自分のPCやスマホで手書き ワコムのペンタブレット
注目の新製品や新サービスをピックアップ、市場性や開発者の声などから、日経トレンディ記者が大胆に「ヒット予報」をする。今回取り上げたのは、液晶ペンタブレット「Wacom One(ワコムワン)」だ。
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●実勢価格:3万9000円(税別)
●本体サイズ・重さ:幅357×高さ14.6×奥行き225mm・1キロ
●画面:13.3型IPS液晶(1920×1080ドット)
●最大輝度:200カンデラ/平方メートル
●対応OS:Windows 7以降、macOS 10.13以降
●発売日:2020年1月16日
ワコムの「Wacom One(ワコムワン)」は、手持ちのパソコンやスマホ(アンドロイドの一部)につないで使える、13.3型の液晶ペンタブレット。マウスやキーボードよりも直感的な手書き入力へのニーズに応えた製品だ。
これまで同社の大型タブレットはイラストや図版を描くための製品が主流で、実勢価格は税込み7万円以上していた。一方、Wacom Oneは「ビジネスパーソンの書類チェックやアイデア整理など、様々な用途で使ってもらいたい」(ワコム)と、同4万円程度に価格を抑えた。タッチパネルを搭載した2in1パソコンに買い替えることなく、必要なときだけ手書き機能を使いたいユーザーに向く。
付属のペンは、iPad ProのApple Pencilなどと同様に、筆圧やペンの傾きを検知して描く線の太さや濃さに反映する機能を搭載。画面とペンの摩擦も適度で紙のようにすらすらと書ける。画面はB5判用紙並みの広さがあり、手書きのメモ取りやPDF文書への書き込みは非常に快適にできた。
ただ、画面表面のガラスがiPad Proなどの高級タブレットより分厚く、細かな文字を書くときにペン先と表示のずれが気になった。また、一般的なタブレットは指とペンの両方が使えるが、Wacom Oneはペンのみ。ペンのボタンを押したときに画面をスクロールするよう設定を変更するなど、一工夫が必要だ。
従来の大型ペンタブレットに比べればかなり安価で、一部のスマホにつなげるメリットもあるが、手書きのニーズがどこまであるかが課題。ビジネス向けの用途を数多く示して「絵を描く道具」の印象を払拭する必要がある。
[日経トレンディ2020年3月号の記事を再構成]
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