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月経・血液を上手に管理 健康に働くためのTODOリスト

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NIKKEI STYLE

日経ウーマン

日経BP総研メディカル・ヘルスラボと一般社団法人ラブデリが実施した働く女性1000人の健康アンケートで、働く女性の心と体の実態が浮き彫りに。人生100年時代に、どうすれば長く元気に働き続けることができるのかを専門家に聞きました。

栄養不足や生理痛で「働き続ける自信」が低下

調査では、働き続ける自信のある人ほど健康に自信があった。調査を監修したラブテリ代表の細川モモさんは「国内外の調査でも、ヘルスリテラシーが高い人・職場ほど生産性や業績、エンゲージメントが高い」と語る。健康を守るスキルがある人が、長く働ける自信が持てる、ということだ。

一方、自信がない人たちの記述で頻出したのが「疲れが取れない」「気力がない」というワード。「この背景にあるのは栄養失調。ダイエットや忙しさから必要な食事量が取れていない」と細川さん。栄養不足でエネルギーを作れないから疲れが取れず、脳もエネルギー不足になって、メンタルもダウン。「特に深刻なのが鉄不足」と細川さん。貧血のない鉄欠乏の「隠れ貧血」は国の調査では約4割もいる。鉄はエネルギー産生に必須。不足すれば疲れに拍車がかかる。

8割の人が月経に問題を抱えていることも際立った。「生理痛の原因が子宮内膜症であることも多く、それが不妊やがんにつながることもあるが、放置している人が多いのは問題」と産婦人科医の佐藤雄一さん。離職理由に「不妊」が多いことからも、予防は重要だ。

栄養を血液に十分量含ませてエネルギーを体中に満たすこと。月経トラブルを解消すること。産みたいと思ったときに産める体に整えておくこと。長く元気に働くためのポイントが見えてきた。

調査主体:日経BP総研メディカル・ヘルスラボ、一般社団法人ラブデリ
調査期間:2019年4月~5月
調査対象:日経WOMAN/日経ヘルス読者クラブの登録者、日経doors、日経DUAL、日経ARIAの読者
有効回答人数:1027人
調査方法:ウェブアンケート

「働き続ける自信あり!」は全体の7割

働き続ける自信が「ある」「まあある」と答えた人は合わせると約7割。「私たちがこれまで行ってきた全国平均のスコアと比べると、正社員率が高いためか、WOMAN読者の調査結果は極めて優秀」と細川さん。

「自信なし」はこんな人(読者の声)
○今でも年々気力が落ちている。子供ができたときに、同じように働ける自信がない
○出産後、生理痛やPMSがひどくなって、体力が持たない
○これから迎える更年期、どんな症状でどれぐらい仕事に影響するのか不安

8割強が月経に問題あり!

半数以上の人が生理痛や「月経前症候群(PMS)」に悩むなど、約8割の人になんらかの月経トラブルがあった。しかし、そのうちの約4割(38.3%)は「治療を受けていない」と答え、症状を放置している人は少なくなかった。

「月経に問題あり」はこんな人(読者の声)
○生理痛で毎月2日は休んでいるし、出社できたとしても遅刻している
○仕事の日と生理が重なるとパフォーマンスが落ちる…

3割が貧血あり

健康診断を受けている社員のうち6割が貧血の検査を受けており、貧血と診断されたことがある人は約3割いた。一方、貯蔵鉄(フェリチン)検査の受診経験者は18%だった。「フェリチン不足の「隠れ貧血」の人も多いと予想できる」と細川さん。

