転職面接は自己PRの場にあらず 企業の課題を見抜け
エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子
転職面接ではつい自己アピールに力を入れてしまいがちだ(写真はイメージ )=PIXTA
新年を迎え、「今年こそ転職する」と誓いを立てた人もいらっしゃるでしょう。そこで、今回は、転職活動をする人によく見られる「勘違い」についてお伝えします。転職活動に臨むにあたっては、「自分の経験・スキルをしっかりアピールしなければ」と思っているのではないでしょうか。もちろん、それも必須なのですが、自己アピール戦略だけに集中し、重要なことを見落としている人が多いのです。それは、「企業側の視点」「企業側のニーズ」です。
「相手企業が何を求めているか」を意識せず、自分が得意とすること、自信を持っていることを全面的にアピールした結果、「自社には合わない」と採用を見送られるケースは多々あります。本来は十分選考をクリアできる経験や能力を持っているにも関わらず、アピールポイントがズレていることで評価されなくなってしまうのです。
ですから、応募先の候補企業を選んだら、まずはその会社が「何を求めているか」に注目してみることが大切です。求人票や採用情報サイトなどを見れば、求める経験・スキルなどはある程度わかるでしょう。それを踏まえ、自身の職務経歴の中から、一致する経験、あるいは近い経験をピックアップして、面接でそれを具体的に語れるように準備しておくことをお勧めします。
「なぜ中途採用を行うのか」 採用の背景・目的をつかむ
相手企業が求める経験・スキルの情報は求人票や採用情報サイトから得られます。ところが、「採用背景」まではつかめないケースがほとんどです。しかし、採用背景をつかんでおくことで、より適切なアピールをすることが可能になります。採用背景とは、イコール「企業が抱える課題」。リーダー/マネジャークラスなどの上位ポジションを狙う方ほど、それをつかんだうえで選考に臨むことで、自分に期待されているポイントを想定したアピールができ、採用される確率が高まります。