女性がイキイキと活躍して、商品力を高めているのですね。女性リーダーもこれから一層増やしていきたいということでしたが、これから特に注力していきたい施策はありますか。

柳田 人事としてこれから積極的に強化していきたいのは、活躍している女性の事例や制度をわかりやすく紹介する社内広報活動です。全国の現場にいるとなかなか見えづらいキャリアの展望や、会社としての新しい取り組みが、もっと伝わるようにしていきたいですね。

これまでは「会社で成長するってこういうことなんだ」と理解するには、ジョブローテーションを何度か経験するなど、時間をかけることが前提だったのではないかと思います。でも、それでは女性の不安解消に間に合わない。異動をせずともキャリアの見通しが立つきっかけ、例えば部署体験ツアーを企画したり、社内のロールモデルから直接話を聞ける機会をつくったり、ホットな制度を紹介する冊子を配布したりと、新たなアプローチを打っていくつもりです。

白河 コンビニ業界が変わることは、すべての業界の刺激になるはずと期待しています。ぜひ頑張ってください。

あとがき:コンビニやファミレス、24時間365日の営業がある業界はどうしても女性に人気がありません。もしくは定着しないなどの課題がつきものです。どこも苦戦する中、女性活躍では目立った成果を上げているローソンにその仕組みを聞いてみました。女性が管理職になりたがらないのは「自信がないから」とよく言われます。しかし私は「自信」ではなく「自信を失わせる男性中心の働き方」に問題があると思っています。育休や時短勤務の結果、いざ昇進となるとハンディを背負わされているケースがあります。ようやく最近、「育休中でも同期並みの昇格」という会社が出てきました。時短でも成果で評価すれば昇進もあり得る。コツコツと女性の前にあるハードルを取り除いてきたローソンにはヒントがたくさんありました。

白河桃子
少子化ジャーナリスト・作家。相模女子大客員教授。内閣官房「働き方改革実現会議」有識者議員。東京生まれ、慶応義塾大学卒。著書に「妊活バイブル」(共著)、「『産む』と『働く』の教科書」(共著)、「御社の働き方改革、ここが間違ってます!残業削減で伸びるすごい会社」(PHP新書)など。「仕事、結婚、出産、学生のためのライフプラン講座」を大学等で行っている。最新刊は「ハラスメントの境界線」(中公新書ラクレ)。

(文:宮本恵理子、写真:吉村永)

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