「貧血あり」はこんな人(読者の声)
○隠れ貧血の指標のフェリチン値も、会社の健康診断の検査項目に入れてほしい

「健康に自信あり!」の人は…

1 生産性が高い

健康状態に自信がある人ほど、仕事の生産性に対する自己評価が高かった(10点満点中平均9点)。一方、健康に自信がない人ほど生産性が低い(6点)結果に。

生産性の自己評価
「自信あり!」の人は9点/10点
「自信なし…」の人は6点/10点

2 離職率が低い

健康に自信がある人ほど「離職した」「離職を考えたことがある」ことが少ない事実も判明。「企業が仕事と健康を両立できる支援を行えば、離職防止につながる」と細川さん

3 長く働く自信がある

健康に自信がある人では「長く働ける自信がある」「まあまあある」の合計が88%に達したが、健康に自信がない人で長く働く自信がある人は16%にとどまった。

Q.「働き続ける自信がない」理由は?(読者の声)
○出産や加齢に伴って風邪を引きやすくなるなど、体調をくずしやすくなった
○産後の体調不良をずっと引きずっている。子供優先の毎日で自分の食事は二の次
○仕事が忙しすぎて帰宅時間も遅く、運動や自炊に十分な時間が取れない
○大きな病気がなくても、不眠や疲れなどから気力がもたないと思う
○冷え性や生理痛がひどく、定年まで元気でいられる自信がない
○切迫流産で休職した後、復職したものの、今後、妊娠できるか不安

不妊やPMSなど女性特有の不調の合計は31.9%で、睡眠障害の13%より多い。「月経に対するセルフメディケーションができていない」(佐藤さん)ことが、健康を脅かし、離職にもつながる。

【細川さんコメント】最も多い不調「疲れ」の背景にあるのは「栄養失調」です

【佐藤さんコメント】女性特有の症状は、月経に対するリテラシー強化で解決できます

「長く元気に働ける!」ために必要な3つのポイント



1 月経コントロール
毎月の痛み、PMSのイライラを解消!

2 血液の質を改善
疲れ、うつっぽさを解決!

3 いつでも元気に妊娠、出産できる体になる
不妊、妊娠中、産後のトラブルを予防!

長く元気に働ける人になるTO DOリスト

「月経コントロール」「血液の質の改善」「妊娠・出産できるカラダづくり」が元気に働ける3要素! そのためにやるべきことを紹介します。

最もリターンが大きいのは健康への自己投資!

女性の健康を阻害している3大要素は、「月経トラブル」「栄養失調」「不妊と産後の不調」と分かった。ならば、月経をコントロールし、血液に栄養を満たし、望んだときに妊娠できて産後のトラブルがない体づくりに努めれば、「長く元気に働ける」はず。

「そのための大前提は食事、睡眠、運動。特に朝ごはんをしっかり食べる人が幸福度も生産性も収入も相対的に高いことが分かっている。1日3食欠食せず、7時間寝て、エスカレーターの代わりに階段を上るくらいは頑張ってみて」と細川さん。次からの「TO DO」をプラスして「健康度」を上げれば、幸福度も収入もアップする!? それは、最もリターンの大きい自己投資でもある。

【1.月経コントロールのTO DO】毎月の痛み、気分のムラを解決!

「生理痛がある」のは異常がある知らせ?

毎月やって来る生理痛。おなじみの痛みだからといって、我慢したり、鎮痛剤を飲んでやり過ごしたりしている人が多いようだが「生理は痛みがないのが普通です。ある場合は子宮内膜症や筋腫などの病気の可能性が」と佐藤さん。「生理痛がある人は内膜症のリスクが2.5倍になり、不妊症のリスクも上がる。出血が増えたとき、周期が乱れたときも普通と思わず、病気がないか、婦人科で検査を受けて」。

Q.そもそも…なぜ月経トラブルが多いの?
A.「現代女性は月経回数が多いから」

初潮の平均年齢が16歳、平均出産回数が6回だった戦前女性の生涯月経回数は50回ほどといわれる。対して、12歳で初潮、出産は2回以下の現代女性の生涯月経回数は450~500回。月経トラブルのリスクもその分高まる。

【TO DOリスト】
○かかりつけの婦人科を持つ
「かかりつけの婦人科を持てば、月経について定期的なチェックも受けやすい。軽い症状でも足を運びやすくなる」と佐藤さん。

