決算書や業界地図どう読む 面接にも使える企業研究就活探偵団

イラスト=強矢さつき
イラスト=強矢さつき

就職活動中のOB・OG訪問で話した先輩社員と気が合ったし、面接官もすてきな人だった――。入社を決める理由に「一緒に働く人」を挙げる内定者も多いが、そればかりに頼って後悔した先輩社員もいるようだ。どんな仕事をするのか、就活を通じて企業を深く知るコツは何か。就活探偵団が企業選びや面接対策にも使える業界研究を探ってみた。

「アルバイトの仕事だけで百貨店の事業を知ったつもりになっていた。やっぱりメーカーに行っておけばよかったかな」。大手百貨店に勤務する3年目の社員、松田悠介さん(仮名)は後悔から抜け出せない。

松田さんの頭に浮かぶのは、就職活動時に内定を得たもう1社。人気ランキング100社に入る大手食品メーカーだ。福利厚生を含む待遇などは魅力的だったが、レジや販売などのアルバイトとして働き、なじみのあった大手百貨店の方が「仕事内容がよくイメージできた。周囲の社員もよい人が多かった」。食品メーカーの内定を蹴り、百貨店に入社した。

しかし、いざ百貨店に入社して働いてみると、「仕入れ」「法人営業」といった仕事をよく知らないことも分かってきた。考えてみれば当たり前だが、一緒に働く社員も、なじみのあるアルバイト時代の同僚とは異なり、「まるで別の会社に来てしまったかのよう」。

3年目になった今、地方店舗が閉店するニュースに気をもむ日々が続く。「売るだけの仕事よりも、やっぱり独自商品を作れるメーカーがよかったかも」と転職も考えているという。

7割「想像と違った」

パーソルグループの調査によると、入社後に「想像と違った」と感じる新入社員は7割を超える。同グループの新卒採用責任者を務める佐藤裕氏は「感じるギャップが大きい新入社員ほど離職傾向も高い」と説明する。

人によって「こんなはずでは」は様々だが、リンクアンドモチベーションの川内正直取締役は入社の決め手が4つに分けられると説く。入社する企業において企業が目指す「理念」、具体的に手がける「仕事」、ともに働く「人」、得られる「地位や待遇」の4つだ。「どの要素にもある程度納得がないと、早期離職につながりがち」という。

百貨店の事業内容に驚いた松田さんは「仕事」の理解でつまずいた格好だ。都内の私大キャリアセンターの担当者は、来訪する就活生に対し「名前を知っている大企業や自分が顧客になりやすい食品会社や旅行会社にだけ注目しがちなので、広く業界研究をしよう」と助言する。

マイナビは2月に業界研究セミナーを実施(2月10日、東京都江東区)

最近は学生が優位な売り手市場のもとで採用の前倒しが進み、インターンシップ(就業体験)で個々の企業と早期に接触しがちだ。就職情報大手のディスコ(東京・文京)の武井房子上席研究員は「業界研究が浅いまま、個社の研究に進んでしまう学生が多い」と話す。

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