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氷川きよしの変身と輝き 湯川れい子が思ったこと

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音楽評論家、作詞家として50年以上のキャリアを持つ湯川れい子さん。国内のみならず世界中のスターやアーティストと親交を深めてきました。世界中のアーティストとの交流、昨今のエンターテインメントについて考えていること、さまざまな土地を旅して感じていることなどを湯川さんがつづるコラム。今回は、湯川さんがWomen In Music Japanの「Women in Music Lifetime Legend Award」に選ばれたこと、駆けつけてくれたシンディ・ローパーさんのこと、そして氷川きよしさんの変身と輝きに思うこと、です。

Women In Music Japanの初代受賞者に

2019年11月、オリンピック・イヤーに先がけて、音楽市場世界第2位の日本で、シンク・サミット(Sync Summit)と言うコンベンションが開かれました。

今までにも、この国際会議はアメリカのロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴ、ナッシュヴィルなどで開かれており、協賛イベントとしては音楽見本市として知られるカンヌのMIDEM(ミデム)でもセッションを行っているほか、1985年に設立されたアメリカのWomen In Musicという団体とも連携した活動をしています。

そして今回、初めて東京で開催されたシンク・サミットでは、うれしいことに私がWomen In Music Japanの「Women in Music Lifetime Legend Award」に選ばれて表彰されたのですが、このコンべンションが日本で行われたことも、日本人が選ばれたのも、これが初めてです。

面白いのは、そのお知らせが来た2019年10月23日は、ちょうどシンディ・ローパーが来日中の時で、思いもかけずシンディが英文のツイッターで、「おめでとう! 私のマネジャーで親友のリサ・バーバリスがWomen In Music 2019 にノミネートされたの!」と、喜んでツイートしていました。このWomen In Musicという賞は、アメリカのレコード業界誌ビルボード誌で、アメリカとラテン諸国の音楽業界で活躍する女性を選出。毎年写真入りで大きく紹介されていたので知っていました。

それで私もリサにおめでとう! とメールを打つと同時に、この日本版みたいな賞を私ももらうことになったけれど、一体この賞がどんな意味を持つものなのか、アメリカのビルボード誌に載る賞と関係しているのかどうかなど、シンディの今回の最終公演日だった10月25日のオーチャードホールで、リサとシンディに会った時に、そのことを聞いてみたのです。

うれしいことにリサは、シンク・サミットを主催するアメリカの業界人のこともよく知っていて、「日本で最初の受賞者だなんてすごいじゃない!」と喜んでくれて、「でもねえ、いまさらなぜ女性だけを選んで表彰するのよねえ。アメリカでも日本でも、まだそれだけ平等じゃないってことじゃないの!?」と、シンディと3人で大いに盛り上がったものでした。

「女の子だってハメを外して遊びたい」から35年

今回のシンディのツアーは、「デビュー35周年Anniversary Tour」と銘打ったもので、シンディが初めて「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」という大ヒット曲を出してから、ちょうど35年になります。

この曲が最高位全米第2位を記録した1984年3月10日のほんの1日前にプロモーションのために初来日。芝浦の寺田倉庫のロフトを会場に、鮮やかなスカートとオレンジ色に染めた髪を振り乱しながら、はだしで踊り回って歌った日が、シンディと私の初対面で、その日から私たちは35年という長い友情を育んできました。

そのデビュー曲「Girls Just Want To Have Fun」は、日本でもオリコンの洋楽シングル・チャートで1984年4月30日から3週間も第1位を続けたのですが、このシングルに日本では「ハイスクールはダンステリア」というタイトルを付けてヒット。そのことを知ったシンディは激怒すると、当時の担当ディレクターだったソニー・ミュージックエンタテインメントの堤光生さん(故人)に面談。すぐにシングルもアルバムも作り直して、今の「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」にしてもらったのでした。

それはなぜだったのか? 日本でドリームズ・カム・トゥルーの「うれしはずかし朝帰り」が大ヒットしたのは、それから5年後の1989年9月のこと。5年後の日本でも、まだ女の子が朝帰りするなんていう歌は衝撃的だったのです。

「女の子だって、たまにはハメを外して遊びたいし、別に悪いことをしている訳じゃないわ。ただ踊っていたのかも知れないし、私みたいに歌っていたのかも知れないじゃない。それなのに、どうして女の子だけが怒られるの? お嫁に行けなくなるって、どうして? 夜道が危ないとしたら、それは治安の問題であって、女の子が責められるべきことではないでしょう? 女の人だけが、どうして誰かの、あるいは社会の所有物にされてしまうのか、考えてみてほしいのよ。だからまるで高校生向きのダンス・ナンバーみたいなタイトルを付けられたことに、私はすごい怒りを感じたの。でもその話をしたら、テリーさん(堤さん)はすぐに理解して下さって、大変なお金がかかるのに、全部すぐに作り直して下さったの」とシンディは話してくれたのでした。

