投信の為替ヘッジ必要? 円高リスク低減、年齢で選択

写真はイメージ=123RF
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今後、投資信託の運用を始めたいと思っています。海外資産で運用する投信は「為替ヘッジ」があるものとないものがあるようです。どのような違いがあるのでしょうか。

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海外資産で運用する投信は現地通貨と円の為替変動の影響を受けることになります。為替相場が円安に進めば差益を得られますし、円高になれば差損を被ります。

図は米国の株価(米ダウ工業株30種平均)と、そのときどきの為替レートで円換算した価格の動きです。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の影響から為替相場が大きく動いた時期を中心に値動きを示しています。

米株価はほぼ同じペースで上昇していますが、円換算後の値動きは時期により様子が少し異なります。12年秋から翌年にかけて円安・ドル高が進んだ時期には米株価そのものより円換算価格のほうが大きく上昇しました。

一方で13年半ばのように一時的に円高が進んで円換算価格のほうが大きく下がるときもあります。そうした為替変動リスクを避ける目的で運用会社が用いるのが為替ヘッジです。外国為替市場で為替予約という取引を実行します。

運用資産がドル建てであれば、将来ドルを売って円に替える予約を相手側と交わすのが基本です。ドル資産を手放したと仮定していくらの円を得られるかを確定できます。「ヘッジあり」と名の付く投信は一般に資産とほぼ同額の為替予約を入れることで差損リスク全体を回避します。

為替ヘッジには相応のデメリットがあります。金利差などを反映して取引コストがかかる分リターンを抑えます。円安による為替差益は得にくくなります。さまざまな通貨と資産を組み合わせる国際分散投資本来の効果が薄れる可能性もあります。

では為替ヘッジの有無はどう選べばいいでしょう。ファイナンシャルプランナー(FP)で投資助言代理も手掛ける高橋忠寛さんは「年齢や投資額、運用方法によって使い分けたい」と話します。

シニア世代が退職金などまとまった額を投資する場合、為替ヘッジ付きの商品を選択するのが妥当です。ひとたび円高が進んだら円安に戻るのを待つ時間的な余裕がないかもしれません。高橋さんは「長寿時代、退職後の運用はコストを払ってもリスク抑制を重視したい」と指摘します。

現役の若年層はヘッジなしで投資するのも手です。つみたてNISAなどの税優遇制度を活用してコツコツと毎月定額で購入します。小口の積み立てなら円高の影響は限定的ですし、値下がり時には多めの口数を買えて長期的に有利になる可能性があります。

[日本経済新聞朝刊2020年1月25日付]