日経イチグラ 日経賞に滋賀県立守山中高クイズ研究会団体賞発表 QuizKnock賞は千葉県立船橋高校クイズ研究会部

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QuizKnock賞 千葉県立船橋高校クイズ研究会部への講評

QuizKnock代表 伊沢拓司氏

QuizKnockは「楽しいから始まる学び」をモットーに掲げ、その手段としてのクイズにフォーカスするメディアだ。ゆえに選定基準は「楽しさ」と「学び」となる。その中で、「こういうことを問いたい」という明確なコンセプトがあり、その発想を余剰も不足もない美しい言葉で料理した作品を選んだ。

・文章としてキレイ 提出作品の中には「てにをは」のズレなど日本語表現としてのクオリティーにばらつきがあった。そんな中、スムーズな言葉遣いができている点を評価した。

・発見がある 横断歩道は英語で「ゼブラゾーン」と呼ばれる。問題の前半部分はそれにちなむものであろうが、そのことを知らなくても「横断歩道の柄とシマウマの柄は似ている」というところには、容易にたどりつけるはずだ。ジョージ・チャールズワース氏の知名度はかなり低いと思うが、その名を知らなくても「おお、そういう理由でシマウマ博士なのか!」という発見があり、クイズだけで学びとして完結する。解説を足す必要がほとんどない問題文だ。

・コンセプトの実現度が高い おそらくこの問題は「ジョージ・チャールズワース氏はみんな知らないだろうけど、シマウマ博士というあだ名から推測できるかな?」「横断歩道が発明・運用される過程について思いをはせたことがある人はあまりいないんじゃない?」という視点でつくられた作品だろう。誰もが知っている事物の中にあるほとんどの人が知らない一面にフォーカスするという視点が「へぇ~」という一言を引き出す。

「みんなが知らないことで興味を引く」→「概要を説明してなんとなく頭の中に像が描かれる」→「最後まで聞いてみんなが知っているアレだとわかる」という文章の流れにクイズを落とし込み、「発見」に至る思考の流れを無理なくデザインしている。コンセプト通りの丁寧な言葉選びができていると言えよう。

クイズはどうしても正解/不正解で人を分断する。学びの障壁となる「楽しくない」感情をもたらす可能性があるものだ。そんな中、不正解者でも学びを得ることができるこの問題の姿勢と完成度は、QuizKnockのモットーからみても高く評価できるものである。

なお、その他の作品では安積高校非公認クイズ研究会・AHQ(アーク)の 「flamingo」、浅野クイズ研究同好会の「プルスウルトラ」、洛北高校クイズ研究会の「日本橋口」などの完成度が高かった。問題文の長短は関係なく、「こういう切り口で事実を問いたい」という思いと、それを実現する文章力が兼ね備えられた作品と言えよう。個人的な好みでいうと、仙台二高クイズ研究愛好会「靴」や 桜丘中学校・高等学校クイズ研究部「称光天皇」は大変に好きな作品であった。目のつけどころが素晴らしく、ひとりのプレーヤーとしてぜひ答えたい問題である。

あくまでこの表彰はQuizKnockという立場からのものである。そもそもクイズへの評価というのは大変に難しく、大会などではおおむね「問題群」としての評価がなされることが多い。ほかにも意欲的な作品は多々あったことは重ねて強調したい。これをひとつの良い機会として、クイズを様々な角度から楽しんでいただければ幸いである。(QuizKnock代表 伊沢拓司)

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