下の表はETFを除く追加型株式投信で金関連の投信を純資産残高でランキングし、価格騰落率などをまとめたものだ。残高首位は「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)」で、投資信託証券への投資を通じて米ドル建ての金価格に連動する。19年は14.3%値上がりした。残高2位の「三菱UFJ 純金ファンド(愛称:ファインゴールド)」は金価格に連動するETF「純金上場信託(愛称:金の果実)」に投資し、過去1年間で15.16%上昇した。このETFは現物の金の裏付けがあり、国内取引所の金価格を反映する。

金鉱株投信、値動き大きく

値上がり率の大きさが目立つのが金鉱企業に投資する投信で、残高3位の「ブラックロック・ゴールド・ファンド」や6位の「ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンBコース」の過去1年の上昇率はいずれも30%に迫り、ニューヨーク金先物の上昇率(20%弱)を上回る。組み入れている金鉱企業の株価は金相場が上昇すれば金価格より大きく上昇し、金相場が下落すれば大きく下落する傾向があるためだ。

これは金鉱企業の収益構造に秘密がある。金鉱企業の売上高は金価格にほぼ連動して増えたり減ったりする。一方、コストの大部分は大規模な採掘機械を購入した費用(固定費)の減価償却費であり、コストは長期間にわたっておおむね一定の金額になる。この結果、金価格の上昇とともに売上高がコストを大きく上回ると利益は拡大し、金価格の下落とともに売上高がコストを大きく下回ると収益が悪化する。

こうしたことから金鉱株投信の値動きは大きくなりやすい。前出の純資産残高ランキングで価格変動リスクの大きさを示す標準偏差をみると、金鉱株投信は22~23%程度と金価格連動投信(8~10%程度)に比べ2倍以上大きい。金価格が大きく上昇した19年は金鉱株投信の運用成績が金価格連動投信より良かったが、金価格が大幅に下落した13年は運用成績の悪化が目立つ。

注目記事
次のページ
リスク許容度踏まえて投資判断