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園庭がなくても魅力的な保育園 街全体を使い遊び探求

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最近、都市部で増えている「園庭のない保育園」。園庭がある保育園と比べて不安を抱く保護者も多いと思います。わが子を通わせる園選びで、園庭の有無をどのように捉えればよいのでしょうか。託児付きランチサービス「ここるく」を起業した、自称「保育オタク」の山下真実さんが、実際に園庭のない保育園に話を聞いて、その特徴を解説します。

◇  ◇  ◇

やっぱり園庭のある保育園を選ぶべき?

保活セミナーを開催するたびに、参加者から必ず聞かれるのが「やっぱり園庭がない園よりも、園庭がある園に行かせるべきでしょうか?」という質問。一般的に保育園と聞くと、園舎の前に広がる園庭で子どもたちが遊んでいる光景をイメージしやすいためか、園庭がないとどうしても心配になるママ・パパは多いようです。

実際のところ、園庭がない保育園ではどのような保育が行われているのでしょう? そこで神奈川県相模原市にある認可保育園「RISSHO KID'S きらり」でお話を伺ってきました。

RISSHO KID'S きらりは、小田急線相模大野駅から徒歩6分、伊勢丹相模原店に隣接する商業ビルの2階にあります。街中にある商業ビルのテナントで園庭がないという点では、近年増えている都市型の保育施設の典型例とも言える園です。こうした環境にあって、子どもたちの日常に欠かせない外遊びをどのように実現しているのでしょう? RISSHO KID'S きらりで働く保育士、廣田先生と今井先生にお話を伺いました。

保育園の子どもたちは、もっと街に出ていい!

山下 園庭がある保育園では、午前中はたいてい園庭遊びをしていますが、こちらの園ではどのように過ごしていますか?

先生 ここは駅近ですが、子どもたちが歩いて行ける範囲内に地域の公園がたくさんあります。なので、常時13~14カ所の公園を使い分けて外遊びを楽しんでいます。

山下 そんなにたくさん! どうやって使い分けるのですか?

先生 子どもたち自身がそれぞれの公園の特徴をよく知っているので、自分たちのその日やりたい遊びに合わせてどの公園に行くかを選んでいます。例えば、お花を摘んで園に持ち帰りたいと思ったらいろんな草花が生えている公園へ、斜面を転がって遊びたいと思ったら芝生の公園へ、といった具合です。

山下 子どもたちの興味関心に合わせて過ごす場所を変えられるというのは、園庭という固定の場所がないからこその魅力ですね。

先生 園長はよく「園の外は全部園庭だ!」と言っていますが、まさに街全体を使って子どもたちと遊びを探求する視点を大切にしています。

この園では「駅近」という立地も強みに変えた保育を展開しており、2、3駅程度であれば電車を使った移動も、日常的に行っています。3歳児クラスになると全園児がICカード乗車券を持ち、少しずつ公共交通機関での移動を増やしていきます。年中さん以上になると、電車を乗り継いで江の島まで出かけ磯釣りをしたり、電車で数駅行った駅からバスを乗り継ぎ、大山に登山に行ったりと、子どもたちがやりたいことを実現するために遠出することも珍しくありません。

山下 子どもたちを連れて公共交通機関で移動するというのは、大変なことですよね?

子どもたちの「居場所」がある街

先生 もちろん乗る前には「自分たち以外の地域の人も乗っているから、ルールを守ろうね」という話はきちんとします。きらりの子どもたちは、実際に電車に乗って移動するようになる前の1、2歳児の頃から、駅やホームなどの公共の場に行くという経験を何度もしてきているので、自然と落ち着いて行動できる面もあると思います。それに、普段からよく駅を利用しているので、駅員さんや街の人にも「きらりの子どもたちは、今日はどこへ行くのかな?」と気にかけていただけるのでありがたいです。

山下 きらりの子どもたちが街の風景の一部として自然に溶け込み、街の人からも迎え入れられているという感じですね。

先生 街で過ごす時間が多いので、子どもたちも街の人のことが大好きです。それが、街の人たちを思って行動することにつながっていくのだと思います。

山下 子どもたちから街の人へ、街の人から子どもたちへ、双方向に思いやりが行き交うのですね。

先生 公園に向かう途中には、郵便局、いつも色鮮やかなお花屋さん、黒いタオルを巻いたラーメン屋さんなど、いつも子どもたちが挨拶を交わす街の人たちの姿があります。そういった人たちとの出会いから、子どもたちはいろんなことに興味を広げ、新たな学びにつながっていきます。そういう意味で、街の人々の存在は、私たち保育者にとっても頼もしい存在です。

