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運をコントロールする方法を4つに分類して解説

運をコントロールする方法を4つに分類して解説

このところ世界の不確実性が増しているなどとよく言われるようになりました。VUCA(ブーカ=変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)という言葉もよく聞きます。そんな時代に気になるのが運です。このほど運に関する知見をまとめた解説書『幸運学 不確実な世界を賢明に進む「今、ここ」の人生の運び方』(日経BP)を刊行した早稲田大学ビジネススクールの杉浦正和教授に、キャリア形成に生かせる運との付き合い方について寄稿してもらいました。

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「幸運の女神には前髪しかない」のウソ

「チャンスの女神には前髪しかない」というフレーズを聞いたことがあると思います。この言葉を聞くと、多くの人は「確かにそうだ!」と膝を打ちます。「チャンスが通り過ぎたあとで慌てて追いかけても手遅れだから、その瞬間を逃さず前髪をつかむしかない」と納得するのです。けれども、このフレーズには誤りがあります。

2020年、みなさんにはどんなチャンスが訪れるでしょうか。どんな幸運が巡ってくるでしょうか。私は『幸運学』と題した本を上梓(じょうし)し、「運の正体」と「幸運への近道」について論じました。スピリチュアルな話ではありません。ビジネススクールで学ぶ戦略論やキャリア論、あるいはヒット曲の歌詞など、「運」に関する古今東西の知見をまとめた解説書です。

さて、「チャンスの女神には前髪しかない」は何が間違っているのか。

ギリシャ神話では、チャンスの神様の名前は「カイロス(Kairos)」といいます。そしてカイロスを描いた絵や像などを見ていただくとわかりますが、前髪しかありません。

しかし、実はカイロスは女神ではなく男神なのです。

カイロスが誤って「女神」とされてしまったのは、おそらく「フォルトゥナ」という名のローマ神話の女神との混乱が生じてしまったからだと考えられます。フォルトゥナは「フォーチュン(幸運)」の女神です。もしかすると「チャンスの神様は女神であってほしい」という意識も影響したのかもしれません。そして女神フォルトゥナには、ちゃんと後ろ髪があります。整理してみると次のようになります。

「カイロス」  =チャンスのギリシャ神 =男神=後ろ髪なし
「フォルトゥナ」=フォーチュンのローマ神=女神=後ろ髪あり

つまり、「チャンスの男神(カイロス)には前髪しかない」というのが、正確なのです。

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