常識や思い込みにとらわれない
本書では、上野式ダイエットのメソッドを詳しく紹介しています。その内容は「上手に食べる」「きちんと排泄する」「カラダの毒を出す(デトックス)」「良質の睡眠を取る」「入浴で心身をリセットする」などです。重要なのは「常識や思い込みにとらわれない」という態度です。いずれのメソッドも、本の中で科学的な根拠や理屈が示されています。また最新の研究成果にも十分に目配りをしています。
例えばデトックスについて、一般には誤解が多いようです。二日酔いの後はサウナでアルコールと一緒に汗を流すという人がいますが「それはむしろ、逆効果」と本書は指摘します。
(第2章 新しいカラダに生まれ変わる 73ページ)
では、本当のデトックスとは何を指すのでしょうか。コンディションの悪い人を一軒の家に例えると、ごみがいっぱいたまっている状態といえます。そんなとき、ごみを出さないで買い物を続けたら、屋敷の中はどんどん収拾がつかなくなります。
上野氏は「コンディションが悪ければ、まず、ゴミ出し。つまり、何を食べるかを考える前に、余計なものをどう排出するかを考えましょう」とアドバイスします。デトックスの秘密兵器として紹介されている食料がフルーツです。カラダの大掃除をしている間は、フルーツと水だけを摂取する「フルーツデー」を設けましょう。この方式がなぜ効果的なデトックスにつながるのかが栄養学、生理学の観点から解説してありますので、興味を持った方はぜひとも本文で確認してみてはいかがでしょうか?
コントロールできるものに集中
本書はまとめとして、ビジネスの「ハイパフォーマー」が備えるべき7つの条件を挙げています。その一つに「自分でコントロールできることにだけ集中する」という項目があります。
そんなときは、自分でコントロールできるものとできないものを分けて、できるものに集中していきましょう。
(第5章 ハイパフォーマーには、7つの特徴があった 195ページ)
締めくくりに「太りにくく疲れにくい一日を過ごすためのチェックリスト」から一部を抜粋してご紹介しましょう。
・3つのサイクル(排泄、消化、吸収)を守っていますか?
・昼食、夕食はサラダから食べ始め、食事内容が悪くないですか?
・常温水を一日、2.5リットル以上飲んでいますか?
・しっかり噛んで、ゆっくり食べていますか?
・お風呂は湯船に浸かっていますか?
……
いかがですか、あなたも自分の生活習慣を見直して、仕事のパフォーマンスをアップさせるための参考にしてみてはいかがでしょうか。なお、本書は2014年11月にクロスメディア・パブリッシングから刊行された同名書を文庫化したものです。
◆編集者からひとこと 日本経済新聞出版社・野崎剛
「コンディションが悪くても結果を残す。それがプロだ」は間違い。なぜなら、「コンディションが悪いこと自体、プロではない」から。
従来の、「いかにスキルを上げるか」を説くビジネス書と異なり、自分の能力をフルに発揮するための「コンディション」の重要さを明らかにするユニークな書です。
若いうちは自分の体力を過信して無理をしがち。しかし、体調不良で実力を出せないようではもったいない。
「朝食は空きっ腹にフルーツ」「夕食は寝る3時間前に済ませておく」「1日を湯船の中でリセットする」など、紹介する手法は誰にでも実行できる平易なものばかり。それらを「習慣」として継続することによって、ベストコンディションを手に入れましょう!