養育費払わぬ元配偶者 銀行情報などで債権差し押さえ弁護士 志賀剛一

写真はイメージ=PIXTA
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Case:72 数年前、調停で夫と離婚した際、子どもの養育費を月に5万円払ってもらう取り決めになっていました。1年ぐらいは約束通りに払われていたものの、その後、滞るようになりました。督促しようにも携帯電話はつながらず、以前の職場に電話してみたのですが、退職してしまっており、連絡すらつかない状況です。泣き寝入りするしかないのでしょうか。

養育費の不払い、深刻な社会問題に

養育費については、このコラムのCase:5―2「慰謝料、財産分与、養育費 離婚のお金の常識」や、Case:47「『妻にも収入、養育費払わぬ』 離婚協議中の夫が主張」などでもたびたび取り上げてきました。

また、最高裁が2019年12月、全国の家庭裁判所で用いられる養育費の算定表を16年ぶりに改定し、高所得世帯を中心に養育費が増額されることが明らかになりました(ただし、算定表が改定されたというだけの事情で、一度取り決められた養育費が増額になることはないと解されているので、相談のケースとは直接関係ありません)。

一方、取り決めたはずの養育費の不払いは深刻な社会問題となっており、兵庫県明石市が養育費不払いの立て替えや、支払わない者の氏名を公表できる条例の制定を検討していると報じられ、その是非をめぐって議論になったのは記憶に新しいところです。

法改正で第三者から債務者の情報を取得

養育費の不払いは本来、強制執行手続きにより、裁判所を通じて相手方の資産から強制的に回収するのが法律の建前ですが、相手方の資産がわからない場合、強制執行のしようがありません。そこで19年5月、民事執行法が改正され、「第三者からの情報取得手続き」という新たな制度が新設されることになりました。債権回収の実効性向上の切り札として期待は大きいのですが、どの情報を得るかによって手続きの要件が異なっており、規定の仕方も複雑なので注意が必要です。

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