最高値圏の金、現物投資のキホン 地金商で現金決済

地金商で地金や金貨を初めて買うときに、初心者がびっくりするのは現金決済であることだろう。高額でクレジットカードの限度額を超えてしまうことが多いこともあるが、店頭では数百万円、時には千万円を超す量の地金を購入する投資家も札束を持参して買う。

電話やインターネットによる購入手段もある。その場合も現金を指定の金融機関口座に振り込む。地金商が現金決済にこだわる理由には、クレジットカードの不正利用などを防ぐ目的もあるという。

預かりサービスも

大切な金を手元に置きたい日本の投資家の気持ちはよく分かる。ただ、買った地金を自宅で保管すれば、盗難というリスクがつきまとう。そのため購入した金を保管してくれる地金商もある。石福金属はプラチナ・純金積み立ての口座を開設した人を対象に、預かりサービスを提供している。昨年10月からは、純金積み立ての契約をしなくても預けられるように改めた。

年会費1100円と月々の口座維持費220円がかかるが、銀行で貸金庫を借りるより安くすみそうだ。石福金属の小売店で営業を担当する佐藤知佳氏も「預かりサービスを利用する人は増えてきた」と話す。

マネーロンダリング(資金洗浄)や密輸を防ぐ対策として、店頭での本人確認は厳格になっている。購入や売却で店頭を訪れる際には、運転免許証などを持っていってほしい。

石福金属は金の密輸対策として、国際的に公認されているものでも海外製の地金の買い取りを2018年から休止した。投資家が売却できるのは基本的に同社製の地金、日本金地金流通協会に加盟している他社の地金、住友金属鉱山など国内鉱山会社の地金だ。

一方、田中貴金属では海外製地金の売却も可能だ。ただ、同社の地金、または「当日に値決め可能なブランドと認めらられるもの」以外は減額される可能性もあるという。

初心者は可能であれば現物投資はこの地金商でと決め、その店舗で売買した方が安心感があるだろう。

(編集委員 志田富雄)

[日本経済新聞朝刊2020年2月1日付]

注目記事
今こそ始める学び特集