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煮干しラーメンが多様に進化 豚骨・貝とマリアージュ

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NIKKEI STYLE

煮干しからだしを採った「煮干しラーメン」、通称「ニボラー」が今、さらなる進化・発展を遂げつつある。 このジャンルは記憶に新しいところかもしれないが、3、4年前に一大ブームを巻き起こした。当時は煮干しが持ち合わせる「エグ味」や「苦み」をも余すところなく表現した、スープが灰褐色を呈する超濃厚タイプのニボラーが一世を風靡した(いわゆる「セメント系」)。端的に言えば、ニボラーというジャンルの中でも、「セメント系」の人気がずば抜けていた。同系の一人勝ち状態だったと言って良い。あれから一時期、落ち着きを見せていたニボラーの勢いが復活しつつある。

だが、今回のブームの様相は数年前とは、いささか異なるものだ。以前よりも、提供されるニボラーのバリエーションが格段に増えたのだ。ラーメン職人が煮干しの取り扱いにこなれ、効果的に煮干しを活用した、様々な種類のラーメンが楽しめるようになったのだ。

今回はそんなニボラーを提供する優良店を2軒紹介したい。同じニボラーの枠でくくられるとはいえ、両店舗とも味わいを全く異にする。このため、2店舗をハシゴしても、それぞれ相応の満足感が得られることだろう。機会があれば是非、足を運んでもらいたい。

中華蕎麦 萌芽(ほうが)

<スープは煮干しに豚骨をオン。甘美なうま味広がる>

オープンは2019年12月3日と、産声を上げてまだ日が浅い同店。だが、店内はいつなんどき足を運んでも、ほぼ常に満席状態という盛況ぶり。

店舗のロケーションがJR北柏駅から徒歩3分弱と至便なこともある。だが、関東エリアを代表する複数の実力店で修業を重ねた店主のラーメンづくりの手腕が数多くの食べ手から、高く評価されているからに他ならない。

現在、同店が提供する麺メニューは「豚骨煮干」「煮干」「豚骨」「つけ麺」の4種類。加えて20年2月から、「油そば」の提供を開始する予定だという。

中でも、ニボラー好きに召し上がっていただきたいのが、券売機筆頭メニューであり、店主が創意工夫の末、同店ならではのオリジナリティー豊かな味わいに仕上げたと胸を張る「豚骨煮干中華蕎麦」だ。

同品のスープは丁寧に炊いた豚骨だしをたたえた寸胴に、大量の煮干しを直接注ぎ込む「シングルスープ」の手法を採用。

豚骨だしと魚介だしとを提供直前に丼で合わせる「Wスープ」の手法を採るよりも、シングルスープの手法を採ることで、豚の重厚なうま味・コクと、煮干しの華やかな香り・うま味とが、口の中でより緊密に一体化。味蕾(みらい)に触れた瞬間、上質な甘みでおのずとほほが落ちるのだ。

このスープに合わせる麺は自家製。「しっかりと圧延を掛けることで、食べ始めはもちろん、食べ終わりまで、ハリのある食感が維持できるよう工夫を凝らしています」(同店)。すすってみると、おのずと適量のスープが持ち上がり、口元へと運ばれていく。まさに、このスープにしてこの麺あり。オープンしたばかりとは思えない、完成度の高さだ。

「屋号の『萌芽』は草木の芽という意味を持つ言葉。ラーメン職人としてまだまだ未熟な私ですが、屋号に込めた思いを忘れず、お店と共に成長していければと思います」。

上々の滑り出しにおごることなく、兜(かぶと)の緒を引き締める店主。ニボラーシーンをけん引する旗手となる日が来るのも、そう遠くはなさそうだ。

麺響万蕾(めんきょうばんらい)

<煮干し&貝で紡ぐ「白醤油(しょうゆ)」はバランス力の極致>

引き続き紹介するのは19年12月20日、新京成電鉄みのり台駅から徒歩2分弱という立地にオープンした「麺響万蕾」。

店主・高野氏はもともと、ラーメン店以外の飲食店に勤めていた、いわゆる異業種からの参入組。

「湘南に趣味のサーフィンをしに行った帰りに、偶然立ち寄ったお店のラーメンの味に感銘を受け、即座に弟子入りを申し込みました。そのお店が『渦雷』(神奈川県を代表する実力店の一つ)だったんです」。

その後、同店の店主・大西氏の下で地道に研さんを重ね、19年7月、松戸駅東口の居酒屋を、土日の昼間のみ間借り営業する形でラーメンの提供を開始。

当時から、既にハイクオリティーな1杯を紡ぎ出していたが、5カ月余りが経過した同年12月、「より本格的な設備を備えた好環境で、自らが理想とする味のラーメンを提供したい」と、満を持して一国一城の主に。修業先である「渦雷」へのオマージュを込めて、屋号を「万蕾」と名付けた。

現在、『麺響万蕾』が提供する麺メニューは、「醤油」「白醤油」「味噌」の3種類。

中でも特におススメしたいのが、高野氏自身も「イチ押しです」と胸を張る「白醤油」だ。厳選した4種類の煮干し(背黒など)にシジミを合わせただしは食べ進め、温度が低下するにしたがって、各種素材のうま味、とりわけ、シジミの滋養味が徐々に輪郭をあらわにするこん身の出来栄え。そのうま味のキレとコクは、居酒屋の間借り時代と比較しても大幅に進化。有無を言わせず食べ手を承服させてしまうほど、「明確に秀でた」水準にまで到達している。

スープを構成するもう一方の主役であるカエシの出来栄えも、見事の一言に尽きる。カエシの主役を担う「白醤油(しょうゆ)」は食べ手が求める理想的な塩分量へと調整が施され、思わず、レンゲを介してでなく、丼から直に飲みたくなってしまうほど、上質なうま味を演出。

「食べ手の年齢・性別を選ばないスタンダードなアッサリ系ラーメンを提供していきたい」との高野店主の言葉通り、私が訪問した時にも老若男女を問わず皆、ゴクゴクとスープを飲みふけり、丼を空っぽにしていた。

スープと合わせる麺も、すすり心地と歯応えの良さを兼ね備えた逸品。「太からず、細からず」。過不足なく存在を主張する太さである点にも、好感が持てる。

名店の出身であるだけに、味の引き出しも豊富な店主。今後、どのような「一手」を繰り出すのか。展開から目が離せない、要注目店だ。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。

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