写真撮るんじゃないの? pictureで起きやすい勘違い
デイビッド・セイン「間違えやすい英語・聞き手編」(32)picture
相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回は絵や写真を意味する単語pictureにまつわる表現をみていきましょう。
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他部署との合同プロジェクトに関するミーティングに参加したユウカとスティーブ。会議は白熱し、会議参加者たちの意見交換もとても活発になっていました。そのためか会話も早口だったので、ユウカはやや置いてけぼりとなってしまっていました。会議が終わって、スティーブとユウカは会議の感触などを述べていたのですが、スティーブのひと言を聞いて、ユウカは思わぬ行動に出ます。
それはこんな会話でした。
Steve: It was long today. We're going straight to lunch, right?
Yuka: Yes. Let me go and get my memo, hang on a minute.
Steve: Sure. Take your time.
Yuka: Everyone is really motivated this time.
Steve: Yeah, I got caught up and started talking really fast, too. Did you get the picture?
Yuka: Picture? Should I?
Steve: Well of course. Did you get it?
Yuka: I only have my smartphone, is that okay?
Steve: What are you going to do with that?
Yuka: Take a picture of the whiteboard.
日本語に置き換えてみると次のようになります。
スティーブ:このままランチ行くでしょう?
ユウカ:ええ、ちょっとメモだけ取るから待って。
スティーブ:いいよ。ごゆっくり。
ユウカ:みんなとても気合が入ってたわね。
スティーブ:そうだね、僕も早口になっちゃったよ。内容はわかった?
ユウカ:え? そうしないとダメかな?
スティーブ:もちろんだよ。大丈夫?
ユウカ:スマホしかないけど、いいかしら?
スティーブ:スマホで何するの?
ユウカ:ホワイトボードの写真を撮るの。
これは、会議が終わってすぐの2人の会話です。どの部署のスタッフもとても気合が入り、ホワイトボードやプロジェクターを用いた、とても充実した内容の会議だったようです。ユウカは会議に少しついていけず、内容を忘れないうちにメモをとることにしたのですが、そんなユウカの様子を見て、スティーブはフォローしようとします。そのスティーブの発言を聞いてユウカは写真を撮るためにスマホを取り出します。その行動を不思議に思ったスティーブがユウカに理由を尋ねたところで、どうやらスティーブのかけた言葉から誤解が起きていたことが判明しました。