検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

「女で務まるのか」にひるまず 女性首長5人の挑戦

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数で153カ国中121位となった日本。政治分野は144位とさらに低い。男性に偏った意思決定の場で多様な意見を反映するのは難しい。女性首長は全国にわずか36人(2019年6月時点)。5人の市長・町長に話を聞いた。

総務省によると、町村議会の3割以上で女性議員はゼロだ。内閣府男女共同参画局が19年10月に作成した「女性の政治参画マップ2019」を見ると、都道府県議会の女性議員の比率で15%を超えているのはわずか4都府県で、10府県が5%を下回る。

青森県外ケ浜町の山崎結子町長は「町議会の女性議員はゼロで、議会にいる女性は私1人。異質な存在と見なされ、男性議員から協力を得づらい」と苦労を語る。女性が議員活動をする際の課題として、2割以上が「男性議員の理解やサポートが得られない」(内閣府調べ)と答えている。

首長就任後の苦労話は枚挙にいとまがない。静岡県島田市の染谷絹代市長は就任後、「女なんかに市長が務まるのか」と男性から面と向かって言われたことがあると明かす。高知県いの町の池田牧子町長も「女に何ができるのか」と問われたと語る。

地方議会は「地元の旦那衆が議員となって担うものだった」(島田市の染谷市長)と指摘する声は多い。男性ばかりの議会に女性が参入する障壁はいまだに高いようだ。

それでも女性首長らは政治に変化をもたらしている。新潟県加茂市の藤田明美市長は市民と市政について語り合う「座談会」を立ち上げた。「政治の言葉は難しくなりがちだ。配布する資料はできるだけわかりやすい言葉で作るようにしている」と話す。女性市民から「座談会に参加しやすい」と声をかけられることもあるという。

和歌山県美浜町の籔内美和子町長は町民の出産の際に、直筆でお祝いメッセージを送る。手紙には「あなたは1人じゃない。いつでも相談してほしい」と記す。自身の娘の出産を通じて、若い女性が行政による支援を必要としていると実感したことが背景にある。「出産、育児、介護といったライフイベントによる負担を軽くすることで、女性がもっと活躍できるようになるのではないか」と話す。

女性議員が徐々に増えたことで変化は生まれつつある。政府・与党は20年度から、未婚のひとり親にも減税支援をすると決めた。支援を積極的に訴えたのは自民党内の女性議員らだった。これまでは「未婚の親が増え、伝統的な家族のあり方が変わる」と慎重論があった。保守派が多いとされる同党内でも、同性婚や性的少数者をめぐる議論は増えてきた。

加茂市の藤田市長は「市長がやるべきことは男女で変わらない」と断りつつ、「女性に得意なこと、男性に得意なことがそれぞれある」と語る。「女性が男性にとって代わるわけではない。女性は男性とほぼ同数いる。多様な考えが社会を変える」(外ケ浜町の山崎町長)との意見は冷静かつ的確だ。取材に応じた5人全員、「女性政治家が増えることは社会にとってもちろんプラスだ」と答えた。

厚生労働省が発表した19年の出生数(年間統計)は、従来の国の予想よりも2年早く86万人まで落ち込んだ。少子化が急速に進む中、意思決定の場で男性が大多数を占める現状は果たして適切か。政治家に有権者の半数を占める女性が増えることは、多様性を尊重する社会で少数派の声を幅広く受け止めていく第一歩になるはずだ。

女性増で変わる 「何を」政治決定

前田健太郎・東大准教授(行政学)の話 女性政治家が増えることで「何を政治で決めるか」が変わるのが最大の影響だろう。一例は女性が担ってきた育児や家事の負担を国家が肩代わりする「ケアの社会化」だ。

女性政治家を増やすには、有権者が政党に投票し、得票率に応じて各党の議席数が決まる「拘束名簿式の比例代表制」で選出される議員の割合を増やすのが一案だ。比例名簿の順位は政党が決めるので、政党が女性候補者の割合を増やしやすくなるだろう。

身近な問題意識が重要 ~取材を終えて~

「個人的なことは政治的なこと」は米国のウーマンリブ運動から生まれた言葉だ。性暴力被害に関する刑法の規定見直しを訴える運動は2019年4月に始まり、いまや全国に広まった。これまで「個人的なこと」だと思い、声をあげられなかった女性らが「他の誰かも悩んでいた」と気づき、政治的な連帯は広がった。

女性の議員や首長は実に少ない。女性にとって重要なテーマを政治の争点にするには利害を代弁するリーダーが必要だ。「生理用品はなぜ軽減税率の対象外なのか」「待機児童はいつゼロになるのか」――。身近な問題意識の表明こそ、きっと他の誰かにとっても重要だ。

(山下美菜子)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_