キャリアに迷ったら 本業でこそ失敗を恐れずに挑戦仕事と遊びの境界線をなくす「公私混同力」のススメ(5)

2020/1/20
本業で頑張って結果を出す「冒険」が大切(写真はイメージ=PIXTA)
本業で頑張って結果を出す「冒険」が大切(写真はイメージ=PIXTA)

「キャリア迷路」から抜け出すためのコミュニティーを主宰する池田千恵氏は、「副業」が話題になっている今だからこそ、あえて本業で頑張って結果を出す「冒険」が大切と指摘します。なぜ本業での「冒険」がキャリア形成に役立つのか、池田氏が解説します。

失敗した経験がある人ほどあとで「化ける」

先日、ヘッドハンターを職業としている友人に「U理論」という考えを教えてもらいました。U理論とは、マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン校の経営学部上級講師、オットー・シャーマー博士によって提唱された理論だそうです。組織開発のプロセスでは「U」の文字のように、一度底を打って行き詰まり、今までいろいろ得てきた経験を一度ゼロリセットしてから能力を発揮する、ということから「U理論」と呼ぶそうです。

「これから伸びる人の目利き」である彼女によると、順風満帆で苦労なく今まできた人よりも、「転職先で成果を出せなかった」「手がけたプロジェクトが大失敗した」といったように、どこかで一度切羽詰まった経験がある人ほど、あとで結果を出し「化ける」ことが多いそうです。

もともとU理論は組織開発から始まったものだそうですが、彼女の話を聞き、組織開発だけでなく個人のキャリア形成においても当てはまるものだと感じました。今の自分じゃ到底ダメだという「底(U)」を見たからこそ、今までの経験にとらわれない発想や行動力、覚悟が生まれるのでしょう。

「切羽詰まる」経験が人を成長させる

筆者は職業柄、多くのリーダーや成功者と呼ばれる人と話す機会がありますが、「今」だけを切り取ると輝かしい実績を持つ彼らでも、過去に必ずどこかで「袋小路」に入った経験があります。窓際社員になったり、会社が売却され社内風土が激変したり、就職活動に失敗したり、有り金を全部はたき自己破産一歩手前になったり、社運をかけて臨んだプロジェクトが玉砕したり……といったように。

一度手痛い失敗を経験し、「今の自分の延長じゃ無理だ!」と分かったとき、卓越したアイデアが生まれます。今までのやり方に固執せずにゼロベースで、必死でどうしたらいいか考えられるようになりますし、一度失敗したからこそ「こうすれば確実に失敗する」という知見が積み重なり、失敗を繰り返さずに済みます。ダメで惨めな経験をしたからこそ、失敗した人にも優しくなれ、新のリーダーになっていくのでしょう。その結果が今の輝ける実績なのです。

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