営業は嫌だった彼女 3社目ベンチャーで見つけた魅力ベンチャー企業に転職しました(2)

企業の中途採用が拡大し、ベンチャー企業への転職を考える人が増えている。成長性、意思決定のスピード感、自由といったイメージが強いベンチャーだが、実際に転職して働くとなるとどうなのか、どんなタイプの人が向いているのか。新興企業で活躍する転職経験者に聞いた。第2回はクラウド名刺管理サービスのSansan(サンサン)の児玉悠子さん。

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児玉悠子さん 1983年生まれ。2006年専修大法卒、人材サービス会社入社。代理店向け営業などを担当した後、10年保険代理店に転職。13年Sansan入社。大手企業向け営業やアライアンス業務を経て、2019年からセールスディベロップメント部副部長、約20人の部下を率いる

――人材サービス会社の営業職としてキャリアをスタートしました。

「学生時代はキャリアについて深く意識しなかったのですが、男女関係なくバリバリ働ける会社を希望し、営業で女性が活躍している人材サービス会社を選びました。ただ、『営業職を極めたい』というよりは『幅広くゼネラリストとして活躍したい。その第一歩を営業で学ぼう』と漠然と考えていました」

「代理店担当として、さまざまな施策を自分で考え、試すことができるなど、自由度の高い仕事で充実した日々を過ごすことができました。ただ、入社4年目にリーマン・ショックに見舞われ、環境が激変します」

転職先も決めず退社

「求人広告の需要は景気の影響を直接受けるため、会社の売り上げは急減。当時の社員の約3割がリストラされたうえ、残ったメンバーの間で顧客の奪い合いになることも多く、社内は殺伐とした雰囲気でした。給料は大幅に減りましたが、人が少なくなったことで業務量は逆に増え、とにかく心身ともに疲れ切ってしまいました。このまま営業の仕事を続けることに不安を覚え、転職先も決めずに退社しました」

――2社目に選んだのは保険の代理店。営業職ではなく、社長室の配属でした。

「転職活動を始めて人材紹介会社に登録しましたが、職歴から打診されるのは人材サービス会社や営業の仕事ばかり。当時の私は『人材業界も営業の仕事も嫌』という心境だったため、『営業以外の仕事ができる会社』との観点で仕事を探し、知人から紹介された保険代理店に入社しました」

「入社してしばらくは新規商品の開発に携わる別会社に出向し、働きがいを感じていましたが、出向から戻ると保険代理店本来の仕事の担当となりました。他社の保険商品を右から左に売るような仕事で、創意工夫の余地がほとんどありませんでした。規制に縛られた業界で『誰がやっても同じ』とモチベーションを感じられずにいました。代理店の限界を痛感し、約3年で退社しました」

意気込みに圧倒される

――2013年、3社目に選んだのがサンサン。当時はまだ知名度が高くなかった同社を選んだ理由は。

「そもそものきっかけは、1社目で一緒に働いていた同僚がサンサンに転職して、誘われたことです。声をかけてもらった当時は転職を考えておらず断ったのですが、保険代理店を辞めて転職活動を始めたときに、ふと思い出し、連絡を取りました。現在約600人いる社員も当時は100人に満たないほどでしたが、設立から5年がたち、テレビCMを始めるなど、会社としてもう一段ステージを上げようという段階でした。当時の会社のミッションは『ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する』。紹介された社員が口々に『自分たちにしかできない仕事をして世界を変える』と語り、その意気込みに圧倒されたことを覚えています」

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