ラッキーな人は何をしている? 運を味方につける極意『幸運学 不確実な世界を賢明に進む「今、ここ」の人生の運び方』より

ローランド式の思考法で「運」について考える

前置きが長くなりましたが、では「チャンスの男神の前髪」をつかめる「ラッキ-な人」になるためには、どうすればいいでしょうか。ここでは「現代ホスト界の帝王」と称されるローランドさんの思考法を拝借して考えてみましょう。ローランドさんには決めせりふがあります。「世の中には2種類の男しかいない。俺か、俺以外か」です。

「世の中には、2種類の人しかいない」というこのレトリックは、実はなかなか便利です。どこかに任意に区別の線を引いて「それと、それ以外」に分ければ良いだけなのですから。にもかかわらず、妙な説得力があります。

このレトリックを拝借すると、例えばこんな分類が可能です。

(1)予定をキャンセルされたときに、がっかりする人
(2)それ以外の人(=「それはそれで、よかった」と思う人)

さて、どちらの人が、運が良くなるでしょうか。私は後者だと思っています。急に予定がキャンセルになったときにできた時間を、私は「ぽっかり時間」と呼び、「ありがたい!」と喜びます。

早稲田大学ビジネススクール教授にして「幸運学者」の杉浦正和氏

ぽっかり時間は、偶然訪れたチャンスです。ぽっかり時間に行ったことは、思いのほかうまくいきます。なぜなら、「成果を出さなきゃ」というストレスがないし、「ダメでもともと」と気持ちに余裕があるので、創造的になることもできるからです。

でも、そんな宝物のような「ぽっかり時間」の問題点は、いつ訪れるかわからないことです。「さぁ、何をしようか」と迷っている間に、時間は過ぎてしまいます。

このような「ぽっかり時間」を生かすには、「したいことリスト」を事前に作っておくといいでしょう。「したいことリスト」は、リストが長いほど楽しくなり、ポジティブ思考のスイッチをONにします。約束が直前にキャンセルされても、「それはそれでラッキー!」と思えます。

そして何より、予定のキャンセルをせざるを得なかった方に対して怒らずに済み、むしろ感謝できるのも、人間関係上の利点です。

『LUCK is NO ACCIDENT』

自分のキャリアをうまく開発していった人は、しばしば「運が良い人」と言われます。「素晴らしいキャリアですね」と言われた人は「いやぁ、たまたま運が良かっただけです」と答えるでしょう。けれども、きっと本心ではそうは思っていません。それが証拠に、赤の他人に「あなたは単に運が良かっただけですね」と言われると、とても怒るはずです。

望ましいキャリア・ディベロップメントは、本人が意図し計画したものでしょうか。それとも「運」の要素が大きく影響しているのでしょうか。

その問いに対する1つの答えとなるのが、スタンフォード大学教授のジョン・D・クランボルツによる「プランド・ハプンスタンス・セオリー(計画的偶発性理論)」です。

「ハプンスタンス(happenstance)」という言葉は、「ハッピー」や「ハプニング」と近い言葉です。「ハップ(hap)」とは「偶然起きたできごと。その動詞が「ハプン(happen)」で「(何かが偶然)起きること」、接尾辞をつけて「ハプンスタンス」になると「偶発的な性質を持つこと(偶発性)」です。

クランボルツは、幸せなキャリアを築いた人たちを対象にした調査研究を行いました。次の2つのうち、どちらの人が多かったと思いますか?

(1)当の本人が事前に思い描いた通りになった
(2)予期せぬ偶然をうまく生かして「機会」とした結果、成功した

クランボルツの調査では、後者のケースのほうがはるかに多いことが示されました。幸運に見える人たちは一定の行動を取ったり態度で示したりすることで、運が味方してくれるようにしていたのです。逆に言えば、「運を友とする」ように日ごろから行動し、そのような態度を取っていたということです。

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