基本スタイルは小ぎれいなジャケパンやセットアップ

王室から離脱後にさっそく「サセックスロイヤル」というユーザーネームで2人が連名で開設したインスタグラムを見ると、それがよくわかる。

例えば結婚当初の頃や独身時代には、お兄ちゃんのウィリアム王子と同じく英国王室の伝統カラーであるロイヤルブルーのスーツやタイ、ニットなどを着て、かろうじてまだロイヤルスタイルを意識していたが、だんだんとロイヤルブルー度が少なくなってきている。

そのかわりに増えてきているのが、カーキやグレー、ベージュといった淡い中間色である。

ベージュのリネンやコットンのスーツを白シャツにノータイでカジュアルで着ていたり、薄いブラウンのチェスターコートもカジュアルにグレーのハイゲージニットから白いシャツをちらりと覗(のぞ)かせて着ていたりする。

また、時にはLAセレブやベッカムみたいにピチピチのスリムデニムパンツにニットキャップを目深に被って、トレードマークのくしゃくしゃの赤毛を隠したりしているのだ。メーガン妃と交際時代にビーチやプールで泳いでいるところを英国のタブロイド誌に激写された際には、メーガン妃から言われて胸毛を処理していて「無精ひげも剃(そ)らないハリー(ヘンリー王子の通称)王子が胸毛を脱毛処理している!」と大騒ぎになったんだそうだ。

そんな、セレブなメーガン妃キモいりのヘンリー王子の今どきのサセックスロイヤルスタイル。実はファッション的には「スマートカジュアル」と呼ばれて、いまや世界的にも若い世代の服の着こなしのニュースタンダードスタイルになっているのだ。

小ぎれいなジャケット&パンツスタイルが決まっている=ロイター

基本のスタイルは、小ぎれいなジャケパンやセットアップ。ノータイでもジャケットを羽織っていればインナーはTシャツなどでもよくて、ボトムスは職種やシーンによってデニムであっても全然OK。日本のクールビズもこれに近いスタイルである。

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ヘンリー王子は「21世紀のウィンザー公」