それって拒否? 否定形の表現で勘違いしやすいaskデイビッド・セイン「間違えやすい英語・聞き手編」(33)ask

相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回は「聞く」「尋ねる」などの意味をもつaskにまつわる表現をみていきましょう。

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今日は大口クライアントでの新規サービスの提案をプレゼンをしました。ここ数カ月契約を取るために一丸となって準備を重ねてきたユウカたちのチーム。自分たちのプレゼンが終了し、相手側の担当者であるポールはニコニコしていて、いい反応に見えました。そこで思い切ってどんな感触かをユウカが聞いてみたのですが、思わぬ言葉にユウカは不安になってしまいます。

それはこんな会話でした。

Yuka: This is the proposal from our company.
Paul: I understand. Thank you very much.
Yuka: Do you have any questions?
Paul: No, you've explained things quite well.
Yuka: Well then, how do you feel about the proposal?
Paul: Well…. I couldn't ask for more.
Yuka: No more?
(以下、スティーブに小声で)
Yuka: Does he mean he won't take the offer?
Steve: No, he means the conditions look good.
Yuka: Okay, so he's not actually interested?
Steve: Why would you say that? He's thrilled.
Yuka: Now that you mention it, he does look thrilled.

日本語に置き換えてみると次のようになります。

ユウカ:我が社からの今回の提案は以上になります。
ポール:よいプレゼンでしたよ。
ユウカ:ありがとうございます。何かご質問はありますか?
ポール:いや、説明は十分に聞きました。
ユウカ:では、今回のご提案、いかがでしょうか。
ポール:ええ、申し分ありませんよ。
ユウカ:これ以上頼まない?
(以下、スティーブに小声で)
ユウカ:もううちとは取引しないってこと?
スティーブ:いや、この条件でいいみたいだよ。
ユウカ:でも、興味ないってことじゃないの?
スティーブ:どうして?満足げだよ。
ユウカ:確かに、見た目は満足そうだけど。

プレゼンを終えたあと、担当者のポールの表情もにこやかだったため、感触を思い切って聞いてみたのですが、担当者ポールの答えはその表情とは全く逆のものでした。慌てたユウカがスティーブに相談したところ、どうやらユウカの勘違いだったようです。ポールの使った満足度を表すときのセリフの意味を取り違えたようです。

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