完全無線イヤホンNoble対オーテク 1万円台でも高音質「年の差30」最新AV探訪

ハイエンドブランド初の完全無線

Noble Audio「FALCON」。イヤホン本体はカナル型で、耳の奥までしっかりと入る構造

小沼 まずはFALCONから見てみましょう。その前に、Noble Audioとはどんなブランドなんですか?

小原 米国でジョン・モールトン博士という人が創設したブランドです。彼はオーディオロジスト(聴覚学者・聴覚専門医)として知られていて、もともとは補聴器会社に勤めていた人。イヤホンは当初趣味で作っていたのですが、周囲の人がそのクオリティーを高く評価し、ブランドがスタートしました。

小沼 補聴器会社で、趣味でイヤホンを作っていて……と聞くと、「FitEar(フィットイヤー)」の須山慶太社長を思い出しますね(記事「高音質で耳にも優しい オーダーメードイヤホンを作る」参照)。Noble Audioの特徴は?

小原 音を再生する部品である「バランスドアーマチュア」(BA)をたくさん組み合わせて音を作るのが特徴です。現在のフラッグシップモデルの「KHAN」というイヤホンでは異なる3種のBAを使用していますし、「KATANA」というイヤホンではBAを片側に9個搭載することで、高い分解能を実現しています。

小沼 KHANやKATANAは有線のイヤホンで、価格としてはどちらも20万円以上。それと比べると、完全ワイヤレスイヤホンで2万円以下のFALCONの異色さが際立ちますね。

小原 ブランド自体を周知させる目的もあるのでしょうね。最初は「あのNoble Audioが2万円以下って、大丈夫なの?」と思ったのですが、とてもよくできていると思います。遅れてきたダークホースですね。

音質、性能ともに申し分なし

「FALCON」の装着イメージ。背面は物理ボタンとなっており、ブランドロゴが刻まれる

小沼 小原さんが思うFALCONの魅力を改めて教えてください。

小原 まず、音のバランスがとても整っています。ワイドレンジかつフラットで、余計な味付けのない素直な音なのですが、それでいて物足りなさも感じない。クラシックやジャズ、ビート系など、どんな音楽を聴いても楽しめました。

小沼 たしかに、音源に忠実に鳴らしている印象があります。僕は今、この連載でも取り上げたAVIOTの「TE-D01b」を主に使っているのですが、これはJ-POPを多く聴く人向けに味付けがされたイヤホン。FALCONを聴くと自然な音の良さが感じられて、思わず心変わりしそうになりました……。

小原 FALCONは音の立体感も優れています。カナル型のイヤホンは鼓膜との距離が短くなるため、奥行きが表現しにくいんですよ。でも、FALCONはクラシックを聴いたときのホールの残響感や、手前から順に弦楽器、管楽器、ティンパニ、チューバといった空間構成まで感じられます。この描写力は出色です。

小沼 これまで聞こえなかった音が聞こえることも多々あったのですが、これも描写力の高さゆえですか?

小原 そうですね。聞こえなかった音が聞こえるのは、つまり鳴っていたけど気付かなかった音に気付くということ。それはイヤホンのダイナミックレンジが広く、分解能が高く、音色の描き分けができているからこそです。

小沼 音質以外のスペックも高いです。デザインが洗練されていてケースも小さいですし、IPX7の防水性能を搭載。ペアリングは安定しており再生時間も長く、イヤホン単体で10時間、ケース併用で40時間です。小原さんが昨年のベストに選ぶのも納得のクオリティーですね。

小原 ちなみに、FALCONは紛失時のサポートも充実しているんですよ。イヤホン本体のどちらか、あるいはケースを紛失したとき、8800円(税込み)で新品と交換してくれるんです。

小沼 おお、そんなサービスが! 完全無線イヤホンの紛失はJRが注意喚起をするほど問題になっていますし、こうしたサポートは心強いですね。

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