長谷川博己 明智光秀は今の時代に求められるヒーロー

日経エンタテインメント!

日経エンタテインメント!

連続テレビ小説『まんぷく』(2018~19年)での、何度も失敗しては立ち上がる、主人公の夫・萬平さん役が記憶に新しい長谷川博己。16年には主演映画『シン・ゴジラ』が大ヒットするなど、大作をけん引できる存在であることは知られるところだ。そんな長谷川が、満を持して大河ドラマ『麒麟がくる』で主演を務めている。演じている明智光秀という人物をどうとらえているのだろうか。

1977年3月7日生まれ、東京都出身。01年に文学座附属演劇研究所に入所、02年『BENT』で初舞台。08年『四つの嘘』でドラマ初出演、11年連ドラ『鈴木先生』で初主演。連ドラ『セカンドバージン』(10年)、映画『シン・ゴジラ』(16年)など(写真:藤本和史)

「クランクインから、約8カ月が経ちました。撮影はかなりヘビーですが、みなさんが期待している戦国時代の大河ドラマができてきている手応えはあります。写真などでリアルにその時代のことを知れるわけではないので、表現ではある意味、嘘をつける。分からない部分をどう飛び越えて、説得力を出し、みなさんを納得されられるか。日々模索して、悩みながら撮影しています。

光秀が主人公の大河ドラマと最初に聞いた時は、興奮しましたね。題材として抜群に面白いじゃないですか。いろいろな説がある人物で、信長を殺した反逆児という悪いイメージもあれば、反対の意見もある。見る人によって、『明智はこんなんじゃない』とか、当然意見は分かれるだろうし。そんな怖さもありますが、純粋に『何かが起こるんじゃないか』という期待感が大きかったです。

今回は主演で、なかなかの責任が重いポジションだと感じています。僕は基本的には役に入り込みたいタイプで、その役のこと以外は考えたくないんです、正直。でも座長という立場になるわけですから、全体を見通しておかないといけない。共演者のやることを全部受け止めて、そのボールを別の人に渡して、その流れを止めないように。でもやっぱり見える景色は違いますよね。役に専念して自由にやれる助演が好きだったりしますが…気分はいいですよ(笑)。

光秀を演じるにあたっては、参考にしたものはいろいろあります。『国盗り物語』(73年、大河ドラマ第11作)だったり、『黄金の日日』(78年、大河ドラマ第16作)は以前からとても好きだった作品で、改めて見直したりして。資料や本も結構読んだんです。でも本当にいろんな人が様々な見解を持っていて、調べるほどに分からなくなってしまって。なので、池端俊策先生の本だけに集中してやっていこうと決めました。知識の部分は一切考えずに臨んだほうがしっくりくる。もちろん、読んだ資料は血肉になっていると思います。そういう調べたものの数々を忘れ、常に現場で感じたものを大切に、『麒麟がくる』ならではの光秀像を作っていきたいです。

個人的な変化では、とても早起きになりました。朝は苦手だったんですけど、何でですかね。40歳を超えたからかもしれませんが。ロケは朝日狙いのときもあるので、へたしたら2時半起き。それで早起きの習慣がつきました。こんな朝型生活も、武将らしさにつながったらいいんですけど(笑)」

エンタメ!連載記事一覧
次のページ
瞬発力で演じるのが楽しい
エンタメ!連載記事一覧