日本上陸の小米から格安スマートウオッチ 心拍も測定
戸田覚の最新デジタル機器レビュー
中国のITメーカー小米(シャオミ)がついに日本に上陸した。スマホで有名なメーカーだが、炊飯器や掃除機など、家電にも進出している。今回は小米製のスマートウオッチ「Miスマートバンド4(Mi Band 4)」を詳しくレビューする。
この製品は、カテゴリーづけするのが少々難しい。アクティビティーモニター(活動量計)とも言えるし、スマートウオッチと捉えてもいいだろう。メーカーは「スマートバンド」と呼んでいる。十分に時計として役立ち、心拍の計測もできる。何より素晴らしいのが、アマゾンの直販で税込み3839円という安さ。これぞ小米らしいコストパフォーマンスと言えよう。ちなみに、小米が日本で初めて発売したスマホの「Mi Note 10」は、そこまで割安感がなく、Miスマートバンド4のほうが市場を塗り替えそうだ。
ハードウエアの完成度は高い
Miスマートバンド4は、ブレスレットタイプの製品で、バンドからはずしたときの本体重量は22.1グラムしかない。非常に軽く、毎日24時間つけていても負担を感じないほどだ。
この軽さに加え、0.95インチの有機ELディスプレーを搭載しており、非常に明るく見やすい。さすがに画面サイズが小さく文字が読みづらいが、そこは、ある程度の妥協が必要だ。
すごいのが、約2時間程度の充電で、最大20日も使えることだ。月に2度ほど充電すればずっと使い続けられるわけだ。Apple Watchは、高機能で画面も大きいが、約2日ほどで電池がなくなる(機種による)ので、その差は非常に大きい。
しかも、加速度計で歩数をカウントできるほか、心拍センサーまで備えている。つまり、時計としての利用に加えて、ずっと歩数を計測し、心拍を測り続けても20日持つわけだ。
バンドからの脱着が面倒
バッテリーの持ちは良いのだが、充電が面倒なのがこの製品の唯一と言っていい欠点だ。本体をバンドから取り外して、専用の充電アダプターにセットする必要があるのだ。その際のバンドからの脱着がとにかく固く、力の弱い女性には難しそうだ。電池が切れる前に充電するとしても、月に2回ほどの作業でいいわけだが、それにしても使いづらい。
なお、バンドは他のメーカーからも多数発売されており、11色で1880円という安価な市販品を手に入れてみたが、実用性は十分だった。やや耐久性に欠けると思われるが、価格を考えれば十分だろう。
スマートウオッチとしても合格の機能
Miスマートバンド4は、スマートウオッチとしても十分な機能を持っている。時計・心拍計・歩数計・ウオーキングやサイクリングなどのワークアウト計測・天気・スマホの通知表示・音楽のコントロール……。
Apple Watchにはさまざまなアプリが提供されており、自分でアプリを追加できる。対して、Miスマートバンド4は、搭載されている機能を使うことしかできない。それでも、日々のデータ収集としては十分。あまりこだわらずに使う方に向いている。
使い勝手も良好で、基本的には画面を上下にスワイプしてメニューを表示し、必要な項目をタップするだけだ。円形のボタンをタップすればホーム画面に戻る。
機能がシンプルなので、20~30分も利用すれば使い慣れるはずだ。特に便利なのは、「端末を捜す」機能だ。Miスマートバンド4から、スマホの警告音を鳴らせるので、スマホを家の中で見失ったとき、公園などで落としたときにも捜しやすい。
アプリの完成度が高い
Miスマートバンド4は、Androidスマホもしくは、iPhoneにアプリをインストールして連携して利用する。歩数計や運動のデータなども、アプリから確認するわけだ。
アプリは完成度が高く、もちろん日本語化されている。こちらも少し使えば慣れるはずだ。
たとえば、屋外での運動なら移動ルートが地図上に表示されるなど、完成度は上々だ。長時間駆動を生かして、睡眠のデータも取得でき、他の情報同様にアプリでいつでも確認できる。Miスマートバンド4をつけておくだけで、運動や健康に関する情報がどんどん蓄積されるのは、案外楽しいもの。3000円台なら、十分に元が取れるはずだ。なお、50メートルの防水性能があるので、水仕事や水泳でも利用できる。
Apple Watchが高くて手が出ない方も、この価格ならお試しで利用できる。また、Apple WatchはAndroidスマホでは利用できないのだが、Miスマートバンド4なら、iPhoneとAndroidスマホどちらでも使えるのがうれしいポイントだ。
1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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