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カレーやリゾットを本場の米で 人気高まり国産も登場

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NIKKEI STYLE

カルナローリ、カルローズ、バスマティライス……。聞き慣れない外国米を使うエスニック料理店やイタリア料理店が増えている。インドの炊き込みごはん「ビリヤニ」、イタリア料理のリゾットなど、料理によっては外国米の方が向く。「本場の料理には現地のコメを」と使い始めている。外国産米はおいしくないとのイメージも根強いが、外国米を味わってみる機会となっている。

「バンゲラズキッチン」。JR有楽町駅近くにある南インド・マンガロール地方の料理専門店だ。カレーや炊き込みごはんのビリヤニなど、南インドの本格料理が楽しめると評判になっている。同店では2018年1月の開店当初からインド産のコメ「バスマティライス」を使う。

バスマティライスは、「香りの女王」との異名をもつ。インドやパキスタンでは高級なコメだ。見た目は「短粒種」の日本米よりも細長く、タイ米と同じ「長粒種」。食べると独特の芳醇(ほうじゅん)な香りが漂う。

「香りが良く、カレーやビリヤニのスパイスとの相性が抜群。口当たりの軽やかさが特に女性から人気だ」と、同店のバンゲラ・プラシャント代表は話す。

1月中旬、初めて来店したデザイナーの佐々木爽慧さん(30)が注文したのはバスマティライスを使った「カジキマグロのマンガロールビリヤニ」(税別1856円)。インド料理には欠かせないスパイスの一種「ベイリーフ」などをきかせて味付けしてある。

初体験のバスマティライスについて、佐々木さんは「食感が独特。パラパラしているけれど、タイ米より舌触りが柔らかくさらっと食べられる」と目を丸くする。スパイスのきいた辛めの料理好きで頻繁にタイ料理店などを訪れる佐々木さんだが「エスニック料理好きは、きっとハマるはず」と話す。

大手コメ卸の木徳神糧によると、バスマティライスと同じく香りの強い、タイの高級米「ジャスミンライス」も需要が伸びている。2019年は前年より売り上げ額が1割増えた。「外食店向けより、特に小売りが伸びており、購入するのはほとんどが女性」という。エスニック料理ブームを追い風に「アジア産米が食卓にも定着しはじめた」(同社)。

イタリア原産の「カルナローリ」にも注目が集まる。JR渋谷駅近くのイタリア料理店「Tharros(タロス)」(東京・渋谷)はイタリアの定番料理、リゾットに使っている。米国産カルローズと同じ「中粒種」で、日本米より大粒で硬い一方、味は薄めなコメだ。

カルナローリを使った料理を記者(26)も食べてみた。「サルシッシャとペコリーノサルドのリゾット」(税別1800円)だ。厚めに切った豚肉のソーセージとチーズの濃厚な味わいに加え、コメ一粒一粒のかみ応えが印象的だ。カルナローリは「味が濃い日本米と異なり肉などの素材の味を邪魔せず、コメ粒がくっつかないので仕上がりがよくなる」(同店の近谷雄一シェフ)。

実はこのコメはイタリア原産の日本育ち。石川県能美市のコメ農家、たけもと農場から仕入れている。イタリアから種もみを輸入して10年ほど前から栽培し始め、同農場の売り上げの3分の1を占める主力事業の一つにまで成長した。首都圏や県内の高級イタリア料理店から「国産の食材を使いたいが、日本米では本場イタリアの味わいが出せない」と、注文が舞い込む。

同農場の竹本彰吾社長は「洋食化が進むなか、日本のコメでは開拓できなかった市場へ販路をさらに拡大していきたい」と意気込む。

国産リゾット米も開発されている。農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が13年に開発した新品種「和(なご)みリゾット」だ。洋風料理に合うコメの国内生産が増える可能性もありそうだ。

米国産の「カルローズ」の料理も広がってきた。大分市の結婚式場「CLASSICA Bay cuore」(クラシカベイクオーレ)では、19年末からカルローズを使った「温泉パプリカの巻すし」をコース料理の一部に取り入れている。

この料理は、「SUSHI(すし)サラダ」をテーマにした料理コンテストで優勝したメニューでもある。コンテストは米国のコメ産地の団体、USAライス連合会が19年秋に開いた。イタリアなど欧州では、コメをサラダの一部として食べる料理も一般的。「カルローズは味の主張が少なく、汁やドレッシングをつけてもさらっと食べられる」(同団体)

消費者には外国米はおいしくないコメとのイメージが強く残る。冷害で戦後最大の不作となった1993年、タイ米などが緊急輸入され店頭に並んだものの、「消費者からは極めて不評だった」と、大手コメ卸の幹部は振り返る。

以来、外国米は安いコメとして一部消費者から支持されるにとどまっていた。

ただ、欧風料理やエスニック料理が広がり、外国米の見直しも始まっている。日本のコメは炊飯しておかずと一緒に食べることが多いが、海外の料理ではカレーやリゾットのようにコメに味付けして食べる料理が多い。そうした料理では日本米よりもあっさり系の外国米が向く。

ジャスミンライスやカルナローリなどは、都内の小売店で1キロ1000~1500円前後。日本米で高級品の代表、新潟・魚沼コシヒカリと比べても同等以上の価格で売られている。

日本は世界有数のおいしいコメの産地とも言われ、日本米は世界的にも評価が高い。日本食ブームが追い風となって19年はコメ輸出量が過去最多を更新したとみられる。ただ、日本米も万能とはいかない。料理によっては外国米に軍配が上がることもある。世界にはいろいろなコメがある。コメに注目してお店を選んだり、自宅で料理したりすると、食の楽しみが増えるかもしれない。(高野馨太)

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