2020/1/27

カリスマの直言

草刈貴弘氏(左、撮影:竹井俊晴)

草刈 個人的には浮体式洋上風力発電やバイオマス発電に期待したいです。風力発電は素材も重要であり、構成部品点数も多い。内燃機関の自動車の次で、EV(電気自動車)の倍ぐらいですから大きな産業に育つ可能性があります。産業の裾野の広さ、雇用の創出ということを考えれば、第2の自動車産業になることも考えられます。

巨大な洋上風車を作るには、日本のモノづくりが試されるでしょう。建設技術はもちろん、造船の技術なども生かせますから、現在は厳しくなっている産業からの技術や雇用の移転も期待できる。

バイオマス発電が普及すれば、手付かずになっている森林資源を有効活用できます。森を手入れすれば川はもちろん海も豊かになっていきます。地熱発電や温度差発電だってやりようはあります。

澤上 他にも家庭用燃料電池を普及させれば、分散型電源時代に世界に先掛けて移行できる。燃料電池はLNG(液化天然ガス)や水素を使うが、エネルギー効率は80%台と、極めて省エネ型の電源に仕上がっている。日本のお家芸である技術集積で、新しい輸出産業に育てられる。

草刈 話をしているとわくわくするほどの技術が日本にはあるのに、もし既得権益のせいで前に進めないのであれば、何とももったいない話です。

これからは地方が中央に頼らず自ら動かなければならない時代。このような技術の芽が民間にあるなら、官には余計な手出しを控えてもらい、民で育てて伸びるような支援をしたら面白くなりますね。

澤上 そうなのよ、例えば地産地消をベースにすれば、地方で再生可能エネルギーをいくらでも開発できる。送配電といった電力会社の制約もないし、資金だって地元の預貯金を動員すればいいのだから。

澤上篤人
 1973年ジュネーブ大学付属国際問題研究所国際経済学修士課程履修。ピクテ・ジャパン代表取締務めた後、96年あえてサラリーマン世帯を顧客対象とする、さわかみ投資顧問(現さわかみ投信)を設立
草刈貴弘
 2008年入社。ファンドマネジャーを経て13年から最高投資責任者(CIO)

[日経マネー2020年2月号の記事を再構成]


日経マネー 2020年 2 月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP
価格 : 750円 (税込み)


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