「好きなことに熱中」長生きの秘訣 二大オタクの教え海堂尊の死ぬまで生きる(3) 「ミイラ」について

ミイラを画像診断すると様々なことを語りかけてくれる(画像はイメージ=PIXTA)

今回のミイラ展はその時の企画をスケールアップしたもので、世界中から43体のミイラ大集合という空前絶後の展覧会です。そのうちペルーのミイラにAiを実施し、杉本先生の画像処理技術でホログラムのようにミイラの内部まで見せるという画期的な企画です。そのお二人が講演したのですが、これが面白いのなんのって。かたやミイラオタク、こなた画像オタク、オタク×オタクがかみ合えば最強です。お二人のユニットならM-1グランプリの一次予選も楽々突破できるでしょう。

真面目な話をするとAiはミイラの学術研究に大変有効です。ミイラを解析するには従来は破壊しなければ内部の検索は不可能でした。つまり解析研究をしたら、ミイラ本体は破壊されてしまう。でもAiなら破壊せずに内部の検索ができます。たとえばミイラの口と肛門に木の実が詰め込まれている、なんてこともわかりました。呪術的な行為でしょうか。またあるミイラの死因は結核ではないか、と推測もできました。新しい医療技術が、考古学の世界に新たな武器をもたらしたわけです。

さて、健康に生きるというこのコーナーとミイラはどんな関係があるのか、ということに関しては、今回講演をされたお二人の様子、それが健康に生きる秘訣だということです。人は好きなことに熱中している時は疲れないし、楽しそうに見える。そういう人は絶対に長生きします。逆に言えば長くやっても疲れないようなことは、あなたに向いていることです。できればそうしたことを見つけて熱中することが、よりよく生きる道です。それは案外簡単に見えて、なかなか気がつかないことだったりします。え? 私ですか? 私は執筆している時が一番楽しく、力尽き寝落ちするまで執筆できます。たぶん作家は天職なのでしょう。

さてこのミイラ展、1月中旬現在、来場者27万人ですが、まだ損益分岐点に届かないそうです。そこを越えないと次はないぞ、と坂上先生は講演で聴衆を脅迫していました。来場者を脅してどうすんだ、と思いつつ、みなさんが足を運べば次がある、それはミイラ考古学の明日につながる、ということなので、興味がある方は是非足を運んでください。文化を消滅させるのは一瞬ですが、育てるには長い年月と忍耐が必要です。ちなみに展覧会の図録は、これ一冊でミイラ研究のほとんど全てがわかる、という優れものです。それを入手するだけでも来場の価値はあるかも。

東京では2月24日まで、その後、熊本、福岡、新潟、富山と、展覧会は流浪の旅に出るそうです。各地のミイラファンのみなさま、どうかお楽しみに。

海堂尊(かいどう・たける)
1961年千葉県生まれ。外科医、病理医を経て、 放射線医学総合研究所・放射線医学病院研究協力員。2006年「チーム・バチスタの栄光」で第4回『このミステリ ーがすごい!』大賞を受賞し作家デビュー。同シリーズが映像化されたほか、18年に『ブラックペアン1988』(講談社)もドラマ化された。現在、キューバ革命の英雄チェ・ゲバラとフィデル・カストロの生涯を描く「ポーラースター」シリーズを執筆中。2019年時点で、累計総部数は1750万部を超えている。
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