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なぜ40~50代に2つの谷 ミドルのキャリア停滞感

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日経ARIA

「今の会社が嫌というわけじゃない」「新しいことに挑戦する機会が減った」「自分の成長が止まってきた」「若手主軸の職場で私の居場所はあるのかな」――中高年世代が抱くこうした「キャリアの停滞感」をどう乗り越えればいいのか。何千人もの会社員を対象に調査分析をしてきた法政大学大学院政策創造研究科教授・石山恒貴さんとパーソル総合研究所主任研究員・小林祐児さんが「自分の価値を高める働き方」を説きます。

職場のお荷物には絶対になりたくない

「入社から20数年いろんなことがあったけど、いつもできることを精いっぱいやってきたつもり。今の会社が嫌というわけじゃないし、仕事もそれなりにうまくやれていると思う。でも最近は、新しいことに挑戦する機会も少なくなってきて、なんとなく成長が止まっている気がして……」

「だんだんと主力メンバーが若手に移っていく職場で、肩身の狭い思いをすることもあって、焦るよね」

「このままなんとなく定年までいていいのかな……。職場のお荷物には絶対になりたくないんだけど。思い切ってライフシフトしたいとも思うけど、今の仕事にも職場にも愛着あるし、新しく別の仕事を始める、という気にはならないのよね」

「収入は安定しているからとりあえず今の組織にはいるけど、50代になっても60代になっても、ここに私の居場所はあるのかな。私は生き生き働き続けられるのかなって不安になる……」

――この会話を読んで、「私と同じだ」と感じた人はどれくらいいるだろうか。40~50代は、組織の中でメンバーたちを支える管理職として、あるいは頼りがいのあるベテランとして現場を支える存在なはず。ところが、どことなくマンネリ化して成長を感じられず、「このままでいいのかな」と、キャリアの停滞を感じる人も少なくない。

こうした「キャリアの停滞感」をどう乗り越え、10年、20年働き続けるためにはどうすればいいのか。ミドル・シニア層のキャリア躍進について、4700人の会社員を対象とした調査分析をもとに記された『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(ダイヤモンド社)の著者である法政大学大学院 政策創造研究科教授 石山恒貴さんとパーソル総合研究所 主任研究員 小林祐児さんにキャリアの転機とその乗り越え方について話を聞いた。

会社員の「キャリアの停滞感」には理由がある

石山さん  20代前半から組織の中で働き続けてきた40代、50代の多くが、急に成長が止まったような「キャリアの停滞感」に見舞われます。大規模調査による分析で、この「停滞感」は単なる個人のモチベーションの問題ではなく、そう感じさせてしまう構造的な理由がある、ということが見えてきました。

小林さん  40~50代の「仕事上の活躍度」を表した下のグラフを見てください。

40代、50代で右肩下がりに落ちています。特にガクッと下がっているポイントが、40代半ばと50代前半です。

活躍度が下がる第一の谷は40代半ば 理由は?

石山さん 第一の谷は40代半ば。これは「キャリア停滞の分かれ道」にあたります。

多くの日本企業では未経験者を新卒採用し、異動や転勤を通じてさまざまなキャリアを経験させ、折に触れ一斉研修を行って同期を競わせながら、長い期間をかけてゼネラリストを育てていくようなマネジメントをしてきました。働く側とすれば、長期間にわたってさまざまな経験を積むことで、スキルが身につき、少しずつ昇進もかなうので、成長感もあり、とにかく与えられた目の前の仕事に精いっぱい取り組んで成果を出すことに集中していれば良かったわけです。

ところが、40代に入った頃から環境が激変していきます。ふと見回すと、同期トップとの間には無視できないほどの差が生まれている。会社が右肩上がりに成長する時代は終わり、管理職ポストは増えず、これ以上の昇進のチャンスは見込めそうにない……。そこで、はっきりと「キャリア停滞の分かれ道」を実感するのです。

小林さん 以前はこうした「出世競争」は男性正社員だけのものでしたが、男女雇用機会均等法以降は、多くの女性たちがさまざまな面で不利な状況に見舞われながらも、男性と同じ「長いマラソンレース」を駆け抜け、今、40代、50代を迎えています。

同期全員横並びで20年近く競わせる「長い育成期間」が終わった40代以降、昇進のはしご、成長のはしごが見えなくなると、嫌でも「終わり」を意識させられます。調査でも45.5歳で「キャリアの終わりを意識する」人の割合が逆転することが分かりました。

終わりを意識し、「会社人生こんなはずじゃなかった」とモチベーションが低下するのが第一の谷の40代半ばというわけなのです。

50代に陥る最大の「キャリアの谷」とは?

