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新種の鳥続々発見 インドネシアの離島、狭まる生息地

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ナショナルジオグラフィック日本版

世界全体で1年間に発見される新種の鳥は、この20年間の平均でおよそ6種だ。しかし、2020年はそれどころではないようだ。インドネシアの3つの島を6週間調査しただけで、これまで記載されていなかった種と亜種が合計10種類も見つかったと、1月10日付けの学術誌「サイエンス」に報告された。

驚くべき成果をもたらした島々は、スラウェシ島の東に浮かぶタリアブ島、ペレン島、バトゥダカ島だ。シンガポール国立大学の鳥類学者で研究を主導したフランク・ライント氏によると、研究者たちは既に未知の鳥たちが潜む場所と予測していたという。理由の1つは、英国の博物学者、アルフレッド・ラッセル・ウォレスといった19世紀の探検家たちが、これら山がちの島々にあまり時間をかけなかったからだ。

「加えて、深い海に囲まれた島々をどうしても調査したいと私たちは考えていました。氷河期の間も広い陸地とはつながらなかったので、他では見つからない種の発見がとても期待できる場所だったのです」と、ライント氏は話す。

熱帯林の鳥の多くは開けたところに出てきたがらない。そのため、「海があったり、幹線道路が通るだけでも、ある森林地帯から別の森林地帯への移動が妨げられることがあります」とライント氏。そのため、まれに嵐で海上に飛ばされるなどして、たまたま離島に行き着いた鳥が、やがて別の種に進化するのかもしれない。

新種の鳥のうち、ペレンメボソムシクイ(Phylloscopus suaramerdu)とタリアブメボソムシクイ(Phylloscopus emilsalimi)は、昆虫を食べる小さな鳴き鳥で、主にユーラシアに広く分布するメボソムシクイ属の仲間だ。他には、様々な花の蜜や果実を食べるミツスイ属のタリアブミツスイ(Myzomela wahe)、動揺したり警戒したりすると尾羽を扇形に広げるオウギビタキ属のペレンオウギビタキ(Rhipidura habibiei)が見つかった。

インドネシア大学のフィールド生物学者、モハマッド・インドラワン氏は、今回の論文発表には関わっていないが、ペレンオウギビタキを初めて捕獲し、報告した人物だ。

「新種の記載に心から拍手を送ります」。同島の住民たちと協力し、30年近く森林保護のために活動してきたインドラワン氏はこうコメントした。「このことは大きな助けになります。しかし、今は種の絶滅の時代であり、気候変動の時代です。したがって、これらの鳥を守るため、さらなる取り組みができればと思います」

聞いたことのない鳴き声

現地調査の際、ライント氏らの研究チームは、信頼性が立証済みの方法を活用して鳥を追跡した。鳴き声を頼るのだ。声を聞いてからようやく姿を見るまで、数日かかることもあった。

ライント氏らがタリアブ島の山中を初めて歩いたときには、激しい雨に降られ、引き返そうかと考えた。「その時、センニュウという鳥の仲間に特徴的な、昆虫のような高い鳴き声が聞こえました。今まで聞いたことのないものでした」

その後、鳴き声の主を探してさらに数回山を登り、小さな茶色い鳥をようやく発見した。そして、その鳥はタリアブセンニュウ(Locustella portenta)と名付けられた。

研究チームは鳥の標本個体を採取し、研究室に戻ると、外見と解剖学的構造を注意深く記述した。新発見の鳥たちのDNAと鳴き声の録音データが解析された結果、これまでに知られているどんな種と比較しても、新しい種または亜種として命名するのに十分な違いがあると確認された。

ほかに行き場のない鳥たち

新発見の鳥たちは、いずれも今いる島以外には生息していないとみられる。したがって絶滅の危機に弱く、特に山火事や森林破壊で大きな打撃を受ける。論文の著者たちは、どちらもこれらの島で多発していると指摘する。

ライント氏が特に心配しているのが、前述のセンニュウだ。

「この鳥は高山の、低木の生えた狭い範囲でしか見つかっていません。山火事にきわめて弱いエリアです。気温が上がり、干ばつが増えれば、山火事の危険も高まります。そうなっても、この鳥が逃げ込めるような、さらに標高の高いところはないのです」

論文の共著者で、インドネシア科学院の生物学者、デビ・プラウィラディラガ氏は、「今回の発見を発表することが、この鳥たちと生息地の安全を守るのに役立つと希望を持つしかありません」と付け加えた。

インドネシア政府が、新発見の種と亜種を保護対象とすることを検討するよう、プラウィラディラガ氏は願っている。

(文 Tim Vernimmen、訳 高野夏美、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2020年1月14日付]

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