○痛み、不正出血は検査が必須
月経トラブルの裏には筋腫や内膜症など、不妊リスクを高める疾患が隠れていることも。すぐに婦人科の受診を。

○朝ごはんを必ず食べる
血糖値と女性ホルモンは連動しており「朝食欠食率が高い人は生理痛や排卵障害を患うリスクが高いという研究がある」(細川さん)。

○ピルの使用を検討してみる
「鎮痛剤を常用するくらいなら、低用量ピルの服用を勧めたい」と佐藤さん。月経の量や周期を調整し、生理痛やPMSから解放される。

ピルにまつわるQ&A

Q.どのように飲むの?
A.最大120日、毎日1錠

1カ月に一度出血を起こす28日間投与(内4~7日分は偽薬)タイプから、3~4カ月に1度にする最大120日間連続投与のタイプまである。生活スタイルや症状に合わせ、医師と相談のうえ選択を。

Q.いくらかかる?
A.1カ月2000~3000円

1シート(1カ月分の錠剤)は保険適用でも自己負担の場合も2000~3000円が目安。自己負担の場合は医療機関やピルの種類によって差がある。子宮内膜症や月経困難症がある場合は保険適用の対象。

Q.不妊にならない?
A.かえって不妊のリスクを下げます

「不妊の原因である内膜症の予防や過多月経による貧血を改善する。月経不順の場合はホルモンバランスの崩れも防ぐ」と佐藤さん。不妊治療の一環でピルを使い、月経周期を整えることもある。

Q.リスクはないの?
A.血栓には注意が必要

ピルに配合される女性ホルモン「エストロゲン」は血液を固める作用があるため、頻度は低いものの、血栓症のリスクを高める。特に40歳以降ではリスクが高まるので、医師のチェックを受けながら服用して。

【佐藤さんコメント】「ピルで痛みや過多月経は改善します」

【2.血液の質を改善するTO DO】疲れないカラダ、うつにならないメンタルへ!

取れない疲れ、うつっぽさは栄養失調のせいかも!

「朝起きられない、気力が湧かない、メンタルのアップダウンが激しいといった心身の不調の背景には、栄養失調が疑われる」と細川さん。欠食やダイエットなどでエネルギー不足になっている女性は多く、当然ながらパフォーマンスは落ちる。また、月経がある女性は特に鉄欠乏になりやすく、「貧血は疲労や体力低下だけでなく、メンタルにもダメージを与える」(細川さん)という。いい血液のためには、栄養が重要!

【TO DOリスト】
○手のひら一盛りの肉や魚を食べる
鉄とともに血液の主材料となるたんぱく質も、女性に不足しやすい栄養素。「1食に手のひら一盛りの肉や魚、卵を食べること」と細川さん。

○白い米・パンは控える
「主食は、精製された白いパンや白米より、ミネラルなどの栄養価が高い未精製の全粒粉パンや玄米などに置き換えを」(佐藤さん)

○年に1度は血液検査を
血液中の鉄の指標「ヘモグロビン値」と貯蔵鉄の指標「フェリチン値」の検査を。「ヘモグロビンは12以上、フェリチンは諸説あるが妊娠前に50は必要といわれている」(細川さん)。

○鉄強化食品を食べる
「鉄が添加されたドリンクや菓子などが多数あるので、うまく取り入れて」(細川さん)

○食品の種類を増やす
ビタミンやミネラル、たんぱく質は互いに助け合って吸収される。「食品の種類をできるだけ増やしたい。1皿料理より定食を」と佐藤さん。

栄養強化にまつわるQ&A

Q.何をどれぐらい食べればいい?
A.3大栄養素を4:3:3の割合に

3大栄養素の摂取バランス目安は「炭水化物6、たんぱく質2、脂質2」といわれてきたが、「炭水化物過多! 4:3:3がおすすめ」と佐藤さん。肉・野菜・ご飯は同量ずつが目安。

