勉強が楽しいという姿勢が随所にみなぎる。LINEで単語帳をつくったり、スマホの音声アシスタント機能「Siri」で発音矯正してみたり、インスタグラムに英語日記を投稿して復習に活用したり、身近なツールやアプリで徹底して楽しく続けられるようにする工夫の数々も、勉強ばかりか学習法を工夫する楽しさも伝えてくれる。
最終章では「一番に伝えたいのは、英語を身につけ、何かと掛け合わせて使うことで新たにはじまる、これまでの常識を根本から覆してしまうほど美しい未来だ」と語り、「活動の場を日本だけに限定する必要がない」世界へと読者をいざなっていく。
「英語学習というだけでなく、何かを始めるきっかけになる本」と、ビジネス書を担当する本田翔也さんは話す。26日に同店で開いた著者イベントには、若いクリエーターらが数多く詰めかけたそうだ。勉強し続けることで時間がかかっても何かの扉が開いていく。そんな気にさせてくれる本だ。
1位は『言語化力』
それでは、先週のベスト5をみておこう。
(1)言語化力 言葉にできれば人生は変わる | 三浦崇宏著(SBクリエイティブ) |
(2)英語日記BOY | 新井リオ著(左右社) |
(3)D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略 | 佐々木康裕著(NewsPicksパブリッシング) |
(4)「イノベーター」で読む アパレル全史 | 中野香織著(日本実業出版社) |
(5)マンガ 死ぬこと以外かすり傷 | 箕輪厚介原作(幻冬舎コミックス) |
(青山ブックセンター本店、2020年1月20~26日)
1位は、クラウドファンディングサービス、CAMPFIREのプロモーションや漫画「キングダム」のビジネスマン向けキャンペーンなどを手がけたクリエイティブディレクターによる話題の書。自分の言葉を最強の武器にする方法を語った本だ。2位に今回紹介した自伝的英語学習本。3位の本は、ビジネスデザイナーの著者が作り手が消費者に商品を直接届けるD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)のビジネスモデルの可能性を詳細に論じる。
4位は服飾史家がココ・シャネルらをイノベーターとして捉え、アパレルの歴史を概観した本。5位は、精力的に活動する編集者が自らの仕事術を語った18年刊のベストセラーをコミカライズした一冊だ。
(水柿武志)