カレーやリゾットを本場の米で 人気高まり国産も登場

初体験のバスマティライスについて、佐々木さんは「食感が独特。パラパラしているけれど、タイ米より舌触りが柔らかくさらっと食べられる」と目を丸くする。スパイスのきいた辛めの料理好きで頻繁にタイ料理店などを訪れる佐々木さんだが「エスニック料理好きは、きっとハマるはず」と話す。

大手コメ卸の木徳神糧によると、バスマティライスと同じく香りの強い、タイの高級米「ジャスミンライス」も需要が伸びている。2019年は前年より売り上げ額が1割増えた。「外食店向けより、特に小売りが伸びており、購入するのはほとんどが女性」という。エスニック料理ブームを追い風に「アジア産米が食卓にも定着しはじめた」(同社)。

イタリア米「カルナローリ」で作ったリゾットは本場の味わいが再現できる(東京都渋谷区のタロス)

イタリア原産の「カルナローリ」にも注目が集まる。JR渋谷駅近くのイタリア料理店「Tharros(タロス)」(東京・渋谷)はイタリアの定番料理、リゾットに使っている。米国産カルローズと同じ「中粒種」で、日本米より大粒で硬い一方、味は薄めなコメだ。

カルナローリを使った料理を記者(26)も食べてみた。「サルシッシャとペコリーノサルドのリゾット」(税別1800円)だ。厚めに切った豚肉のソーセージとチーズの濃厚な味わいに加え、コメ一粒一粒のかみ応えが印象的だ。カルナローリは「味が濃い日本米と異なり肉などの素材の味を邪魔せず、コメ粒がくっつかないので仕上がりがよくなる」(同店の近谷雄一シェフ)。

イタリア米「カルナローリ」は日本米より大粒で芯が硬い(東京都渋谷区のタロス)

実はこのコメはイタリア原産の日本育ち。石川県能美市のコメ農家、たけもと農場から仕入れている。イタリアから種もみを輸入して10年ほど前から栽培し始め、同農場の売り上げの3分の1を占める主力事業の一つにまで成長した。首都圏や県内の高級イタリア料理店から「国産の食材を使いたいが、日本米では本場イタリアの味わいが出せない」と、注文が舞い込む。

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