Q.太りたくない場合は?
A.朝を多め、夜を少なめに

「活動をスタートさせる朝を多めに、活動量が落ちる夜を軽めにすれば問題なし。実際に朝ごはんをしっかり食べる人のほうが体脂肪やBMIは低い」と細川さん。

Q.朝は忙しい!どうしたら?
A.缶詰やレトルトを常備して

「『ご飯+納豆+じゃこ+卵+かつおぶしのせ』プラス前夜の味噌汁の残りがあれば十分! 果物があれば完璧」(細川さん)。缶詰やレトルト食品を活用するのも一手。

【3.妊娠・出産できるカラダづくりのTO DO】スムーズな妊娠、元気な復職のために

離職しないための「妊娠前のケア」を考えよう

離職原因の4位に「不妊」、7位に「産後の不調」があったように、妊娠・出産、産後を問題なく過ごせる体づくりは、長く働く必須要素のひとつ。望んだときに妊娠できる、妊娠期を普通に過ごせる、産後スムーズに回復できる体を整えておくことは、離職回避に直結する。そのためにできることをTO DOにまとめた。「医学的に理想的な出産期も考え、キャリアプランとライフプランを一度すり合わせてみて」(細川さん)。

【TO DOリスト】
○婦人科検診を受ける
がんや筋腫の有無、感染症検査のほか、月経異常がある場合は必要に応じたホルモン検査をしておくといざというとき早く手を打てる。妊娠計画のない人も検診は定期的に。

○たばこ・お酒を控える
「たばこもお酒も、卵巣にダメージを与える不妊の要因」と佐藤さん。禁煙し、過度な飲酒は控えて。

○「ながら」でよく動く
筋肉があると糖が使われやすいので、血糖値が上がりにくくなる。階段を使う、歯磨きしながらスクワットなど、動く習慣で筋肉維持を。

○ワクチンを接種する
「はしかや風疹は、妊婦が感染すると流産や先天性障害の原因に」(佐藤さん)。妊娠を考えたら、夫婦でワクチン接種を。

○甲状腺のチェックを
甲状腺機能低下は不妊や流産のリスクを高めるので、一度は甲状腺ホルモン検査を。疲れやだるさが気になる人は特に注意。

○血糖値をチェック
妊娠すると血糖値を下げるホルモンが利きにくくなるため、「普段、血糖値が高めの人は、妊娠糖尿病の発症リスクが5倍以上に」(佐藤さん)。高めの人は特に妊娠前から血糖コントロールを。

妊娠しにくい人の特徴は…

1 ビタミンDが足りていない

「不妊患者の血中ビタミンD濃度を調べると、一般女性よりも不足していることが分かった」と佐藤さん。妊娠率だけでなく、胎児の発育にも影響する重要ビタミンだ。

ビタミンDを満たすには…
・Dは紫外線に当たると体内で生成される。1日に1度は外を歩こう。
・Dは魚やキノコに豊富。特にサケやしらす干しがおすすめ。

2 やせすぎ、太りすぎ

やせすぎ、太りすぎはホルモンバランスが乱れやすくなるため、不妊につながる。「妊娠にはBMI20~22が理想だが、現代女性は18前後のやせすぎが多い」と佐藤さん。

この人たちに聞きました

細川モモさん
予防医療コンサルタント。一般社団法人ラブテリ代表理事。米国で栄養疫学を学び、米国認定資格を取得。日米の専門家を集めて母子健康増進プロジェクト「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。
佐藤雄一さん
産科婦人科舘出張佐藤病院 院長・産婦人科医。佐藤病院グループ代表。女性の心身の健康を支援していくことをライフワークと考え、予防医学の観点から、女性のQOLの向上、子宮頸(けい)がん、乳がんの撲滅に向けて活動中。

(取材・文 木村正子 )

[日経ウーマン 2019年9月号の記事を再構成]

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