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駅丸ごと観光名所 デザインに見惚れるモダン駅舎10選

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NIKKEI STYLE

個性的なデザインの駅舎が各地に生まれている。ガラスなど新しい素材を採り入れ、土地の風土も感じさせる。21世紀にできた「モダンな駅舎」を専門家が選んだ。

1位 東京駅

(東京都千代田区)930ポイント
最高の立地、重厚さと先進性

1914年(大正3年)の開業から関東大震災などにも耐えてきた駅舎が、2020年の東京五輪・パラリンピックを前に大きく変貌を遂げた。玄関口ともいえる丸の内側は、名建築家の辰野金吾らが設計した当初の意匠通りに復元された。

一方、八重洲口側には長さ230メートルの巨大な屋根を造った。「光の帆」をモチーフとしており、先進性を感じさせる。「重厚な丸の内と大胆デザインの八重洲口。全くイメージの異なる2つの駅舎が併存するのは世界的にも珍しい」(瀬端浩之さん)

丸の内駅舎は外観だけではなく、内部にも特徴がある。八角形のドームのそれぞれの角には干支(えと)が飾られている。「細部まで凝っていて外観・内部とも見どころ満載」(西崎さいきさん)

丸の内駅舎は建物の容積率を最大限使わず、未利用分を周辺のビルに売却した。高層ビルを建てやすくして、エリア全体を活性化するためだ。「最高の立地ゆえ、1位であり続けなければならない駅だが、その重責を見事に果たしている」と大内雅博さん。

(1)新装時期 丸の内側は12年、八重洲側は13年(2)18年度の1日平均乗車または乗降者数 46万7165人・乗車数(3)主な路線 東海道新幹線など

2位 日立駅

(茨城県日立市)610ポイント
ブリッジは展望台、太平洋望む

段差のある地形を逆手にとって、線路をまたぐブリッジを全面ガラス張りにした。ブリッジが展望台にもなり、通路やそれと同じ高さにある改札口付近から太平洋を見下ろせる。

建て替え前の駅舎にもブリッジはあったが、人家や草むらに遮られて海は見えなかったという。「旅客を迎えるのに必要不可欠な通路に新たな役割をもたせたアイデアとデザインは称賛されるべきだ」と大内さん。

東京駅からだと、特急「ひたち」を使って最短約1時間半。海を見るためにわざわざ訪れる観光客も多い。海側にまっすぐ伸びるブリッジの先にはベンチがあり、カフェも併設。「駅そのものを楽しむために人が足を運び、途中下車する。人を集められる駅に進化したことに価値がある」(真柄智充さん)

駅本来の使い勝手も「自然の光を最大限取り入れ、爽やかな空間をつくり出している」と渡辺隆さんは評価する。

(1)11年(2)1万1175人・乗車数(3)常磐線

3位 金沢駅

(金沢市)510ポイント
もてなし表す巨大ドーム

北陸新幹線の開業に伴いリニューアルした。改札口を抜けると、約3000枚のガラスと約5500本のアルミフレームでできた巨大なドームが頭上を覆う。雨や雪の多い金沢で傘を差し出すもてなしの気持ちを表しており、「もてなしドーム」と名付けられた。

ドームは太陽光や夜のライトアップによって様々な陰影を生み出し、視覚的にも楽しい。「構内には多くの店があり、乗車ぎりぎりまで買い物を楽しめる」(瀬端さん)

東側玄関口にある木造のオブジェ「鼓門」は堂々とした押し出しで目を引く。金沢伝統の能楽、加賀宝生(ほうしょう)の鼓をモチーフにデザインされた。「外国人観光客の受けがよく、街のブランド力向上に一役買っている」(浅野清さん)

