日経ウーマン

2020/1/23

【2.血液の質を改善するTO DO】疲れないカラダ、うつにならないメンタルへ!

取れない疲れ、うつっぽさは栄養失調のせいかも!

「朝起きられない、気力が湧かない、メンタルのアップダウンが激しいといった心身の不調の背景には、栄養失調が疑われる」と細川さん。欠食やダイエットなどでエネルギー不足になっている女性は多く、当然ながらパフォーマンスは落ちる。また、月経がある女性は特に鉄欠乏になりやすく、「貧血は疲労や体力低下だけでなく、メンタルにもダメージを与える」(細川さん)という。いい血液のためには、栄養が重要!

【TO DOリスト】
○手のひら一盛りの肉や魚を食べる
鉄とともに血液の主材料となるたんぱく質も、女性に不足しやすい栄養素。「1食に手のひら一盛りの肉や魚、卵を食べること」と細川さん。

○白い米・パンは控える
「主食は、精製された白いパンや白米より、ミネラルなどの栄養価が高い未精製の全粒粉パンや玄米などに置き換えを」(佐藤さん)

○年に1度は血液検査を
血液中の鉄の指標「ヘモグロビン値」と貯蔵鉄の指標「フェリチン値」の検査を。「ヘモグロビンは12以上、フェリチンは諸説あるが妊娠前に50は必要といわれている」(細川さん)。

○鉄強化食品を食べる
「鉄が添加されたドリンクや菓子などが多数あるので、うまく取り入れて」(細川さん)

○食品の種類を増やす
ビタミンやミネラル、たんぱく質は互いに助け合って吸収される。「食品の種類をできるだけ増やしたい。1皿料理より定食を」と佐藤さん。

栄養強化にまつわるQ&A

Q.何をどれぐらい食べればいい?
A.3大栄養素を4:3:3の割合に

3大栄養素の摂取バランス目安は「炭水化物6、たんぱく質2、脂質2」といわれてきたが、「炭水化物過多! 4:3:3がおすすめ」と佐藤さん。肉・野菜・ご飯は同量ずつが目安。

Q.太りたくない場合は?
A.朝を多め、夜を少なめに

「活動をスタートさせる朝を多めに、活動量が落ちる夜を軽めにすれば問題なし。実際に朝ごはんをしっかり食べる人のほうが体脂肪やBMIは低い」と細川さん。

Q.朝は忙しい!どうしたら?
A.缶詰やレトルトを常備して

「『ご飯+納豆+じゃこ+卵+かつおぶしのせ』プラス前夜の味噌汁の残りがあれば十分! 果物があれば完璧」(細川さん)。缶詰やレトルト食品を活用するのも一手。

【3.妊娠・出産できるカラダづくりのTO DO】スムーズな妊娠、元気な復職のために

離職しないための「妊娠前のケア」を考えよう

離職原因の4位に「不妊」、7位に「産後の不調」があったように、妊娠・出産、産後を問題なく過ごせる体づくりは、長く働く必須要素のひとつ。望んだときに妊娠できる、妊娠期を普通に過ごせる、産後スムーズに回復できる体を整えておくことは、離職回避に直結する。そのためにできることをTO DOにまとめた。「医学的に理想的な出産期も考え、キャリアプランとライフプランを一度すり合わせてみて」(細川さん)。

【TO DOリスト】
○婦人科検診を受ける
がんや筋腫の有無、感染症検査のほか、月経異常がある場合は必要に応じたホルモン検査をしておくといざというとき早く手を打てる。妊娠計画のない人も検診は定期的に。

○たばこ・お酒を控える
「たばこもお酒も、卵巣にダメージを与える不妊の要因」と佐藤さん。禁煙し、過度な飲酒は控えて。

○「ながら」でよく動く
筋肉があると糖が使われやすいので、血糖値が上がりにくくなる。階段を使う、歯磨きしながらスクワットなど、動く習慣で筋肉維持を。

○ワクチンを接種する
「はしかや風疹は、妊婦が感染すると流産や先天性障害の原因に」(佐藤さん)。妊娠を考えたら、夫婦でワクチン接種を。

○甲状腺のチェックを
甲状腺機能低下は不妊や流産のリスクを高めるので、一度は甲状腺ホルモン検査を。疲れやだるさが気になる人は特に注意。

○血糖値をチェック
妊娠すると血糖値を下げるホルモンが利きにくくなるため、「普段、血糖値が高めの人は、妊娠糖尿病の発症リスクが5倍以上に」(佐藤さん)。高めの人は特に妊娠前から血糖コントロールを。

妊娠しにくい人の特徴は…

1 ビタミンDが足りていない

「不妊患者の血中ビタミンD濃度を調べると、一般女性よりも不足していることが分かった」と佐藤さん。妊娠率だけでなく、胎児の発育にも影響する重要ビタミンだ。

ビタミンDを満たすには…
・Dは紫外線に当たると体内で生成される。1日に1度は外を歩こう。
・Dは魚やキノコに豊富。特にサケやしらす干しがおすすめ。

2 やせすぎ、太りすぎ

やせすぎ、太りすぎはホルモンバランスが乱れやすくなるため、不妊につながる。「妊娠にはBMI20~22が理想だが、現代女性は18前後のやせすぎが多い」と佐藤さん。

この人たちに聞きました

細川モモさん
予防医療コンサルタント。一般社団法人ラブテリ代表理事。米国で栄養疫学を学び、米国認定資格を取得。日米の専門家を集めて母子健康増進プロジェクト「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を発足。
佐藤雄一さん
産科婦人科舘出張佐藤病院 院長・産婦人科医。佐藤病院グループ代表。女性の心身の健康を支援していくことをライフワークと考え、予防医学の観点から、女性のQOLの向上、子宮頸(けい)がん、乳がんの撲滅に向けて活動中。

(取材・文 木村正子 )

[日経ウーマン 2019年9月号の記事を再構成]

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