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大沢たかお 無理と思うことに人生のエネルギーを使う

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日経エンタテインメント!

映画『AI崩壊』の舞台は10年後の日本。全国民の個人情報と健康データを完全に管理しているAI(人工知能)は、人々の生活にとって必要不可欠なライフラインとなっていた。そんなAIが突如暴走し、年齢や年収、家族構成、病歴、犯罪歴などから人間の生きる価値を選別して殺戮(さつりく)を始める。国中を未曽有の大混乱に突き落とした犯人として疑いをかけられたのは、開発者である天才科学者・桐生浩介。国の英雄扱いされていた彼は一転、AIを暴走させたテロリストとして警察から追われる羽目になる。AIはなぜ暴走したのか。決死の逃亡劇は予想もしない方向へと進んでいく。

『AI崩壊』は、興行収入24.1億円の大ヒットを記録した『22年目の告白-私が殺人犯です-』(2017年)の入江悠監督と日本テレビの北島直明プロデューサーが再び組んだサスペンス超大作だ。北島プロブューサーは主人公の桐生浩介役を、13年にカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された『藁の楯』でタッグを組んだ大沢たかおにオファーした。

「お話をいただいたときは、原作もないうえに脚本も出来上がっていない段階で、判断が難しかったんです。正直、AIをテーマに完全オリジナルで大作を作るなんて、大丈夫か? とも思いましたし。でも、そこが魅力でもありましたね。ちょっと無謀かもしれない作品に参加することが、僕にとってもいい挑戦になると考えました。

僕が演じる桐生は表舞台から離れてはいるけれども、科学者だから最新AIのことも当然分かってなくちゃいけない。

実際に2030年の日本がどうなっているかは想像するしかなくて、近未来を舞台にした設定で演じるのは本当に難しいと感じました(笑)。とはいえ、近未来のテクノロジーに翻弄されながらも何とか戦っている人間たちの話になっていると思います」

壮大なスケールの作品を人間たちの話にするために大沢がこだわったのが、リアリティーのあるキャラクター作りだった。

当初の脚本では、もう少しエリート感の強い研究者だったという桐生。映画でも冒頭、その天才科学者ぶりが描かれるが、一方で愛情深い男でもある。妻を死の淵から救おうと医療AI「のぞみ」の開発を進め、妻の死後はその管理・運営を義弟に任せ、一人娘とシンガポールに移住する。そこでは短いシークエンスながら、男手一つで娘を育て、思春期の娘に手を焼く、ごく普通の父親の姿を見せる。「天才科学者だけれど、それ以外はごく普通の父親で平凡な男」(大沢)というキャラクターが、最初から最後までブレないように演じた。

「脚本は、サスペンスにアクション、近未来SF、親子愛などいろんなエッセンスが入っている、肉厚なストーリーです。桐生浩介という人物があまりにヒーローに見えすぎてしまうと、『ハリウッドっぽい荒唐無稽な映画を日本人が頑張って作ったね』で終わってしまう。そうなってはいけないと思って。普段、僕はキャラクター像に意見することはあまりないんですが、『桐生をもっと血の通った人間にしなければ』と、監督とディスカッションを重ねました」

大沢演じる桐生を、岩田剛典演じる警察庁のサイバー専門の天才捜査官・桜庭誠が執拗に追う。日本中に張り巡らされたAI監視網を駆使する桜庭から、必死の形相で逃げる桐生。数多くの役柄を演じてきた大沢だが、こんなにもがむしゃらに走り、生き抜こうとする役は見たことがないほどだ。

「この作品の見どころの1つが、逃亡シーンだと思います。観客も一緒になってハラハラドキドキして自分も逃げているような感覚になってくれたらいいなと。スケール感やスピード感がある映画だからこそ、ここで生身の人間っぽさを出さなければと思いました。研究職でずっとコンピューターに向かって頑張ってきた桐生が、突然トム・クルーズみたいにカッコ良く走ったらおかしいでしょ(笑)。

ハリウッド大作と比べると、日本映画は"人間"を描くことが得意だと思っているんです。だからこそリアリティーは大切にしたいと思いましたし、どんなに壮大な未来を描いた話であっても、"人間が生きている感じ"がなければ、面白いものにはなりませんから」

共演者は同じプロで「仲間」

前出の岩田剛典や桐生の亡き妻の弟・西村悟役の賀来賢人、若手刑事・奥瀬久未役の広瀬アリスなど、若手俳優とも丁々発止のやり取りを見せた。『キングダム』では山崎賢人、吉沢亮と共演するなど、近年、若手実力派俳優との現場が増えている大沢。彼らに感じることはあるのだろうか。

