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画像はイメージ=PIXTA

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社員がいきいきと働き、高いパフォーマンスを発揮する職場をつくるには何が必要か。産業医として多くの企業で社員の健康管理をアドバイスしてきた茗荷谷駅前医院院長で、みんなの健康管理室代表の植田尚樹医師に、具体的な事例に沿って「処方箋」を紹介してもらいます。

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企業の従業員の健康管理について、専門的な立場から指導・助言を行う「産業医」をご存じでしょうか。病院などのいわゆる「主治医」が患者を診断して治療するのに対して、産業医の役割は企業内で従業員の健康を守ることにあります。専門知識を備え、その企業の業務や職場環境について詳しく知る医師をうまく利用することで、「いきいき職場」を実現できるはずです。

産業医は「労働安全衛生法」に基づき、50人以上の従業員がいる事業所に、その選任が義務づけられています。中小規模の事業所であれば非常勤の嘱託でかまいませんが、1000人以上の大規模事業所となると専属の産業医を置くことが必要です。

医師はその専門とする診療科にかかわらず、日本医師会などの研修を修了したり、労働衛生コンサルタント試験に合格したりすることで産業医となることができます。

診断や治療は行わず、労使でつくる「衛生委員会」に出席して労働災害防止について助言するほか、健康診断の実施や面接指導、健康相談、作業現場を見て回り問題点をチェックする原則月1回の「職場巡視」、健康や衛生管理のための研修「衛生講話」などを手がけています。

「外部の目」としての産業医

職場巡視であれば、労災を未然に防ぐために、消火器や非常口の前に物が置かれていないか、地震などの災害時に備えて棚を固定しているか、給湯室や仮眠室の衛生状況、換気や温度管理などの問題点を指摘して改善を求めるなどします。例えば、密室の作業現場について、作業者が倒れるなどの万が一の場合に備えて、内部が見えるように扉に窓を設けるように助言したり、作業所内で事故があった箇所に注意喚起の標識を取り付けるように指示したり、気がついた点を指摘しています。

毎日働いている人たちからすると、当たり前のようになっている職場環境でも、専門家の目で見ると、危険が潜んでいる場合も少なくありません。企業には産業医を「外部の目」として積極的に活用してほしいところです。

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