いつものティータイムが華やかに 老舗マグカップ10選
ちょっとぜいたくな時間を演出する老舗ブランドのマグカップ。日経ウーマノミクス・プロジェクトの女性会員108人に、自分が使ってみたいマグカップを選んでもらった。
1位 ウェッジウッド
「ワイルドストロベリー カジュアル 蓋付きマグ」1320ポイント
野イチゴの柄、ティータイム華やか
1759年に創業。ぬくもりのある乳白色に定評がある。蓋付きマグは2019年に創業260年を記念して発売した。ブランドへの信頼感と使い勝手のいい定番柄のバリエーションに支持が集まった。
「ワイルドストロベリー カジュアル」は、野イチゴと花と金彩を組み合わせた代表柄から金彩を抜いて電子レンジに対応したデザイン。伝統的な「転写」技法で絵付けをしている。「ティータイムの気分を華やかにしてくれる。眺めているだけで気分が上がる」(50歳)、「一日中どんなシーンでも使える」(48)などの声が寄せられた。
蓋は茶葉を蒸らしたり、小皿やコースターとして使ったりできる。「濃いめのミルクティーを注ぎ、優雅なひとときを楽しみたい」(55)。蓋の裏側まで柄を施してあるのも好評だった。
(1)希望小売価格またはネット直販価格(税込み) 1個8250円(2)問い合わせ先 電話03・6380・8159(ウェッジウッド)(3)電子レンジ・食洗機への対応 可
2位 ニッコー
「スパングルス マグ」870ポイント
キラキラ、友人と楽しむ金の絵付け
ニッコーは1908年、旧加賀藩主の前田家などの出資を受け、金沢市で「日本硬質陶器」として創業した。キラキラと華やかなスパンコールの柄が特徴で、絵付けに本物の金やプラチナを使っている。「カラフルで友人が来たときに盛り上がりそう」(33)
日本産業規格では、ボーンチャイナには動物の骨などを原料にしたリン酸三カルシウムを質量の3割以上使うよう規定している。ニッコーではこれを約5割使い透明感を高めた。ハンドルは幅が狭めで、女性が指を2本入れてもしっくりくる設計になっている。すべて石川県の自社工場で製造している。「軽くてかわいい。ティータイムが楽しみになる。価格も手ごろ」(28)。一方で「電子レンジ不可はマイナス点」(42)との声も。
(1)4400円(2)電話076・276・2172(ニッコー)(3)電子レンジ不可・食洗機可
3位 ロイヤルコペンハーゲン
「ブルーフルーテッド プレイン ハイハンドルマグ」830ポイント
手描きの青、伝統の「プレミアム感」
1775年にデンマークの王立製陶所として設立。「飽きの来ないデザイン。落ち着いて大人の時間を楽しめる」(44)、「憧れのブランド。一人の時間がぜいたくになる」(56)など伝統からくる「プレミアム感」が支持を集めた。
老舗でも転写紙から絵柄を写す手法の製品が多いが、職人が野菊などを手描きしている。「手描き模様がシンプルで美しい」(55)。ハンドルの使いやすさも評価が高い。古代ローマのオリーブ油のつぼから発想し、熱いカップに指が直接触れない形状だ。
(1)1万3200円(2)電話0120・665・827(ロイヤルコペンハーゲン)(3)電子レンジ・食洗機可
4位 ビレロイ&ボッホ
「ニューウェイブカフェ マグ」 680ポイント
ハンドル、目を引くデザイン
1748年にロレーヌ公国(現フランス領)で創業し、1836年にドイツで2つの創業家が現在の会社を設立した。飲み口の部分がハンドルへとつながっていく個性的なデザイン。「デスクにあったらインスピレーションがピピッときそう。奇抜すぎないデザインがいい」(55)、「目を引くデザインだが使いやすそう」(52)。
(1)4400円(2)電話03・3847・6860(エッセンコーポレーション)(3)電子レンジ・食洗機可
5位 リチャードジノリ
「オリエンテイタリアーノ チトリーノ フタ付きマグカップ」610ポイント
蓋付きで容量たっぷり
1735年にイタリアの貴族が創設。フィレンツェ製にこだわる。同グループの高級ブランド「グッチ」のデザイナーがプロデュース。黄水晶をイメージした黄色に、紺色のカーネーションなどを絵付けした。容量が400ミリリットルと多め。「長く飲めて冷めにくい」(32)。
(1)1万7600円(2)電話03・3222・1735(リチャードジノリ・アジアパシフィック)(3)電子レンジ可・手洗い推奨