子どもたちが幾度となく街に出かける中、地域の人とのたくさんの出会いが生まれ、子どもたちが居場所を得ていくのと同時に、街の人の中にある温かい気持ちを子どもたちが引き出しているように思えます。

子どもたちは環境を上手に使い分けて遊ぶ

街全体をフィールドにした園外活動が魅力のRISSHO KID'S きらりですが、園舎の中にも子どもの過ごしやすさを考えた工夫が随所に見られます。園内の環境づくりについて、園長の坂本先生にお話を伺いました。

「各クラスの部屋を見ればすぐに分かってもらえると思いますが、子どもは遊びたくなる環境に出合えば自然と遊び出すものなんです」

確かに小さい子のクラスでは、おままごとなどの日常生活にリンクした遊びにぴったりの空間があり、大きい子のクラスでは創造力の赴くままに制作遊びに没頭できそうなアトリエが用意されています。その一方で、園内には絵本などが並ぶ、子どもが静かに過ごせる空間もあります。

「子どもは環境に応じて『ここではこんなふうに過ごすと心地いいだろうな』と自ら判断して、環境を上手に使い分けています」

おままごと部屋やアトリエは、いわば「頑張っている自分」を発揮できる環境。そして静かに過ごせる場所は、「頑張っていない自分」でいられる環境。子どもはいつも元気に見えますが、ずっと元気いっぱいに遊びたいだけではありません。元気であればあるほど疲れて休みたくもなります。そんな疲れている自分や、少しほっとしたい自分も認められる環境がなければ、本当の意味で自分らしく過ごせる場所にはならないと坂本先生は言います。

保育士自身も自分らしく生きる大人であってほしい

自分らしく過ごすことを大切にしているのは、子どもたちだけではありません。「きらりは、子どもだけでなく大人も自分らしく生きられる場所を目指しています。ですから、保育士たちも保育の仕事を通して自分の夢をかなえてほしいと考えて、できる限りの後押しをしています」

園長先生がそう語る背景には、子どもたちにとって身近な大人である保育者たちには、「自分らしく生きる大人のモデル」であってほしいという強い思いがあるのだそう。先生たちも保育という仕事を通じて自己実現をしていく中で、新しいことにどんどんチャレンジしたり、その過程で失敗したりする、ありままの姿を子どもたちに見せていく。そんな働き方がRISSHO KID'S きらりの先生たちには求められているのです。

自分らしく生きる大人としての先生と、そこから刺激を受けながら自分らしく生きる子どもたちの関係性は、これまでの保育園ではあまり見られなかった姿かもしれません。しかし、従来のように「先生が持っている知識を子どもに伝える教育・保育スタイル」では、これからの時代に対応していけないことに政府や保育関係者が危機感を持っていることも確かです(こうした危機感は、2018年4月に改定された「保育所保育指針」<保育園での保育内容について定めたもの> に、小中学校における2020年教育改革と同様、子どもたちが能動的に学ぶ、アクティブラーニングの視点が盛り込まれたことにも表れている)。

そうであるならば、RISSHO KID'S きらりで実践されているような、先生と子どもがそれぞれの夢をかなえる上でパートナーとして向き合える関係性をいかに実現するか、を意識している園で過ごす子どもたちの育ちには、これまでにない大きな可能性が見えてくるのではないでしょうか。

これから保育園を選ぶ際は、園庭の有無だけで園を判断するのではなく、ぜひその園がどのような工夫や努力を通じて、より良い保育を実現しようとしているのかという点に着目してみてください。そこから子どもの未来への熱い想いが感じられたら、それはきっと未来に続くすてきな保育園なのだと思います。

<RISSHO KID'S きらり 基本情報>
施設の種類:認可保育園
所在地:相模原市南区相模大野4-5-5 D棟2階
定員:90人(0,1歳児のための分園「ポピー」を含む)
職員数:34人(非常勤含む)
系列園:RISSHO KID'S きらり代沢、RISSHO KID'S きらり玉川(世田谷区)
山下真実
ここるく 代表取締役・本多通信工業社外取締役・社会起業家。育休中ママに人気の託児付きランチサービス「ここるく」を2013年に創業。単なる託児サービスではなく、"ここるくに預ける理由"がなければママ達には選ばれないと気づいたことから、保育・乳幼児教育の世界へ。以来、多くの専門家や保育実践者たちから学び続けているほか、母親目線での保育サービスのあり方について保育関係者への講演なども行っている。託児付きランチサービス「ここるく」は現在、東京・大阪・仙台でサービスを展開しており、働くママのリアルな声が集まる場となっているほか、そこで得たインサイトを生かし大企業や地方自治体との共創による子育て環境づくりにも注力している。

[日経DUAL 2019年9月9日付の掲載記事を基に再構成]

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