鼓門に集まるハトのふんから観光客を守るため、鷹匠(たかじょう)がタカを放ってハトを追い払う光景も、加賀百万石の重厚な歴史を感じさせる。

(1)15年(2)4万6820人・乗降者数(3)北陸本線

4位 岩見沢駅

(北海道岩見沢市)480ポイント
レンガや古レールが呼ぶ郷愁

石炭輸送の要衝として栄えた岩見沢だが、今は往時のにぎわいはない。そうした歴史を踏まえ、地域再生の核にという期待を込めて造られた。壁面にはレンガ、窓枠には線路として使われていた古レールを採り入れている。「かつての鉄道の街を思い起こさせるアイテムの活用が巧み」と渡辺さん。夜は間接照明の効果により、ぬくもり感を演出する。

「北海道を代表する駅舎」と日比野直彦さん。「モダニズム建築で有名な『新ナショナルギャラリー』(独ベルリンの美術館)を思い出させる」(谷田望美さん)という指摘も。

(1)07年(2)4700人・乗車数(3)函館本線など

5位 浅草駅

(東京都台東区)360ポイント
アールデコ調、開業当初を再現

アールデコ調の外観は1931年(昭和6年)の開業当初を再現したもの。壁を覆っていたカバーを取り外して修復した。屋上の大時計も当時の記録を参考に復元した。「レトロな雰囲気がニューヨークの街を思い起こさせる」(谷田さん)。ライトアップに照らされる夜は美しさが際立つ。「外国人観光客が多い浅草において、日本を代表する駅として存在感を発揮している」(真柄さん)

プラットホームが短いため、入りきらない車両のドアは停車中も閉め切る。「ドアカット」と呼ばれる手法で、「鉄道ファンの興味をそそる」(西崎さん)という指摘も。

(1)12年(2)4万7754人・乗降者数(3)東武伊勢崎線

5位 日向市駅

(宮崎県日向市)360ポイント
地元の杉材を使用、周辺と調和

ホームや大屋根、ベンチなどに地元宮崎産の杉材をふんだんに使った。「デザインの美しさに旅人が驚く姿が目に浮かぶ」と真柄さん。天井の梁(はり)のなめらかな曲線は、壮麗な寺社建築にも似ている。「開放的なホーム空間と木造梁の構造美が魅力的だ」(渡辺さん)。

駅舎と周辺が一体的に設計されている点も、専門家の評価が高かった。改札を抜けて駅前広場に出ると、人々が芝生の上で寝転んだりベンチで日なたぼっこをしたりしてくつろいでいる姿が目に留まる。「地域の景観と見事に調和している」(浅野さん)

(1)06年(2)1396人・乗車数(3)日豊本線

7位 旭川駅

(北海道旭川市)320ポイント
ガラス多用の現代的デザイン

外観がガラスを多用した現代的なデザインであるのに対し、内部は北海道産の木材をふんだんに使っていて温かみがある。「木材産業が盛んな街に寄り添ったデザイン」と三好隆之さん。「駅前のにぎわいを駅裏の広大な自然公園につないでいる点が秀逸」(酒井喜市郎さん)という指摘もあった。

街のシンボルとしての役割についても評価が高い。「駅前広場の開放感や、ホテル・商業施設に直結している利便性はポイントが高い」(西崎さん)。構内にはコンビニエンスストアや郵便局、飲食店など生活に必要な機能も備わっている。

(1)10年(2)5196人・乗車数(3)函館本線

8位 たまプラーザ駅

(横浜市)280ポイント
吹き抜け構造の開放感

大勢の乗降客がスムーズに移動できるようにプラットホームを半地下に設ける一方、改札階から屋根までを吹き抜け構造にして開放感をもたせた。「いい意味で『駅を感じさせない空間』に仕上がっている。今後、ほかにも広がってほしいスタイル」(大内さん)

「たまプラ」の愛称で親しまれ、周辺には高級住宅地が広がる。そうした土地柄に配慮して、駅舎は商業施設部分も含めて地上3階に抑えた。「低層で落ち着きのある駅舎空間を実現している」と浅野さん。日比野さんは「東京の私鉄代表として選んだ」。