小林さん 第2の谷の50代前半で起きるのは、ポストオフ(役職定年)です。

ポストオフとは、ある決まったタイミング(年齢)で、後進に道を譲るため、その時点での役職を退任する仕組みです。制度として「55歳で役職定年」などと定めている企業もありますが、担当部長、専門職など部下のいない管理職になる、関連会社へ出向となるなど「第一線から外される」ことが暗黙の了解とされている非公式ポストオフというケースもあります。

役員などに昇進する人以外のほとんどの管理職が対象となるこの仕組み。会社にフルコミットし、長年活躍を続けてきた部長、課長たちが「年齢」によって、一律的に「若手の支援に徹してほしい」というような扱いを受けるのは、大変ショックなことです。当然、モチベーションも会社への信頼感も著しく低下します。ポストオフ経験者への調査では「やる気が全く出なくなった」「会社に裏切られた気分」「廃人になりそうだった」「夜眠れなくなった」「あっけにとられた」など、4割弱の人が大きな喪失感を訴えていました。

石山さん 問題は、こうした大きな喪失感、失望感を与えるポストオフから、長い人では10年も15年も同じ職場で働き続けなければならない、ということです。

60歳定年の時代であれば、55歳にポストオフとなっても、5年後には定年退職。ところが、今は定年延長、定年再雇用が増え、65歳、70歳まで働くケースもありえます。ポストオフという雇用慣行はそのままに、退職までの期間が10年、15年と延長しつつあるところが構造的な問題となっているのです。

昇進意欲がない人にも訪れる「キャリアの停滞感」

小林さん 「もともと昇進は見込めないし、出世にこだわりはないし……」という方もいるかもしれません。そんな人にも「キャリアの停滞感」は訪れます。出世競争やポストオフなどがない専門職の人でも同じ仕事を15年、20年やってきて、仕事はしっかりと回せるようになってしまったが故に成長を感じられず「キャリアの停滞」を感じる人は多くいるからです。

石山さん  15年、20年と長期的に同じ仕事を続けてきた人に訪れるマンネリ化、成長感の欠如というのは、大企業の男性社員だけでなく、誰にでもあること。

心理学者であるカール・グスタフ・ユングは「40代からは人生の前半と後半の入れ替わりの時期である」として「人生の正午」と言ったそうですが、人生100年時代では、人生を1日にたとえるなら、50代からが正午といえるかもしれません。女性の場合、さまざまなライフイベントが起きる20代、30代を経て、「今後、自分はどう生きるのか」と改めて自分に向き合う時期とも重なってきます。

ですが、考えてみると「もう終わり」ではありません。「まだ半分もある」のです。残り半分の長い道のりをどう歩んでいくのか。「キャリアの停滞」は、それを考えるための「転機」と捉えるべきでしょう。

石山恒貴
法政大学大学院 政策創造研究科教授。一橋大学社会学部卒業後、NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。「越境的学習」「キャリア開発」「人的資源管理」などを研究。産業能率大学大学院経営情報学研究科経営情報学修士課程修了、法政大学大学院政策創造研究科政策創造専攻博士後期課程修了、博士(政策学)。人材育成学会理事、フリーランス協会アドバイザリーボード。主な著書に『パラレルキャリアを始めよう!』、『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(ともにダイヤモンド社)など。
小林祐児
パーソル総合研究所シンクタンク本部リサーチ部 主任研究員。NHK放送文化研究所世論調査部スタッフ、マーケティング・リサーチファームを経て、現職。上智大学大学院・総合人間科学部社会学専攻博士前期課程修了。専門は、理論社会学、社会システム理論。主な著書に『残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?』(共著、光文社新書)など

(取材・文 井上佐保子、写真 小野さやか<石山さん、小林さん>)

[日経ARIA 2019年8月27日付の掲載記事を基に再構成]

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