アカデミー賞予想 本命『1917』、対抗『ジョーカー』ジョン・カビラ、高島彩、町山智浩が見どころ解説

ジョン・カビラさん(右)、高島彩さん(中)、町山智浩さん

毎年、映画ファンのみならず、世界中から高い注目を集めている米アカデミー賞。第92回を迎える今回も、日本でも異例の大ヒットを記録した「ジョーカー」や話題沸騰中の韓国映画「パラサイト 半地下の家族」など、新たに生み出された傑作の数々が顔をそろえている。

今年のアカデミー賞授賞式は例年より少し早い2月10日(日本時間)に米ロサンゼルス市ハリウッドのドルビー・シアターで開催される。アカデミー賞授賞式の生中継番組で長年にわたって案内役を務めているジョン・カビラさんと高島彩さんに加え、映画評論家の町山智浩さんをお迎えして、今年の見どころから受賞作品の予想についてお話をうかがいました。

「ジョーカー」2月7日(金)よりIMAX、ドルビーシネマで再上映予定(一部劇場を除く)  TM & (c)DC. Joker (c)2019 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited and BRON Creative USA, Corp. All rights reserved.

激しい争いが予想される作品賞の行方は?

――昨年に引き続き、今年も司会者不在となりましたが、どのような授賞式になると予想されていますか? 

ジョン・カビラさん(以下、カビラ):司会者がいる場合は、練りに練ったオープニングトークから始まりますが、それがないのでおそらく前回のクイーンとアダム・ランバートが繰り広げたような華々しいパフォーマンスからスタートするのではないでしょうか。まさに、神のみぞ知る感じですね。(笑)

高島彩さん(以下、高島):どうやって始まるかさえ想像がつかないですが、エルトン・ジョンがいきなりピアノを弾くというのはどうですか?

町山智浩さん(以下、町山):それはいいですね! 特に今回は、「ロケットマン」のタロン・ エガートンが主演男優賞のノミネートから外れてしまいましたから。

――豪華なオープニングに期待が高まりますが、まずは作品賞にノミネートを果たした9作品のなかからイチオシの作品を教えてください。

高島:私は韓国の格差社会を描きつつ、そこから生まれた闇をコメディータッチで描いている「パラサイト 半地下の家族」。まったく先が読めない展開に、引きずり込まれるようでした。心を持っていかれる見事な映画だったので、個人的にはすごく好きな作品です。

「パラサイト 半地下の家族」全国公開中 (c)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

カビラ:しかも、もし作品賞を獲ったらアジア作品初ですからね。

高島:同じアジア人としては応援したいです!

カビラ:僕は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ですね。というのも、実は舞台となった1969年に、ちょうどアメリカにある母の田舎にホームステイをしていたんです。当時は小学校5年生でしたが、モチーフで描かれている凄惨な事件のことも淡い記憶として残っていますし、劇中に登場する映画館にも行ったことがあったので、僕にとってはまさに追憶の体験。車やファッションなども、リアルに思い出しました。あとは、(クエンティン・)タランティーノ監督がおもしろいスピーチをしてくれるんだろうなという期待もあります。

町山:賞は獲らないと思いますが、僕は「フォードvsフェラーリ」が大好きなんですよ。一匹おおかみのレーサーとエンジニアがケンカをしながら、徐々に友情を育んでいくところとかが、少年漫画のようでたまらないですね。

「フォードvsフェラーリ」全国公開中  (c)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

――それでは、ずばり作品賞の本命は?

町山:大本命は「1917 命をかけた伝令」で、それに対抗しているのが「ジョーカー」だと思います。ノミネート数が多ければ多いほど票を集めやすい傾向にあるので、最多となる11部門にノミネートされているという意味では「ジョーカー」が有利。ただ、内容があまりにも反社会的であることと、アカデミー会員は年配層の方々が多いので、こういった作品に投票しないのではないかというの不安要素はあります。となると、誰も怒らせない映画である「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が獲る可能性もあるかと。

「1917 命をかけた伝令」2月14 日(金)より全国ロードショー  (c)2019 Universal Pictures and Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

高島:確かに、「それならいいかな」とみんな思うような作品ですからね。