オフィスでデニム解禁の波 テーラード技が男を格上げファッションディレクター 清水久美子

ビジネスシーンがカジュアル化する今、こういったできる印象になるデニムは、一家に1本のマストアイテム。自分の体形などと相談し、仕込んでおくのはもはや働き盛りのミッションなのです。では、どんなテーラードデニムが、大人の魅力をぐっと引き立ててくれるのでしょう。オススメは、こちらです。

◆ヤコブ コーエン

ハラコのパッチが印象的な、ヤコブ コーエンのデニムは、いわばテーラードデニムというジャンルの立役者。1985年にイタリアで創業以来、テーラードパンツの製法をそのままデニムに落とし込む発想で、特に工程でこだわっているのが、テーラードパンツ同様のアイロンワーク。アイロンをかけることで裁断した生地に細かな立体感を出す作業で、オーダーのパンツにはよく使われる工程です。

その工程をデニムに加えることによって、デニムにありがちな、後ろの内股部分のシワを排除。前からも後ろからも、実にすっきりしたラインのデニムになるのです。その端正なシルエットは、もちろんジャケットとも好バランスを実現。ストレッチが入っているので、はき心地の快適さも抜かりなし。スラックスのように、丁寧に作られたデニムは、オフィスでも生え抜きの存在感を醸せます。

すっきり、きれいなテーパードラインが印象的な656モデル
世界的にブレイクしている688モデルはストレッチ入りの心地よいフィット感も人気の理由 デニム税別45,000円(ヤコブ コーエン/ヤコブ コーエン 東京ミッドタウン店)
ボタンやリベットなどはイタリア国内のジュエリーメーカーに発注。素材も日本製をはじめ世界でも最高級のものを使用

◆インコテックス

1951年にイタリアで創業。ミリタリーユニホームで培ったノウハウを生かし、美脚パンツ専業ブランドとして定評のあるインコテックス。このブランドが手がければデニムもテーラード感があり、オンタイムのジャケットとも好バランス。

「SKY-D」というモデルは、細身のシルエットがきれいで有名です。けれど、さらにおしゃれ通をうならせているのが、今年のニューモデル、インディゴチノの「TRAY」。チノパンのディテールをデニムに落とし込む、という発想が実に新鮮です。デニムでありながら、そのポケットはスラックスと同じスラントポケット。これによって、デニムがより大人っぽい印象になります。

しかも、お尻からウエストラインにかけて細かな調整ができるように、生地に遊びを持たせているので、体形にあったカスタマイズが可能。ヒップ上に入ったステッチにはヒップアップな錯覚効果もあり、会議の席で意外と見られる後ろ姿も抜かりなし。「やっぱりスタイルいいのね」と熱い視線が雨あられ……となるのです。

すらりとしたシルエット、腰回りもすっきりとして大人っぽい印象 パンツ税別40,000円(インコテックス/スローウエアジャパン)
前よりも後ろが高いカッティングのため、うっかりシャツの裾が出てしまう事態も回避
ヒップから腰にかけての微調整が可能。適度なフィット感で快適性もアップ

◆シビリア

アメリカンデニム的な自然な色落ち感、テーラーの美しさを融合させたブランドが、シビリア。2005年にイタリアで生まれた新鋭ですが、テーパードのラインの美しさ、ウォッシュド加工による脚の立体感の演出など、細部にまで美脚の演出力、エレガントな雰囲気にたけたブランドてす。そんなブランドの中核をなすのがCORE(コア)というライン。中でもCORE2は、適度にゆとりを持たせたシルエットが特徴です。けれど、そのゆとりが、なんともジャケットとグッドバランス。「ベーシックなのに、どこか違う……」。そんな技ありな印象が、これ1本で可能です。

ウォッシュタイプのデニム 税別29,000円、インディゴ 税別27,000円(ともにシビリア/ビームス銀座)

大人の分別をわきまえたデニムスタイルは、もしかすると今後スーツよりも「ヘビロテ」になるかもしれません。自分の体形にあった、とっておきの1本は、シーズンレスに大活躍しますし、ドレススタイルとも好バランスです。ぜひ、一本! 毎日の着まわしの安心感と、女子の好感度をゲットしてくださいませ。

清水久美子
ファッションディレクター。大学卒業後、銀座和光を経て、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)入社。25ans(ヴァンサンカン)編集部で活躍後フリーとなり、ラグジュアリーなスタイルを得意とするスタイリストに。男性向けスタイリングの提案、商品企画も手がける。

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