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厳選素材の味と見た目を楽しむフレンチ 東京・北参道

2020/1/27
「イノシシの肩ロースのロースト」は脂ののった軟らかな肉質のメスのイノシシ
「イノシシの肩ロースのロースト」は脂ののった軟らかな肉質のメスのイノシシ

東京・北参道の裏路地にひっそりとたたずむフレンチの名店「L’Octave Hayato KOBAYASHI(ロクターヴ ハヤト コバヤシ)」。店名の「ロクターヴ」は音楽用語のオクターヴに由来し、音の組み合わせによってさまざまなジャンルの曲が誕生するのと同様に、食材を使って自身にしか生み出せない味を奏でたいとの思いを込めたという。

Summary
1.パリの数々の星付きレストランで修業したシェフが腕を振るう
2.手間暇かけて完成させるジビエ料理は心を奪われる味わい
3.繊細でアーティスティックな見た目のメニュー

シェフの小林隼人さんは西麻布の名店「ザ・ジョージアンクラブ」(現在は閉店)で基礎を学んだ後、帝国ホテルを経て渡仏。

「Restaurant Jacques DECORE(ジャックデコレ/現Maison Decoret)」を皮切りに、「Restrant Une Table, au Sud(ユンヌ ターブル オ シュド)」、「Une Auberge en Gascogne(ユンヌ オーベルジュ アン ガスコーニュ)」、「Restaurant Mirazur(ミラジュール)」、「Flocons de Sel(フロコン ドゥ セル)」とあまたの星付きレストランで研さんを積んできた。

北参道の地に「L’Octave Hayato KOBAYASHI」をオープンしたのは、2015年9月のこと。以来、盛り付けで遊んだり、ユニークな食材の取り合わせを試みたりすることで、客に笑顔や驚きを与え続けている。

小林さんの手にかかると、ジビエとワインのハーモニーもひときわ洗練されたものになる。

この時期のおすすめは脂ののった軟らかな肉質のメスのイノシシ。血抜き処理が万全な富山県産のイノシシを使い、フライパンとオーブンで交互に火入れして、「イノシシの肩ロースのロースト」を完成させていく。

イノシシ肉の外側はフライパンでしっかり焼いて香ばしさを出す

火入れの回数たるやなんと10回以上。外側はフライパンでしっかり焼いて香ばしさを出しつつ、内側の赤身の美しさは均一に保たれるよう、オーブンへの短時間の出し入れの後には、肉を寝かせる時間も作る。

完成したプレートに横たわっているのは、見ほれるほどジューシーでしっとりした赤身肉。ナッツのような香ばしさを放つその肉は口に含むと驚くほど軟らかく、すーっと溶けていく。

シンプルに塩コショウのみで焼き上げているため、肉本来の味わいが口いっぱいに広がり、うっとりした気分。骨やすじを煮出して作った「ジュ」は味を後押ししてくれる程度で十分、という小林さんの言葉にも納得である。

付け合わせはていねいに火を入れた甘長シシトウ、白マイタケ、ヒラタケとバターナッツのピューレ。木の実に似た香ばしさを持つイノシシはバターナッツとも相性抜群だ。

もちろん、ジビエ以外の料理もメロディアスで心を打つものばかり。

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