就活ウェブテストでは何みられてる? 配属先に影響も就活探偵団

背景には採用活動の通年化がある。インターンシップ(就業体験)経由の早期選考もあるため「学生によってエントリーの時期がバラバラになり選考期間が長引いている」(大手メーカーの採用担当)。多忙な人事担当者を補佐する目的で、ウェブテストを利用するケースが多いようだ。

マイナビの調査によると、3月に最も頭を悩ましている就職活動では「筆記試験やSPI対策」と答えた人は全体の12%を占めた。採用活動の前倒し傾向も反映してか、SPIの対策講座を提供する日建学院(東京・豊島)によると「ここ1~2年は10月から年末にかけて申し込みが増えている」という。

ウェブテストでは通常、「何点取れば合格」というボーダーは開示されない。「ウェブテストに落ち続けて選考に進めない学生もいる」(就職情報大手ディスコの武井房子上席研究員)など対応に苦しむ学生もいるようだ。では就活生は具体的にどのように臨めばよいのか。都内のある私大のキャリアセンター担当者に聞くと「学生には参考書を2回繰り返すことを薦めている」という。個人差はあるが、1日1時間問題を解いて、1カ月ほどかかるそうだ。

ウェブテストは私用のパソコンで受けられるものと企業指定のテストセンターで受けるものがある

リクルートMSでSPIの開発を担当する園田友樹開発部長は「受検前に問題形式を把握しておくとよい」と助言する。パソコンの操作をはじめ、計算や文章読解といったパターンを知らないと、本来の能力を十分に発揮できないからだ。

対策本を解いても点数アップしない?

とはいえ、園田氏は「対策本をくりかえし解いても点数アップにはつながらない」と指摘する。過去に事前学習を実施した人と実施しなかった人で得点を比較したところ、両者の間で大きな差異はみられなかったという。勉強して点数が上がってしまわないように「対策本で既出のものは本番の問題から削除している」(園田氏)という。

ウェブテストの結果は入社選考で使われるだけではない。ある大手商社は採用時に社員が受検した「SPI」のデータを人工知能(AI)に学習させて、今後活躍する人材の予測に役立てている。入社9年目から15年目までが分析の対象だ。高い業績を残す「活躍人材」をあぶりだし、採用や配属、人材育成にいかす試みを進めている。

日本SHLの清田茂取締役は「入社時のテスト結果を社員の配属に活用する動きがここ2~3年で増えた」と明かす。テスト結果が入社後もついて回るならば、テストで「よい人物」を演じるのではなく、正直に受けておく方が巡り巡って自分のためになりそうだ。

(企業報道部 平岡大輝、橋本剛志)

[日経産業新聞 2020年2月5日付]

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