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日本IBM 山口明夫社長

日本IBM 山口明夫社長

デジタル時代の最先端である人工知能(AI)やクラウドに力を注ぐ日本IBM。しかし、米アマゾン・ドット・コムなど新興勢力が攻勢を強めるなか、売上高は9000億円前後で推移する。2019年5月、社長に就任した山口明夫氏は自社の強みを「多様性にある」と考える。米国本社での勤務経験などから「決して色眼鏡をかけて人を見てはいけないと学んだ」と話す。

(下)仕事に厳しく人に優しく 顧客に学んだ働くということ >>

――7年ぶりの日本人生え抜き社長の就任となりました。

「就任時、2つの気持ちが入り交じりました。まず、エンジニアとして現場でやってきた私が、果たして社長として受け入れられるのかという不安。もうひとつは、社長になれば、顧客のための米国本社との交渉がやりやすくなるのではないかという期待です」

「不安の方が大きかったですね。日本IBMには伝統があります。経済同友会の代表幹事を務めた元会長の北城恪太郎さんをはじめとする立派な先輩の後を私が継げるのか。自分は何ができるのかと不安でした」

――どのようなリーダーをめざしていますか。

「これまでと違うことを打ち出したいとは思っていません。今、自分としてやりたいこと、やらなければいけないことを、しっかりと自分で考えていきたいです。周囲の意見は尊重しつつ、自分として『何が正しいのか』を考えながら判断していきたいです」

――「正しい」とはどういうことですか。

「半年後あるいは1年後に、『なぜあのような判断をしたのか』と尋ねられたときに、顧客や社員、あるいは本社など、誰に対しても、正々堂々とその理由を語れるということです。全員がハッピーになるような判断は、おそらくありません。だからこそ、公平を保つことが大切だと思うのです」

間違いを認めて、自分を柔軟に変える

「一方で、何カ月後かに判断の誤りに気づいたら、素直に謝って修正したいですね。『ごめんなさい。間違った。考え方をこう変えたい』といえるようにしたいです。間違いを認めて、自分を柔軟に変えるには、相手をリスペクト(尊重)することが必要です」

「社長就任前、自分の信条について改めて考えました。大切なことは3つ。リーダーはフェアでなければいけない、2つ目は互いを尊敬する、3つ目はトランスペアレンシー(可視化)する――です」

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