(1)09年(2)8万3922人・乗降者数(3)東急田園都市線

9位 高知駅

(高知市)250ポイント
南国のおおらかさ表現

「くじらドーム」と呼ばれる大屋根が駅を覆う構造で、南国のおおらかさを表現したという。駅前広場から立ち上がる柱が大屋根を支える。屋根材には高知県産の杉を使っており、木の温かみを感じさせる。

「杉を仕上げやコンクリート型枠だけでなく、プラットホームを覆う屋根の集成材として使用することで、土佐らしさを実現している」(三好さん)

高架上の駅はホームすべてを覆うと細長い筒のような外観になりがちだが、「ドームを中央部に限ることで『建物』として見えるようにした点に好感がもてる」(大内さん)。

(1)08年(2)5270人・乗車数(3)土讃線

10位 長野駅

(長野市)210ポイント
善光寺の門前町イメージ

駅舎の前面には大きな庇(ひさし)がかかり、それを支える柱が並ぶ。善光寺の門前町として栄えた仏都の歴史を踏まえ、「長野の門」を表現したという。「大きな寺を想起させる木の柱がかっこいい」(谷田さん)

夜には柱に取り付けられた巨大ちょうちんの光が大庇に反射し、ノスタルジックな雰囲気になる。駅前の広場には善光寺にゆかりのある如是姫(にょぜひめ)像がある。

大勢の観光客がスムーズに移動できるよう導線にも配慮した。「新幹線から在来線に乗り換える際に段差が少なくて楽」(瀬端さん)という評価も。

(1)15年(2)2万862人・乗車数(3)信越本線など

今年の話題は高輪ゲートウェイ駅

新幹線・新線の開業、都市再生などのイベントに合わせ、21世紀に入り毎年のように新しい駅舎が全国で産声を上げている。

今年の話題はJR東日本が3月に開業する「高輪ゲートウェイ駅」(東京・港)だ。山手線では1971年開業の西日暮里駅、京浜東北線では2000年開業のさいたま新都心駅以来の新駅となる。

専門家の関心も高い。「通常なら同じ山手線の鶯谷駅(乗車数1日平均約2万6000人)程度の大きさになるはずが、今後の周辺開発を見込んで恵比寿駅(約15万人)と同程度に造られている」と日比野直彦さん。東京の多くの駅は通勤・通学に外国人観光客が加わり混雑しており、新駅が乗り降りの負担をどれだけ減らせるかは見どころだ。

折り紙をモチーフにした和風デザインの屋根が話題を呼んでいるが、熱反射率が高い屋根による電力消費の抑制や太陽光発電パネルの設置など、地球環境に配慮しているのも特徴。「次世代の駅に向けた試みとして実を結べばいい」と酒井喜市郎さんは期待する。

ランキングの見方

 数字は10人の専門家の評価を点数化。(1)駅舎の新装時期(2)1日平均の乗車または乗降者数(直近2018年度ベース)(3)主な路線名。写真は1~3位三浦秀行、ほかは各施設の鉄道事業者が提供。

調査の方法

 駅舎、鉄道建築に詳しい専門家の協力で21世紀に入ってから新装された主要駅22カ所をリストアップ。「意匠、土木工学的に優れている」「機能・特徴が秀でている」「土地柄、歴史性に即している」の3つの観点から、専門家が1位から10位まで順位付けし、編集部で集計した。(木ノ内敏久)

今週の専門家

 ▽浅野清(オリエンタルコンサルタンツ関東支社都市政策・デザイン部部長▽大内雅博(高知工科大学教授)▽酒井喜市郎(鉄建建設土木本部副本部長)▽瀬端浩之(日本旅行鉄道プロジェクト次長)▽谷田望美(「進研ゼミ 小学講座」教材開発担当)▽西崎さいき(駅舎ライター)▽日比野直彦(政策研究大学院大学准教授)▽真柄智充(「旅と鉄道」編集長)▽三好隆之(日本工営都市空間事業部課長)▽渡辺隆(中央復建コンサルタンツ建築グループ統括リーダー)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2020年1月25日付]

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