行政府のデジタル化、どう進める シロウト目線で考えるリブロ汐留シオサイト店

メインの平台上の面陳列コーナーの最上段に展示する(リブロ汐留シオサイト店)
メインの平台上の面陳列コーナーの最上段に展示する(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。11月から年末にかけて出た話題のビジネス書が売れ筋上位に並び、年明けの店頭はにぎわいを見せている。そんな中、書店員が注目したのは、カリスマ編集者が次世代の行政府のあり方を考えたムック本だった。

元「WIRED」日本版編集長が責任編集

そのムックは若林恵責任編集『NEXT GENERATION GOVERNMENT 次世代ガバメント 小さくて大きい政府のつくり方』(発行・黒鳥社、発売・日本経済新聞出版社)。若林氏は2012~17年、「WIRED」日本版の編集長を務めた編集者。メディアを問わず「社会を再想像する」様々なコンテンツを制作するレーベル、黒鳥社を立ち上げ、多彩な活動を繰り広げている。18年に同様のムック本『NEXT GENERATION BANK 次世代銀行は世界をこう変える』を黒鳥社レーベルで刊行、本書はこれに続くものだ。

いずれもテーマはデジタル化だ。前著の制作中から「『銀行』のデジタル化というテーマは、考えれば考えるほど行政府のアップデートとセット」になっていると感じていたと語る。「ほかのあらゆる領域のデジタル化(いわゆるDX=デジタルトランスフォーメーション)も行政システムと足並みを揃(そろ)えてトランスフォーメーションしないことには本質的な変革にならないことが見えてきた」とは、編集後記での述懐だ。

ところが、ガバメントのDXをどう構造化して示すのか、考えてもなかなかうまくいかない。そこでとられたのが「ランダムな点のネットワークとして提示する」という編集方針だ。本文の大半を「仮想雑談」と銘打ったランダムな対話が占める。シロウトである編集者自身がこの雑談を通じて、多様な論点やヒントになる海外の事例を、それこそ連歌を巻くように紡いでいく。その合間に考える素材となる1ページコラムが32本差し挟まり、巻末に行政のDXに関わる海外の実践者や国内の識者5人との対話と、アイデアソース85のリストがつく。

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