時短勤務でも管理職昇進あり ローソンの女性幹部育成柳田衣里ローソン人事本部人事企画部部長(上)

1998年にローソン入社。店舗勤務をへて2000年から本社勤務。03年に産休取得、復職後は子育て応援プロジェクトや社内活性化プロジェクトのリーダーを務める。12年に2度目の産休を取得。16年から経済産業省に出向。18年にローソン復帰。19年から現職。
1998年にローソン入社。店舗勤務をへて2000年から本社勤務。03年に産休取得、復職後は子育て応援プロジェクトや社内活性化プロジェクトのリーダーを務める。12年に2度目の産休を取得。16年から経済産業省に出向。18年にローソン復帰。19年から現職。

365日24時間営業のあり方が問われているコンビニ業界。店舗を支える本部側の働き方にも注目が集まっている。なかなか女性が活躍しにくいこの業界で「女性活躍」で成果を着実に上げているのがローソンだ。何が成果を上げる秘訣なのか、柳田衣里ローソン人事本部人事企画部部長に聞いた。

採用は男女ほぼ同数

白河桃子さん(以下敬称略) 御社は、東洋大学が2019年9月に発表した「女性活躍インデックス」法人ランキングで17~19年通期最優秀賞を獲得しました。構造的に長時間労働になりやすいコンビニ業界の快挙ともいえると思うのですが、どういった点が高く評価されたのでしょうか。

柳田衣里さん(以下敬称略) 評価項目の中では、特に女性役員比率の高さ(33.3%、人数にして4人)や、男性の育児休業取得率が9割を超えている点が評価されたようです。

白河 まず女性の幹部候補育成について伺わせてください。従業員全体としては、まだ女性比率はそれほど高くないそうですね。

柳田 はい。全体の平均で女性は2割に届かない程度です。新卒採用で女性比率50%を目指すことは、05年に当時の社長(新浪剛史氏)が宣言しまして、以降、順調に増え続けているのですが、上の年代になるほど女性の採用人数は少ないですし、残っている女性も多くありません。全社員の平均年齢は39.6歳。全体を見渡すと、まだまだ女性は少ないですね。私自身は社歴20年ほどでして、私が20代だった頃と比べると、だいぶ風景は変わってきたと感じているのですが。

白河 男性とほぼ同数で女性が採用されるようになってから10年以上が経過したということですね。そろそろ昇進に向けての選抜が本格的に始まってくるころでしょうか。

白河桃子さん

柳田 30歳くらいから係長クラスの初級管理職になるステップがあり、30代半ばに課長職になるのが通常のコースです。

白河 実際に管理職になっている女性はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?

柳田 課長職になっている女性は18年度で104人。比率にすると9.7%ですので、まだ課題は多いですね。それでも10年前には1%だったので、だいぶ上がってはいるのですが。

白河 順調に伸びてはいるんですね。そもそも女性が正社員を続けやすくなったのはここ10年ぐらい。時間がかかるのは当たり前です。女性をしっかり採用し、着実に育成してきた成果だと思いますので、具体的施策を伺わせてください。まず、入社してからのキャリアコースについては、男女に違いはないのでしょうか。

柳田 はい。男女に違いはなく、外国籍の社員も同じです。まずは全員、店舗での経験を積んだ後に、早ければ2年目に店長に。その後、4年目くらいにスーパーバイザー(SV)と呼ばれる店舗指導員になります。

その後は、地域のSVを束ねる支店長(課長職級管理職)になるパターンと、本社で商品開発など本部機能の職種にキャリアチェンジするパターンに分かれます。女性の支店長はまだ1名しか登場していないのですが、支店長補佐として働く係長級の女性はだいぶ増えてきました。その先の、課長職の育成までがあと一歩まで来ているという段階です。

次のページ
女性向けのキャリア開発研修に注力