1日の平均気温で見ると1月、2月は年間で最も低い時期にあたる。そんな厳冬期だからこそインナーウエアにこだわってみてはどうだろう。店頭には機能性素材や製造工程における工夫で保温性に優れ、着心地快適なアイテムが並んでいる。「見えない部分にこだわるのが究極のおしゃれ」という説もある。東京都内の百貨店で温かなインナーを探した。
カシミヤの温かさとシルクの肌触り
《伊勢丹新宿店メンズ館》 伊勢丹新宿店メンズ館でまず見つけたのはレナウンと三越伊勢丹が共同開発したインナーアイテム。海外のラグジュアリー・ブランドに高級繊維素材を供給するイタリアの紡績メーカー、カリアッジ社の素材を用い、カシミヤ(70%)とシルク(30%)が混ざるトップスとボトムスの上下だ。
「カシミヤ100%だと、どうしてもゴワゴワ感が出てしまう。シルクを混ぜることでそれを解消し、カシミヤ本来の温かさとシルクの肌触りの良さを実現した」と三越伊勢丹・新宿紳士営業部バイヤーの大橋靖弘さんは説明する。
一見セーターのように見えるトップスは長袖のみで、ボトムスはタイツスタイル。イタリアならではの美しい発色も商品に魅力を添える。グレーやネイビーなど上下各4色展開で「主に40代以降の幅広い世代が購入層」といい、「ビジネス用途だけでなく、ゴルフのインナーとして利用する人もいる」という。
「発熱保温」や「高い調湿性」など素材の機能性を前面に打ち出していたのは、グンゼの「SEEK(シーク)」。帯電低減加工も施され、衣類の静電気にも配慮した素材でできている。
袖口やすそが切りっぱなしで当たりが出ない「カットオフ」加工になっている。このため「シャツの下に着てもゴワつきがなく、着心地も快適なので幅広いビジネスマンに支持されている」と大橋さん。トップスはU首のクルーネックのみで半袖、長袖、五分丈の3種類、ボトムスはタイツとひざした丈(ニーレングス)の2種類で上下とも白、黒、ベージュの3色から選べる。