6位 アラビア
「パラティッシマグ0.35Lカラー」570ポイント
爽やかなフルーツ柄で気分転換
フィンランド・ヘルシンキ郊外のアラビア地区で1873年に創業。「パラティッシ」はフィンランド語で「楽園」の意味で、同国の著名陶芸家がデザインした。リンゴやブドウなどの明るい色柄と約350ミリリットルの容量が好評。「爽やかなデザインでティータイムのリフレッシュに」(35)。価格も手ごろで「普段使いにいい」(50)。
(1)4180円(2)電話0120・588・825(アラビア)(3)電子レンジ・食洗機可
7位 フッチェンロイター
「エステール マグ」560ポイント
透かし彫り 繊細な装飾
1814年、ドイツ南部のバイエルンに絵付け工房として創業。バイエルンの象徴であるライオンがシンボルマークだ。流し込みで作るハンドルの透かし彫りやカップの側面から底面まで続くレリーフなど繊細な装飾が特徴。「デザインが凝っているのに価格が手ごろ」(39)。「優雅な気分のときに使いたい」(35)との声も。
(1)4400円(2)電話03・6810・7997(ローゼンアンドコー・ジャパン)(3)電子レンジ・食洗機可
8位 ケーラー
「ハンマースホイ マグカップ」520ポイント
シンプルで、毎日使える安心感
1839年の創業。著名な画家の弟で陶芸家のスベン・ハンマースホイが20世紀初頭に手掛けた作品を基に、デザインしている。一つ一つ異なるうわぐすりの表情も特徴。「深い色合いで気分が落ち着く」(44)、「シンプルだが飽きのこないデザインで毎日使える安心感がある」(40)。インディゴ=写真=など全4色。
(1)3960円(2)電話03・3543・3453(スキャンデックス)(3)電子レンジ・食洗機可
9位 エインズレイ
「エリザベスローズピンク ヨークマグ」350ポイント
エリザベス女王即位50年で復刻
1775年に英国で創業。「エリザベスローズ」はイングランド国花のバラの図柄を創業当時と同じ手法で転写したシリーズ。もとは1801年に国王ジョージ3世が注文した柄で、エリザベス女王即位50年を記念し2003年に復刻した。飲み口が薄く口当たりがいい。「一目でかわいいと感じた。紅茶でもコーヒーでも使える」(32)。
(1)4400円(2)電話03・6304・5018(エインズレイ)(3)電子レンジ・食洗機可
10位 スポード
「クランベリーイタリアン マグ」330ポイント
絵画のような柄、伊万里焼にルーツ
1770年に英国で創業。1816年から製造販売する代表柄を、クランベリーの華やかな赤に変えたシリーズ。マグは2010年に発売した。イタリアの遺跡と伊万里焼ルーツの模様が描かれ「ヨーロッパ絵画のようで見ていて楽しくなる。白地に赤一色でシンプルでモダンに見える」(43)、「オン・オフ問わず使えそう」(33)。
(1)3850円(2)電話0467・87・7876(ホワイトシティージャパン)(3)電子レンジ・食洗機可
マグカップは和製英語
今回ランクインした名窯(めいよう)は、英国、ドイツ、北欧発祥のブランドが多い。ただ、最近は食器メーカーの再編が激しい。ウェッジウッド、ロイヤルコペンハーゲン、アラビアはいずれもフィンランドのフィスカースグループ、フッチェンロイターは有力食器メーカーのローゼンタールが所有している。創業地で製造し続けるブランドも多いが、タイや中国で製造するなど原産国もグローバル化してきた。
「マグカップの形は古代からあるが、現在のような形とマグという呼称が広まるのは18世紀半ば以降」(西洋陶磁史家の大平雅巳氏)。輸入陶磁器を扱うホワイトシティージャパン(神奈川県茅ケ崎市)の佐伯精三氏によると、老舗ブランドは日本では長らくティーカップセットがギフトとして人気だったが「マグカップの比重が高まり自分用に購入する人も増えた」。ロイヤルコペンハーゲンでは日本のために約10年前、マグカップを定番化したほど。ちなみにマグカップは和製英語で、英語ではマグ。
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[NIKKEIプラス1 2020年1月18日付]
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