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絵や雑貨で華やぎ演出 世界注目の台湾書店が日本上陸

誠品生活日本橋

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NIKKEI STYLE

たくさんの書籍と本好きの人々が集まる書店やブックカフェ、図書館には、それぞれ独自の「表情」がある。個性的な「本の居場所」を紹介するこのシリーズ。今回は、生活雑貨や飲食店、体験工房などを併設して「文化と芸術の発信」をコンセプトに掲げる「誠品生活日本橋」(東京・中央)を訪問した。選書と店舗デザインにとことんこだわる、今アジアで最も注目されているスタイリッシュな書店チェーンの日本1号店だ。

◇   ◇   ◇

本とアートの「ワンダーランド」

2019年秋、東京・日本橋にオープンした商業施設「COREDO室町テラス」。正面にゆったりとした広場がある開放的なビルの2階で、台湾に本社を置く書店「誠品生活」が営業している。台湾のほか香港、蘇州、深圳などアジア各地ですでに48店舗を展開している書店チェーンが、中国語圏外で初めて開設した店舗だ。誠品書店はアジアのブックビジネスで最先端を走る流通企業として知られる。「TIME」誌アジア版は2004年、書店としては世界でも珍しい24時間営業を始めた「誠品敦南店」(台湾)を「アジアで最も優れた書店」に選出した。また物販も展開している旗艦店「誠品生活松山店」(台湾)は2016年、米CNNにより「世界で最もクールな百貨店14」に選ばれている。

日本橋店のキャッチフレーズは「くらしと読書のカルチャー・ワンダーランド」。店内で目を引くのが、フロアを縦断する形で設置した30メートルの長さの「文学回廊」だ。アルミ製の外枠に木材がはめ込まれたシンプルなデザインが落ち着いた空気を醸しだしている。回廊の真ん中に川が流れるように配置したテーブルには、テーマごとに平積みの本が並べられている。両側にはレストランやセレクトショップ、文具のコーナーが配置されており、来店者の回遊を促す仕掛けになっている。

誠品生活Japan営業部部長の謝月貴さんは「台湾の誠品生活の雰囲気を存分に味わってもらえるように工夫しました」と話す。中華風の赤い装飾に彩られた飲食店は1862年に台南で創業した老舗の飲茶荘「王徳傳(ワンダーチュアン)」。甘く爽やかな本場のウーロン茶を提供している。台湾生まれのハーバルケアブランド「阿原(ユアン)」では、天然ハーブを使った手作りせっけんが人気だ。台湾の伝統食材やキッチン用具を集めたマーケット「誠品生活市集」はいつも買い物客で混雑している。

書店とギャラリーの複合店としてスタート

書籍は日本の一般的な文学書からビジネス書、児童書、専門書まで一通り取りそろえてある。新刊の品ぞろえも充実している。その一方で、台湾や英語圏の書籍など多言語の本も多数扱う。東京駅や銀座に近いという立地から、中華系を中心に訪れる外国人観光客は多い。

「誠品生活」の創業は1989年。書店兼ギャラリーとして営業をスタートした。創業者の呉清友氏は「Books, and Everything in Between(本とくらしの間に)」を経営理念に掲げてビジネスを拡大してきた。「読書は、本とくらしの間に存在する。書店は知識を伝える場と言うだけでなく、様々な芸術や展示の文化的な場になることができる。1つの文化的な場である以上、我々は空間としての美しさを重視すべきであると同時に、力をついやし、品を高め、独自の場にしていかなければならない」と自身の評伝(林静宜『誠品時光』)で語っている。

創業以来、独自のサービスとしておすすめ本の選定に力を入れている。1990年に始めた「誠品選書」は毎月、推薦図書を紹介するプロジェクト。台湾では4~5人の選書委員が会議を開いて、各人が新刊書の中からピックアップした推薦図書をプレゼンテーションする。1冊ずつ真剣にディベートをしながら毎月8~10冊を選んでいる。日本橋店では4人のスタッフが日本語の書籍を選定しているという。

1月の選書で一押しは広田尚久『ベーシック』。最低限の生活を送るための現金を支給するベーシック・インカム制度をテーマにした小説だ。「格差社会は国際的に問題になっている。読書を通してものごとを考えるという視点でピックアップした」と謝さんは解説する。選書スタッフの強い推薦があったため、書籍を題材とする本も2冊取り上げている。1つは米国史上最悪の図書館火災を題材に図書館の役割や未来図を描くノンフィクションのスーザン・オーリアン『炎の中の図書館』。もう一つは、日本でたくさんのヘイト本が出版・販売されている理由を探った永江朗『私は本屋が好きでした』だ。

売れている本より「読ませたい本」

日本の一般的な書店とは異なり、販売冊数をベースとしたベストセラー・ランキングは発表しないという方針を貫いている。「世の中で売れている本ではなく、私たちが読んでもらいたいと思う本を紹介したい」(謝さん)というこだわりからだ。「ベストセラー案内」の代わりに「専科本棚」という日本橋店独自の陳列棚を設置した。ここでも「読書とは考えること」という思いから、スタッフがまず社会的な関心事に関連する書籍を複数選ぶ。2019年に話題になった出来事から、「プラスチックを減らす生活」「副業が今流行っている『定時退社』経済」「2019/5台湾、同性婚合法化へ」などをテーマに設定した。

活字離れの傾向は、日本と同様、アジア諸国でも顕著だという。誠品生活は「本が好きな人も、そうでない人も、とにかく本屋に来て実際にページをめくってほしい」というメッセージを発信している。来店者を楽しませる仕掛けとして、頻繁に開催するイベントも誠品生活の売り物の一つになっている。1月25日には「台湾春節」(旧正月)を迎える。その前夜は、めでたいお菓子のプレゼントや台湾映画の上映会などで顧客をもてなす。25日は台湾出身の作家・女優である一青妙さんをゲストに台湾正月料理とトークを楽しむイベントを開く。

(若杉敏也)

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