「よく『刺激を受けますか?』と聞かれるけれど、そういう感覚とは少し違うんです。というのも、僕にとって共演者って、若手だろうがベテランの役者だろうが、みんな『仲間』なんです。子役だって僕らと同じプロだと思っているので、現場で監督に怒られていても、僕は慰めの言葉を掛けたりはしません。それが当たり前のことだと思っています。

一緒にやる以上は、失敗したらみんなでコケるから、必死だし。要するに、『運命共同体』みたいなものなんです。賀来(賢人)くんも熱演を見せるし、松嶋(菜々子)さんなんてほんのわずかしか登場しないのに、完璧に準備してきている。そんななかで、僕だけがカッコつけたり、少しでも手を抜いたら、全部台無しになってしまうんです。全員がプロとして、より良いものを作るゴールに向かって動く。僕はいっつもそればかり考えているかもしれません」

モデルから俳優へ転身して25年。常に第一線で活躍し、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』やドラマ『JIN-仁-』など数々の大ヒット作を生み出してきた。今や、大作の絶対的な主役を担える数少ない俳優の1人。そこに立ち続けるのは、並大抵ではないだろう。

「映画もドラマも、『多くの人に喜んでもらう』のと同じように、『成績」も大事。本当に主役ってしんどい作業です。僕を信じて作品に出してくれた人に応えながら、観客にも喜んでもらわなくちゃいけない。自分では絶対にいい作品になると思っていてもうまくいかないときだってあるし。

主役って何だかよさそうに見えますけど、本人はものすごく責任を感じているもんなんです。別に感じなくてもいいんだけど、感じるんですよ。だから、『主役をやっていて楽しい』なんて話を聞くと、ちょっと不思議ですね」

俳優を休業後、戻ってきた理由

大沢は16年から2年間俳優を休業した。その後、18年に渡辺謙主演のミュージカル『王様と私』のロンドン公演に出演。ミュージカルの聖地で華々しく再起動した。

「長く俳優を続けていると、気持ちが萎えるといいますか、演じることが厳しいなと思うことがあるんです。それで『もう今後、いいと思える作品は作れないんじゃないか』と感じて、休業しました。

でも、縁あってミュージカル『王様と私』に出ることになって。最初に聞いたときは『(本場でミュージカルをやるなんて)無理だろ、それ』って思っちゃったんです(苦笑)。でも、そもそも僕は、『何かに挑む』ためにこの仕事をやり続けてきたんだったなと思い直し、挑戦しました」

そして、19年公開の映画『キングダム』では、圧倒的なカリスマ性で人気のキャラクター、王騎役を務めた。15キロも体重を増やし、クセの強い役どころを怪演。原作ファンからも賞賛を浴びた。

「『キングダム』のお話をいただいたときも、まず原作マンガで王騎を見て、『これは僕には無理だろう』って思いました。しかも、その時のプロデューサーたちの言い草が良くって。『この作品をやって批判が来るのは、この役(王騎)なんで』って(苦笑)。まいったなと思いましたよ、本当に。

でも、無理だと思うことに人生のエネルギーを使い、やり遂げたい。とことんやれば、万一、失敗したっていいじゃないかって。今後も自分にとってチャレンジングな役をどんどんやっていきたいって思います。僕にとっても作品にとっても何か際どいところで勝負し続けていきたい。僕はそのために俳優業に戻ってきたんですから」

『AI崩壊』
 『22年目の告白─私が殺人犯です─』(2017年)の入江悠監督が、AIを題材にオリジナル脚本で描いたサスペンス超大作。天才科学者・桐生浩介(大沢たかお)が亡き妻のために開発した医療AIが謎の暴走を始め、人間の命を選別。容疑者とされた桐生は、最新のAI監視システムを駆使する警察庁サイバー犯罪課に追われながら、AIの暴走を阻止しようと奔走。各分野の専門家を監修に立てて描く10年後の日本の姿も見どころだ。
 入江監督渾身の脚本は撮影直前まで修正が続けられ、15稿まで重ねた。主人公を務める大沢のほか、賀来賢人、岩田剛典、広瀬アリス、三浦友和らが共演。主人公・桐生の亡き妻役を松嶋菜々子が演じる。警察の追跡をかいくぐって合流する桐生浩介(大沢)と義弟の西村悟(賀来)。真犯人を突き止め、AIの復旧に向けて奔走するが…(公開中/ワーナー・ブラザース映画配給) (C)2019 映画「AI崩壊」製作委員会

(ライター 前田かおり)

[日経エンタテインメント! 2020年2月号の記事を再構成]

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