10歳の棋士、仲邑菫さん 父との真剣勝負で見せた顔

性別は関係なし 実力の世界で若手女性が活躍

囲碁と女性。こう聞くと関連するとは考えにくいかもしれませんが、日本では江戸時代に幕府から扶持(ふち)をもらう女性の「プロ棋士」がいたといいます。今も主な棋戦は男女同等で対局しますし、昇段の規定で男女差は当然ありません。男女の平等さを示す「ジェンダー・ギャップ指数」で過去最低に沈んだ日本ですが、囲碁の世界はもっと前から性差を問わない、実力勝負が貫かれています。

男性に比べ裾野は広いとはいえないものの、19年9月には棋戦のひとつ「竜星戦」で上野愛咲美女流棋聖(18)が男性棋士を退け、女性で初めて決勝に進出しました。吉原六段は「勉強の機会は同等にあり、女性棋士がどんどん強くなっています」と解説します。若手の躍進も話題です。上野女流棋聖の妹、梨紗初段(13)も昨年、プロ入りを果たしています。

初心者教室では基本ルールから学んだ
トークセッションでは囲碁の魅力などを紹介。(右から)仲邑信也九段、吉原由香里六段、稲葉禄子さん

女性が活躍できる囲碁は、ビジネスとの相性も抜群。トークセッションでの発言でも、そのことは分かりました。仲邑九段は「コミュニケーションがうまい人が強くなります」と指摘します。囲碁は「手談(しゅだん)」ともいわれ、相手の打った手から考えていることを推察し、先を読むことが求められます。洞察力を磨く場となります。先を読む方法、打ち方どちらもその人らしさがあらわれます。

また、大差をつけなくても、陣地がわずかでも上回れば勝てます。「全体を見て、攻めと守りを考えるバランス感覚、大局観が大切になります」と稲葉さん。大局を見ながら、目の前の一手を大事に打つ「着眼大局、着手小局」という格言もありますと吉原六段が教えてくれました。座右の銘とする経営者も珍しくありません。

「囲碁は性格が出るというけれど、思い切って真ん中に打っていったりして、自分が思っていたよりアグレッシブだとわかりました」。東京都在住の40代女性は、インストラクターとの対局をこう振り返りました。コミュニケーション力、洞察力、大局観。囲碁から学べることは多そうです。

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