手取りはなぜ減る 給料の知識、クイズでチェック令和のお金ドリル(1)働いて稼ぐ編

日経ウーマン

2020/1/30
まずは給与の基本をしっかり理解しておこう(写真はイメージ=PIXTA)
まずは給与の基本をしっかり理解しておこう(写真はイメージ=PIXTA)
日経ウーマン

消費税増税、老後2000万円問題、キャッシュレス決済……令和の時代は、お金の知識があるかどうかで、人生の有利さが変わってくる局面がいっぱい。「令和のお金ドリル」に挑んで、最短距離でお金マスターになろう。

第1回は給与の基本。稼ぎと手取りの差はどこからくるのか? 介護で仕事を休むと手取りはどれくらい保証されるのか? 給与から天引きで雇用保険を支払っていても補助を受けられる人・受けられない人の違いとは? 

まずは働いて稼ぐベースとなる給与の基本をしっかり理解しておこう。

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【STAGE1 働いて稼ぐ】稼ぎと手取りの差はどこから?「天引き」で得る権利も知ろう

Q1 現在シングルで当面バリバリ働きたい令子さんは、収入アップを目指して転職を検討中。目標は5年後に年収1000万円! その場合の実際の手取り年収ってどれくらい?
Q2 令子さんは、久々の帰省で親の衰えを感じ、遠くない将来、介護状態になることも覚悟。手取り月収約20万円(額面26万円)の令子さんが介護で仕事を休む場合、手取り月収はどれくらい保証される?
Q3 令子さんはスキルアップのため、簿記講座の受講を検討中。給与天引きで雇用保険を払ってきたから学費が一部補助されると聞いたけれど、対象外となる人もいるらしい。次のうち対象外なのは?

【ヒント】会社員が給与から引かれるのは「4社保+2税」!

給与の額面から以下の6つが天引きに

1 厚生年金

老齢期やもしものときのための公的保険。給与(標準報酬月額)に保険料率9.15%を掛けた額で同額を会社も負担。国民年金分も含まれる。

2 健康保険

ケガや病気の際の医療費負担が軽くなる公的医療保険。給与(標準報酬月額)に保険料率を掛けた額で、料率は保険組合により異なるが、5%程度が多い。

3 介護保険

40歳以上に加入義務があり、健康保険と一緒に徴収される。給与(標準報酬月額)に保険料率を掛けた額で、料率は組合により異なるが0.8%程度が多い。

4 雇用保険

失業時などに給付を受けるための保険。給与(標準報酬月額)に保険料率を掛けた額で、料率は事業により異なり、一般の事業の場合0.3%。

5 所得税

国に納める税金で、給与が上がるほど税率が5~45%とアップする。毎月源泉徴収されるが、年末調整や確定申告で一部を取り戻すこともできる。

6 住民税

住んでいる都道府県・市区町村に納める税金。税率は地域によって異なるが、およそ10%。前年の所得をベースに当年の納税額が決まるのが特徴。

※「標準報酬月額」とは、実際の1カ月の総支給額(賞与などを除く額面金額)を区切りの良い幅で区分した額。例えば、実際の報酬が19万5000円~21万円の場合、標準報酬月額は20万円となる

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Q1 年収1000万円の手取り年収は?【正解はB】約700万円