#MeTooやLGBTへの差別 今もある人権問題

あの華やかなハリウッドを舞台に、セクシュアル・ハラスメントの被害を訴える#MeToo運動の発端となった記事が、ニューヨーク・タイムズに載ったのは、2017年10月のこと。日本では「LGBTの支援などいらない」「LGBTは生産性がない」と、女性議員が書いた記事や発言が問題になりましたが、それは#MeTooよりも少し後の2018年のことでした。

男女同権とか、性的マイノリティーと言われる人たちに対する人権問題などは、もうどこかで常識とか良識の範囲で社会に定着しているものと思っていたのですが、アメリカでも日本でも、決してそんなことはなかったと知って、びっくりしたものでした。

あのバイセクシュアル、ホモセクシュアルで苦しむクイーンのフレディ・マーキュリーが話題となった映画「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒットしたのは、2018年から19年にかけてのことでしたが、その後、エルトン・ジョンを主人公としたミュージカル仕立ての映画「ロケットマン」が公開されたのは、日本では2019年の8月でした。

そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、「共生社会の実現」をテーマに、「障がい者やLGBTの人々を含めた多様な個性を持つ人々」が、喜んで参画できる活動を展開すると発表されています。

これは本当にうれしい発表です。なぜなら今でも、武装して戦うことを選択している国では、軍隊の秩序や、神様の言いつけに背くからと言う理由で、LGBTを認めない人たちや国があるからで、私のように、どんな理由があっても、人間が人間を殺し合うのは間違いであり、どんな武装をしても、武器で平和を築くことはできないと考える人間にとっては、オリンピックのテーマは世界に誇れる活動であり、自由を尊ぶ民主主義国としての姿勢だと思うからです。

氷川さんは音楽の神様から選ばれて生まれて来た人

氷川きよしさんは、2019年がデビュー20周年記念の年。氷川さんを大切に育てて来て、今は天国からきよしさんを見守っている長良プロダクションの親分だった長良じゅんさんとは、とても古いお付き合いだったこともあって、私はきよしさんとは大の仲良しです。天性の明るさと声の素晴らしさから、「あなたは音楽の神様から選ばれて生まれて来た人なんだからね!」と、よく背中をたたいては活を入れてきたファンのおばさんの一人でもあります。

そのきよしさんが、最近は唇にグロスを塗ったり、野球の始球式に登場したりしたときは、ムダ毛をきれいに処理しているナマ脚をスラリと見せて話題になりました。そしてクッキリとした細眉で、「女子力、サイコー!!」と、女性たちからの熱い声援を受けて、「演歌も好きだけど、演歌の枠の中に閉じ込められるのはイヤ。自分は自分らしく自由に輝きたい!」と宣言。思い切った衣装とメークで、「限界突破×サバイバー」を歌って評判にもなっています。

別にだからと言って、きよしさんがゲイだとか、バイセクシュアルだとか、自分がトランスジェンダーだとカミングアウトした訳ではないけれど、股旅物を得意とする人が、こんなふうに鮮やかに虹色のきらめきで魅了してくれる日が来るなんて、思いもかけないことでワクワクしてしまいます。

このきよしさんの変化については、また近いうちにうれしいサプライズもありそうですから、ぜひお楽しみに!

湯川れい子
1936年東京都生まれ。音楽評論家、ラジオDJ、作詞家、元日本作詩家協会会長、日本音楽療法学会理事。内閣府原子力政策円卓会議構成員。1960年、ジャズ専門誌『スイングジャーナル』でジャズ評論家としてデビュー。エルヴィス・プレスリー、ザ・ビートルズ、マイケル・ジャクソン、シンディ・ローパーなどと交流し、洋楽評論のパイオニアとして第一線を走り続ける。「全米トップ40」をはじめとするラジオDJや作詞家としても活躍。ヒット曲に『六本木心中』『恋におちて‐Fall in love-』など多数。著書に『音楽は愛』(中央公論新社)、『女ですもの泣きはしない』(KADOKAWA)など。

(文・写真提供 湯川れい子)

[日経ARIA 2019年12月3日付の掲載記事を基に再構成]

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