園庭がなくても魅力的な保育園 街全体を使い遊び探求

日経DUAL

筆記用具や工作の道具が豊富にそろえられたアトリエ
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最近、都市部で増えている「園庭のない保育園」。園庭がある保育園と比べて不安を抱く保護者も多いと思います。わが子を通わせる園選びで、園庭の有無をどのように捉えればよいのでしょうか。託児付きランチサービス「ここるく」を起業した、自称「保育オタク」の山下真実さんが、実際に園庭のない保育園に話を聞いて、その特徴を解説します。

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やっぱり園庭のある保育園を選ぶべき?

保活セミナーを開催するたびに、参加者から必ず聞かれるのが「やっぱり園庭がない園よりも、園庭がある園に行かせるべきでしょうか?」という質問。一般的に保育園と聞くと、園舎の前に広がる園庭で子どもたちが遊んでいる光景をイメージしやすいためか、園庭がないとどうしても心配になるママ・パパは多いようです。

実際のところ、園庭がない保育園ではどのような保育が行われているのでしょう? そこで神奈川県相模原市にある認可保育園「RISSHO KID’S きらり」でお話を伺ってきました。

RISSHO KID’S きらりは、小田急線相模大野駅から徒歩6分、伊勢丹相模原店に隣接する商業ビルの2階にあります。街中にある商業ビルのテナントで園庭がないという点では、近年増えている都市型の保育施設の典型例とも言える園です。こうした環境にあって、子どもたちの日常に欠かせない外遊びをどのように実現しているのでしょう? RISSHO KID’S きらりで働く保育士、廣田先生と今井先生にお話を伺いました。

保育園の子どもたちは、もっと街に出ていい!

山下 園庭がある保育園では、午前中はたいてい園庭遊びをしていますが、こちらの園ではどのように過ごしていますか?

先生 ここは駅近ですが、子どもたちが歩いて行ける範囲内に地域の公園がたくさんあります。なので、常時13~14カ所の公園を使い分けて外遊びを楽しんでいます。

山下 そんなにたくさん! どうやって使い分けるのですか?

先生 子どもたち自身がそれぞれの公園の特徴をよく知っているので、自分たちのその日やりたい遊びに合わせてどの公園に行くかを選んでいます。例えば、お花を摘んで園に持ち帰りたいと思ったらいろんな草花が生えている公園へ、斜面を転がって遊びたいと思ったら芝生の公園へ、といった具合です。

山下 子どもたちの興味関心に合わせて過ごす場所を変えられるというのは、園庭という固定の場所がないからこその魅力ですね。

先生 園長はよく「園の外は全部園庭だ!」と言っていますが、まさに街全体を使って子どもたちと遊びを探求する視点を大切にしています。

この園では「駅近」という立地も強みに変えた保育を展開しており、2、3駅程度であれば電車を使った移動も、日常的に行っています。3歳児クラスになると全園児がICカード乗車券を持ち、少しずつ公共交通機関での移動を増やしていきます。年中さん以上になると、電車を乗り継いで江の島まで出かけ磯釣りをしたり、電車で数駅行った駅からバスを乗り継ぎ、大山に登山に行ったりと、子どもたちがやりたいことを実現するために遠出することも珍しくありません。

山下 子どもたちを連れて公共交通機関で移動するというのは、大変なことですよね?

左からお話を聞いた、廣田先生、坂本園長先生、今井先生