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インフル、出社禁止なら手当が出る 休暇制度も要確認

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NIKKEI STYLE

今年もインフルエンザの流行がピークを迎えています。インフルエンザにかかってしまったら、安静にするしかありませんが、本人ばかりか家族が罹患(りかん)した場合に、「出社を拒否された」あるいは「年次有給休暇を取らされた」といった声を時々聞くことがあります。職場での対応は様々なようですが、感染症ということで、会社が出社を拒んだり年次有給休暇を強制的に取得させたりすることは可能なのでしょうか。人事労務コンサルタントで社会保険労務士の佐佐木由美子氏が解説します。

インフルエンザの休業手当は平均賃金の60%以上

現在、中国・武漢市を中心に新型コロナウイルスが原因とみられる肺炎が拡大して不安が広がっています。世界規模では様々な感染症が猛威をふるっており、いつ新型の感染症が拡大するかわかりません。

日本国内では、法律において一定の伝染性の疾病については就業を禁止しています。感染症のまん延を防ぐために、就業制限を行う必要があるのは、新型インフルエンザや、特定鳥インフルエンザ、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)など感染予防法の一類から三類感染症に指定されている危険性の高いもので、この時期によく見られる季節性インフルエンザは該当しません。

季節性インフルエンザの場合、従業員を強制的に休ませる法的根拠がないため、会社が出勤停止を命じる場合は、使用者の責めによるべき事由となって労働基準法第26条に基づく「休業手当」が発生するというのが原則的な考え方となります(法律で就業を禁止されている伝染性の疾病は対象外)。この休業手当は、平均賃金の60%以上(就業規則による定めがあればその額)となります。こうした対応もなく、一方的に出社を拒否して欠勤した日の給与を全額カットするのは極めて問題です。まして、本人ではなく家族が罹患したことを理由として出社を拒むことはできません。

一般的には、本人が体調を崩して仕事を休みたいと申し出るケースがほとんどです。こうした場合の欠勤を、本人が申請していないにもかかわらず、会社が勝手に年次有給休暇に振り替えて強制的に取得させられた、という話を聞くことがあります。これについては、どうでしょうか?

会社としては、本人によかれと思って、そうした処理をしている可能性も考えられますが、本人の意向も確認せず、強制的に取得させることはNGです。年次有給休暇は、あくまでも本人の請求に基づいて取得すべきものであって、インフルエンザの欠勤を強制的に年次有給休暇に振り替えることは認められません。

2019年4月から、年10日以上の年休がある従業員は5日以上取得することが義務化されたこともあり、会社としてはこの要件を満たすために、年次有給休暇を積極的に消化してもらいたいと考えています。そのため、欠勤があれば自動的に年休に振り替えて消化させる対応を取るケースもあるようなので、注意したいところでしょう。

子どものインフルエンザは「子の看護休暇」を利用できる

子どもなど家族がインフルエンザにかかった場合、看病のために仕事を休まざるを得ないケースもあります。こうしたとき、現状ではまだまだ母親である女性が休みを取ることが多いといえます。

たとえば兄弟が立て続けに感染したときは、仕事のことも心配ですが、子どもが病気のたびに年次有給休暇を使っていたら、残日数があっという間に減ってしまいます。自分自身がインフルエンザやその他の病気にかかってしまうこともありますから、休みをすべて年休でカバーするわけにもいかない場合があります。

そこで、子どもがインフルエンザなど病気になったときに、利用をできるのが「子の看護休暇」です。法律上は、子どもが1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日与えられることになっています(給与支払いの有無は就業規則の定めによる)。入社して間がなく、年次有給休暇が取れない場合などはとても助かります。そのほかにも、会社に各種休暇制度があれば、適宜使い道を考えて、休み方を工夫してみるのも一つです。

インフルエンザで働けないときは傷病手当金の活用も検討

本人がインフルエンザによって働けないときは、健康保険の「傷病手当金」制度を活用することを検討してもよいでしょう。インフルエンザに限らず、私傷病で仕事を休む場合に利用できます。健康保険の被保険者であれば、パートタイマーやアルバイトなど、雇用形態を問わず、対象となります。

具体的には、次の4つの条件をすべて満たしたときに支給されます。

健康保険「傷病手当金」制度の支給条件
(1)業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
(2)仕事に就くことができないこと
(3)連続する3日を含み4日以上働けなかったこと
(4)休業中に給与が出ないこと

私傷病であれば、必ずしも入院の必要はなく、自宅療養の期間も対象となります。仕事に就くことができない状態の判定は、療養担当者の意見などをもとに、本人の仕事の内容を考慮して判断されます。近年、在宅勤務ができる環境が広がっていますが、自宅療養と称しながら、在宅で仕事ができるような状況である場合は対象となりません。

また、傷病手当金の対象となるには、連続して3日間仕事に就けなかったことが要件の一つとなります。この3日間を「待期」と言いますが、これには有給休暇を消化した日や、土日・祝日など会社の公休日も含まれます。給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。仮に、いったん出社したものの、具合が悪くなって仕事に就けない状態になった場合は、その日を待期の初日として起算されます。

待期の3日は給与が支払われていても問題ありませんが、4日以降については給与が支給されている間は、傷病手当金の対象となりません。待期の3日間は有休を取っても構いませんが(公休日以外はむしろその方がよい)、4日目以降は有休を取っていたら(給与が100%出ているので)不支給となります。ただし、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。

傷病手当金の支給期間は最長1年6カ月

インフルエンザで休むような場合は、長期に及ぶことはありませんが、傷病手当金が支給される期間は、支給を開始した日から最長1年6カ月です。非常に手厚い手当といえるでしょう。

また、1日あたりに支給される額は、原則として次のとおりです。

1日あたりに支給される額=(支給開始日以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額)÷30×2/3

目安として、過去1年間の平均給与の67%程度とみておけばよいでしょう。

意外と知られていませんが、支給対象日に土日・祝日などの公休日が含まれるときは、その期間も対象となります。

年次有給休暇が有り余っているならよいですが、そうでない場合は傷病手当金を活用する方法もあるので、いざというときに役立ててみてはいかがでしょうか。

佐佐木由美子
人事労務コンサルタント・社会保険労務士。中央大学大学院戦略経営研究科修了(MBA)。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所などに勤務。2005年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、働く女性のための情報共有サロン「サロン・ド・グレース」を主宰。著書に「採用と雇用するときの労務管理と社会保険の手続きがまるごとわかる本」をはじめ、新聞・雑誌などで活躍。

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